レズビアンである〈わたしたち〉のストーリー

著者 :
  • 生活書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903690216

作品紹介・あらすじ

レズビアンである「彼女たちのストーリー」において示唆されていた問題意識を、女性学・ジェンダー研究、セクシュアリティ研究、クィア理論で取り組まれている課題と接続し、「時代遅れ」なものとして見過ごされてきた「彼女たちのストーリー」の新たな「読み」を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、過去に発行されたレズビアンに関するミニコミ誌を読み返すことで、レズビアンである彼女たちが「〈わたしたち〉のストーリー」をどのように語ってきたか見ていこうという、ざっくり言うと「レズビアン•コミュニティ」をテーマにした論文です。
    レズビアンの人、レズビアンを理解したい人、レズビアンに関して何か語りたいと考えている人たちにオススメの一冊。
    論文なので、私には少し難しく感じましたが、自分のことを理解する一つの手がかりになったなと思います。

  • だいぶ前に読み終わったのだけども
    難しいなぁというのが正直な感想・・・
    社会学系は前提とされる言葉や知識がむずかしいですごめんなさい

  • 20110208
    /ミニコミ誌の中に登場した「女として女を愛することはすばらしいことである」というストーリーは、レズビアンに対して差別的なマスター・ナラティブ(支配的な物語)に対するカウンター・ナラティブ(対抗的な物語)。一方、対立の図式を作ることは分けられた二項各々の内容を不当に均一化、同質化させる面もある。本書はまずこの点について警告した上で、様々な視点から<わたしたちのストーリー>としてレズビアンの立場、主張を読み解いていく。

    /カミングアウトは初め社会的に抑圧された場所からの解放と見なされたが、今や逆の立場を取る者も多い。カムアウトの向こうの新たなる制約、自らさらした従属の要素から主体は永遠に逃れ得なくなるのではないか。一方、自分自身の再発見という意味でのカムアウトが何らかの「光」「力」となり、「人生を変える」エネルギーを持っていることをも認める必要があるだろう。カミングアウトは一度きりのものではなく、何度も繰り返して「そうなっていく」ものとの解釈がここに示されている。

    /最終的に<わたしたち>(ここでの主体が含む二重の意味は意図的なものか?)自身にもあてはまる性/生のストーリーにも言及。すなわち、性/生とは、我々が主体的に「作って行く」ものでありながら、思い通りになるような代物ではなく、ましてや既存の道徳や(性)規範など単一の価値基準によって作っていけるようなものではない。むしろ、試行錯誤によって作り上げられていくものであり、何より「一〇〇%バラ色ではない」不完全なものである。

  • <わたしたち>の語りかと思ったらそうじゃなくて、語られたものの読み直しだった。
    そういう物語りかたをされていた、どころか、語られていたということすらろくに知らない身からすると、ああもっと色々読んでおけばよかったと思う。そんで、なにを語れるだろうと思う。
    消化するにはまだ私の知識とか考えが足りてないな。

  • 【和光 未所蔵】

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著者プロフィール

東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任准教授。一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員。専門はフェミニズム・ディスアビリティ研究。主な著書に『レズビアンである〈わたしたち〉のストーリー』(生活書院、2008年)、『合理的配慮:対話を開く 対話が拓く』(有斐閣、2016年;共著)、『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』(生活書院、2022年;共著)、『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』(有斐閣、2022年;共著)などがある。

「2023年 『ホワイト・フェミニズムを解体する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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