知をみがく言葉 レオナルド・ダ・ヴィンチ

制作 : ウイリアム レイ 
  • 青志社
3.43
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903853284

作品紹介・あらすじ

レオナルドの言葉を読むことは、彼の目を通し、彼の見ていたように世界を見ることでもあります。それによって、人間の知性がいかに大きな可能性を秘めているか、ということもわかるに違いありません。芸術、科学、人生について、レオナルド・ダ・ヴィンチが「知のヒント」を与えてくれる。

感想・レビュー・書評

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  • あれだけの多種多様な才能を発揮したダ・ヴィンチ。彼の思想の根っこの部分が垣間見える本。時を超越して、日々の暮らしの場面によって語りかけてくる意味が変わってきそう。手元においておくとよい。


    以下、印象に残ったことば。

    過去について嘘をつくな。

    私は生きることを学んでいるはずだったのに、いつからは死ぬことを学んできている。

    恐怖にかられた人間は、自分が最も恐れているものに自ら近づいていく。
    不幸になることを恐れる人間は、自ら不幸になっていく。

  • 目は人の体の窓である。
    人は目を頼りに前へ進み、世界の美を楽しむ。

    晴れた日の正午頃、風景は最も清く澄む。
    他のどの時刻よりも、空気から水分が失われるからだ。(p.92)

    力――それは暴力に生まれ、自由に死ぬ。
    そして、大きいほど、使い尽くされるのも早い。
    力は、怒りにより、破壊に抵抗する者を追い払う。
    抵抗の要因を征服すること、消滅させることを望み、その征服によって自らも破壊する。(p.152)

    助言は、自分をうまく律することのできる人間に求めるとよい。
    違いを見分ける、判断する、考察する、これらは皆、人の心のはたらきである。(p.213)

    肉体が朽ちてもそれで、魂までが朽ちるわけではない。
    ただ、魂は肉体の中で、オルガンの音を鳴らす風のように振る舞うので、
    パイプが駄目になってしまえば、風は良い結果を生むことはなくなる。(p.226)

    恐怖にかられた人間は、自分が最も恐れているものに自ら近づいていく。
    不幸になることを恐れている人間は、自ら不幸になっていく。(p.227)

  • この手の類の読み方は難しい。通り一遍な読み方ではなく、都度手に取ってダビンチが語りかけてくる言葉の真の意味を体感出来なくてはならないのだから。

    読者としては、これらのダビンチの言葉を発した背景を知りたい。背景が分かった方がダビンチが語る言葉の真の意図に近づけるような気がする。



  • 言葉に全く古さを感じない。
    数百年前にもう物事の本質を見抜いていたのだろう。

  • 芸術、科学、人生、三つのパートから構成されているダヴィンチの箴言集。最後の人生のパートが特に好きだったけど、知性と感覚の両立みたいなものがダ・ヴィンチのテーマだったような印象を受けた。あと全体的に少し真面目かなぁ。

  • 『201206 古典強化月間』

    ああ、やはりレオナルドは巨人だ。

  • あまり興味をそそられる言葉は見つかりませんでした、が、やはり人と違うことを考えて賞賛されているという点では天才なんだろうな〜と思います!

    意味深な内容が多いな〜と感じました。

  • まだ神様とかが幅を利かせてる時代に自然を克明に観察することの大切さを伝えてくれる。日常の積み重ねで芸術まで進化させることを達成した大天才の格言集。

  • <ルネサンス>は<再生>という意味だと学校で習うけれど、何が<再生>なのかご存知だろうか。
     
    それ以前の人間は、キリスト教会による宗教的な価値観に支配されていた。例えば、中世の絵画では、今ではあたりまえの、近いもを大きく、遠いものを小さく描く「遠近法」が存在しなかった。その代わりに、偉大なもの(例えばイエス)が大きく描かれていた。つまり、その時代の絵画とは観念的なもので、現実とは別ものだったのである。

    それを打ち破ったのが、「遠いものは小さく見える」という現実に対する観察であり、ここで遠近法が生まれた。しかし実は、遠近法は、キリスト教以前の古代には存在した表現技法である。だから、<再生>なのだ。これは絵画に限らない。それまで教会の教えに疑問を持たず、言われるがままに信じてきた人々が、自分で見たものを信じるようになり、<人間として再生>したのが<ルネサンス>である。

    特にレオナルド・ダ・ヴィンチは、この<観察>に非常に優れていた。例えば、<大小による遠近法>とは別に、「遠くのものは、ぼやけて見える」という観察から、<空気遠近法>という絵画手法を編み出した。

    レオナルドは同時に、科学者でもあった。自然への観察から、自然法則を見つけ出し利用することを考えた。自転車や飛行機の原型のスケッチが、その手記に現れている。ライト兄弟が飛行に成功する300年以上前の話である。

    本書は、そのレオナルドの有名な手記から言葉を取り出したもので、編者により芸術、科学、人生の3つのカテゴリに整理されている。

  • この本を読むということは、
    彼の講演を聞くのと同じ事。
    この本を持つということは、
    何時でも好きな時に彼の片鱗をこの世に召還出来るという事。

    この本は、彼自身だと言う事。

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