ザ・万字固め

著者 :
  • ミシマ社
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感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908410

作品紹介・あらすじ

ひょうたんを愛する「全日本愛瓢会」に入会したり、2011年の東京電力株主総会に潜入したり、深夜にPSPのカードと格闘したり…。大人気作家、万城目学氏の、めくるめく日常。

地元大阪の話、少年時代の話から、無限・四次元・宇宙にまで想いを馳せ、そしてラストは…!?

ウルトラ級のエッセイ集、誕生!!

感想・レビュー・書評

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  • 著者のエッセイ集第三彈は、『万字固め』。順番なら第二彈『万遊記』が 先なのだけど、まだ手に入らないのでこちらを先に読んだ。
    相変わらずの"万城目節"で大笑い。本当に、よくこんなにいろいろな言葉が見つかるものだ、と感心もさせられた。
    本書の中で一番読み甲斐があったのは、『やけどのあと』。"株"を持つということは、リスクが多いのだと感じた。

  • 食べ物の話あり、旅の話あり、東京電力株主総会リポートあり、宇宙の話ありの万城目さんのエッセイ。

    目次を見て1番気になったのは、東京電力株主総会リポートだった。
    東京電力の株主総会の取材かな?と思ったけど、株主として参加したなんて…とにかくびっくり。
    でも確かに株主総会の取材なんてないのかな…。しかもあの時期の総会の。
    万城目さんの緊張が伝わってくる総会前。
    株主総会って何だろう?という疑問が浮かぶ総会後。
    今までもなかったけど、これからの人生でも株主総会に出席することなんてないかもしれない。
    となると、株主総会のイメージはこのリポートから更新されないままになってしまうのか…。
    それでいいのだろうか…と少し不安でもある。

    でも、読み終わって1番印象に残っているのは、東京電力ではなく鰻の話だった。
    万城目さんが静岡で鰻を究める(?)話。
    万城目さんが到達した鰻のお店にすごく行ってみたい。
    他の鰻が不味くなる究極の鰻。
    私は鰻を不味いと思ったことがない。
    それは幸運にも美味しい鰻にしか出会ったことがないのか。それとも、私の舌が肥えていないのか…。(たぶん後者だろう)
    それまで美味しかったものを不味く感じてしまうなんて、舌が肥えるというのはかなり困った事態ですね。
    とびきり美味しいものを食べつつ、舌を肥えさせない方法がないものだろうか…。

    万城目さんが宇宙や影について考えをめぐらせている時に、そんなことで悩んでいるというのも少し悲しい。

  • 3食断食中(3日目)に読んだので、ミルクティーと鰻とお寿司とタルトの話が辛かった…。断食と復食が明けたら、ル・プチメックのパンを食べようと誓う。

    ひょうたん、奥深いね。ひょうたん未亡人にはなりたくない。

    東電の株主総会の話はいつもの万城目節とは異なる味わい。株怖い。

  • 万城目さんの日常の切り取り方が面白いです。庶民的な目線で、うんうんわかるわかる、だよねー、などと思いながら思わず読み進めてしまう。小説の万城目ワールドとも通ずる部分があり、しかも小説よりするすると読めてしまう。肩の力を抜いて読めました。

  • 「プリンセス・トヨトミ」が店頭に高く積まれていた頃、
    大阪・谷町の街角の古い小さな書店で、
    「万城目学氏来る!」とサイン会のお知らせが、
    マジックインキでひょろひょろと書かれた張り紙を見て、
    「なんでこんなところで?あぁ、きっとこの辺りにお住まいだったんだな」
    と一人で納得した。
    当時はまだ氏の作品を読んだことがなくて、情報をスルー。
    ファンとなった今、激しく後悔している次第である。

    この本を読んで、かつて谷九にお住まいだったことを知り、
    「やっぱり思った通りやったなぁ。万城目さんって作風通りのいい人やなぁ」
    と過ぎし日を思いだし、感激を新たにしたのだった。

  • 会いたかった万城目さん。久しぶりの出版はエッセイだった。
    小説も面白いのだが、エッセイもまたジワジワ来る面白さだ。
    私はこの人の「こだわり方」がとても好きである。言葉や事象に対する飽くなき好奇心というか、気にする仕方、追求の仕方を読んでいるのが楽しくてしかたない。
    どうも現在は「とっぴんぱらりの風太郎」という小説を書いておられるようで、早くもその作品に対する期待が高まっている。うう、早く読みたいぞ。
    しかし、不安もある。本作のラストで恐ろしい事態がまきおこっているようなのだ。影が逃げてしまった万城目氏の運命やいかに! どうか無事に影を取り戻し、一刻も早く「とっぴんぱらりの風太郎」を仕上げてほしいと願うばかりだ。
    ミシマ社の装丁は温かくて大変すばらしい。なんかもう全体にくすくす笑いが止まらない感じである。

  • 幅広い内容で面白かった。
    ギリシャの話がいい!ギリシャはほんと島がいい。
    また行きたいなー。

    大阪ネタは、あ~分かる~って感覚はないんだけど、
    ああなんかそんな感じ、って共感できる。

    原発の話はなー、笑えない。

    便利さについての話とかウナギについての話とか、書くことが得意な話とか、いやいや他にもいろいろ、やっぱり面白いなーって思いました。

  • マキメさんのエッセイ。
    今作もマキメさんの魅力がぎゅうぎゅうでした。はー、わらった。

    特に「マキメマナブの日常」がひときわ面白かったなあ。
    ナチュラルボーンの響きがすきだとか、ひょうたん育てたりだとか、
    夜中に黙々サッカー日本代表を戦国武将で構想したりとか(侍ジャパン!)
    やることがシュールすぎます。

    東電の株主総会レポにしてみても、震災当時のことをこういう視点で書く人は他には居ないだろうなと。
    勿論、被災した方とは比べものにもならないですけど、東電も板挟みで結構可哀想なんだなと勉強になりました。

    台湾でのサイン会も面白かったし。。。。。で、
    あのラストなに!笑

    はあ~。とっぴんぱらりが待ち遠しい。

  • さすが、あんな小説を書く人はエッセイもこうなるしかない。

  • 日常の事柄、旅行記、歴史の空想、社会的な事柄に関する体験記、科学の空想、雑記といった、エッセイやエッセイ的な何かを、話題に沿って章立て、構成されている。
    個人的に好みの話もあれば、そうでもない話もあった。作者の視点にたって物事を俯瞰し、新しい価値基準を得ることがエッセイを読む醍醐味だろう。この点で、おおむね良かったと思う。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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