文章は写経のように書くのがいい

著者 :
  • ミシマ社
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本棚登録 : 243
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908120

作品紹介・あらすじ

自らのことを自己完結型の書き手と呼ぶ著者。
本書では、あの「多筆」の秘密を初公開します!
「文章を写経のように「サクサク」一定のペースで書く」「自分の平均的な執筆速度を知る」
「『私には書くことがない』という人は、自由連想方式、『100の質問』方式を」
「10時間あるよりも、『15分しかない!』ときのほうが効果的に書くことができる」
「POS方式、SOAP方式で客観的に書く力をつける」……etc.
具体的なトレーニング方法を、「本を書くのがストレス解消」と語る著者独自のエピソードをまじえつつ、紹介していきます。
書くことになれていない人から、日々何かを書いている人まで――文章を書くことが楽しくなる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 心理エッセイからサブカルチャーまで幅広く多くの本を書かれてきた香山リカ氏による、文章をかくための指南本。
    文章は一定の調子でサクサクと書いたほうが精神的な安定効果があること(写経のように書く)、書く内容のネタ探しとして自由連想法や100の質問法などの活用、細切れのぶつ切り時間でも人は文章を書くことがきるようになるための脳の使い方のコツ、定型文の効果について、SOAP方式など客観的に文章を書くコツなど、ざっくばらんに文章を書くためのコツと効果がついて述べられる。
    個人的な感想は、この本はなかなか秀逸と感じた。いままで多くの書き方の本を読んできたけども、それらと違う点は、著者が精神科医ということもあって「なにか書いて見よっかな~」「文章を書くって意外と敷居が低いかも?!」という気にさせるということ。今まで読んできた類書は、論理的文章構成や情報収集や読み手に訴える効果的な書き方ばかりだったので、本の読み手にやる気を起こさせる文章書き方本というのははじめてだった。そして、著者おすすめの数々のプチテクニックについても、本業である診療経験のなかでのエピソードが根拠としてあって、診察場面であったり、研修医の教育の一場面であったりが本書の文章を書くという異素材に見事マッチしているという面白さがあった。

  • タイトルがよく分からない。
    どうも、時間をかけずに、一定の時間でサラサラと思いついたことから言葉にするように書くのがよいとうたっているようだが。
    それなら、もっと違う言葉があるように思う。
    ここまで中身のないことをダラダラと書き連ねた本は久しぶりだ。

    一見、文章指南本のように思わせるがまるで違う。騙しのタイトル。

  • 書くことを収益にするプロになるためではなく、「書き手個人のため」に書くことについて特化し書かれた本。
    あくまで個人のためだから、人に読まれるいい文章を書くメソッドは少なめなので注意。
    とにかく一定のペースでサラサラ書くことの重要性を押しており、途中で筆が止まり悩むようならそれは書きたいことじゃないので書かないという徹底ぶり。これにより自分の思考と向き合うことができ、精神安定にも繋がるそう。

    書くことに興味があり、そのハードルを下げたい人が最初に読むにはいいかもしれないが、私はあいにく『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』(いしかわゆき著)を先日読み終わったばかりなのもあって、内容的に重なる部分もあったため★3とさせていただきました。
    こちらの方が自分のための文章の書き方だけでなく、人に読んでもらえるようになるコツも書かれていたので。

  • 女性的な少し極端な(ヒステリックな)物言いで、話の脱線も多いが、精神科医からの視点は新鮮。
    「文章はサラサラ書く」
    清水義範『大人のための文章教室』にも取り上げられている。
    両書とも谷崎潤一郎の文を引用。
    「最も実用的なものが、最もすぐれた文章であります」

  • 精神科医香山リカ氏による「文章術」。タイトルと著者の職業から、人の心に深く印象付けるテクニックであるとか、他の文章術の本とは一味違ったものを期待したが、その点は少し期待外れ。
    文章を書くことに慣れていない人が、その第一歩を踏み出すための指南書として、とてもやさしく書かれている。改めて勉強したいと思わせてくれた。
    また、作中で引用されている作品に興味をそそられるものが多かったので、その点は収穫だった。

  •  何も人前に出す文章を書くわけではない。もっと簡単にもっと気楽に書けばよい。

     でも、体は動かない、うまく描けない自分を責める。

     どこまでもそれの繰り返し、いずれその輪から離脱できることを願ってなるべくここにも書き続ける。

  • 「書く」ことは心の中を整理し、安定させること。
    「書いてみる」勇気をくれる本。

  • 文章を一定量一定の速さで書くと癒しの効果がある、という内容。
    とても納得した。だからみんなほぼ日や、ブログや、日記を、書くんだ。
    無意識にさらさら書いてる時の方がいい文章をかけるし、すっきりするっていうのも、レポートの経験から確かにと思えた。

  • 香山リカさんの文章についての本ということで、前々から読みたかった本。タイトルが、五七調なのは気のせい?
    ひとに見せていい評価を得るための執筆ではなく、徹底的に、自分のための執筆の話をしている。
    香山さんも実際に、いい意味ですごく力の抜けた文章を書いているので、本当にそうやって書いているんやろうなあと思える。
    書く内容は、どんなひとにだってある。一人ひとりの人生は他人から見ると「変わったもの」であるというところ、すごく共感した。

  • 文章論というよりは、おしゃべりの延長的なかんじ。本当に何も書けないけど、「書きたい」という気持ちがある人には心強い一冊。
    要所要所でカウンセリングのコネタがあって、なるほどねーという気持ちにもさせられた。
    「細切れに読むことができるんだから、細切れに書くことだってできる」
    というのは、あぁ、頭のいい人の論調だなくそ。と思った。不器用な人だっているのに。
    それなりに読みやすく、特に「細切れに」読みやすいので、通勤にお勧め。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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