人生、行きがかりじょう――全部ゆるしてゴキゲンに (22世紀を生きる)

  • ミシマ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908458

作品紹介・あらすじ

新シリーズ「22世紀を生きる」第一弾!

人は、こういうふうに生きていくこともできる。

バッキ―井上=
画家、踊り子、"ひとり電通"を経て、現在、漬物屋、居酒屋の店主、酒場ライター。(自称、スパイ・忍び・手練れ)

日本初の酒場ライター、バッキー井上(54歳)、語り下ろしによる初の自伝的エッセイ。「事実は小説よりも奇なり」という言葉がピッタリな「抱腹絶倒の半生」から滲み出る独特の感性と語りが読者を魅了してやまない。映画・漫画・小説をしのぐバッキーワールドをぜひお楽しみください!

【行きがかりじょう】
自分が選択をして、現れるものと向き合い、すべてポジティブに反応すること。
シアワセになるための基本的な心構えであり、ゴキゲンへの道しるべであり、優れた戦法でもある。

「街で生きる」知恵と極意が詰まった、バッキ―井上・名言より

大海の魚は同じ顔をしてる。磯辺の生き物は違う。
おいしいもんばっかり探している人は、出発時点から負け戦。
「必要なものだけ生き残れる」だったら、俺は生き残れなかった。
「結果」って、自分で勝手に決めてるだけで、全部、「つづく」やな。
安いのを買ったほうが得というけど、それをしてたらアホになる。
求めたらあかんわねぇ。求め過ぎたら。
・・・etc.

話題を呼んだミシマガジン特集「就活生に告ぐ! 君はバッキー井上を知っているか」もあわせてどうぞ。

感想・レビュー・書評

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  • この本は良い。何がいいかと言うと、読んでる時に気持ちが変わる。おもしろいなーって思う本でも、自分のおもしろさを感じる器官までで止まるものはそれなりの本。でも、ちょっとシャイであんまり本性を見せたがらない自分の気持ちまで届く本はなかなか無い。

  • コロナ禍開けないかなぁ
    飲むのも良いけど、みんなと語り合いたいなぁ

  • 人生、行きがかりじょう
    ~全部ゆるしてゴキゲンに~

    著者:バッキー井上
    発行:2013年10月2日
       ミシマ社

    今月、朝日新聞の「折々のことば」でバッキー井上氏のコラムからの引用があった。雑誌や新聞で目にしているかもしれないけど、ちゃんと読んだことがない。どんな人だろう?ということで、彼が出している何冊かの著作の中から、彼自身の半生を語る内容のコラム集を借りて読んでみた。

    本のプロフィールには、本業は、京都の錦市場での漬物店経営。そのかたわら、日本初の酒場ライター、そして、居酒屋「百練」経営。と書かれている。1959年生まれ。日本初の酒場ライターって、本当だろうか?もっと前から別にいそうな感じがする。ミーツ・リージョナルに京都の街・人・店についての名文を残している、とある。

    京都生まれで、不良だと書いてある。理由は不明だが高校をやめて、まず水道屋の職人さんの手元(助手)を何年かしたが、広告の世界に行きたくなり、広告会社に次々と電話。しかし、広告のことを全く知らないし未経験なので相手にされず。1社だけ納品係としてならと採用された。広告とは関係ない車での納品の毎日。だが、道を覚えて早く帰社すると、広告のことも手伝わされるようになる。経営者が広告作りの先生で、深夜まで付き合わされる中で仕事を覚える。

    しばらくすると、アメリカの広告会社よろしく、独立して一人で会社をつくろうと決意。「ひとり電通」を始める。景気のいいころだからなんとか食べられたが、アメリカの広告会社のように一流会社がクライアントとなってくれないためイメージと違い、やめることを決意。同時に、マンション暮らしをやめようと思った。すると、2年ぐらいなら使ってもいいという古い家が錦市場にあったので、そこで漬物屋を始めることになった。もちろん、漬物も素人で、師匠に習いながらのスタートとなった。師匠のつけたもの、仕入れたもの、自分でつけたもの、の3種類を売った。

    ライターは、どうやら「ひとり電通」時代に始めたようだ。当時、ミーツ・リージョナルの編集長だった江弘毅氏と出会ったのがきっかけだろう。京都の店を紹介する仕事をしていて、創刊号からコラムを書くように。
    江氏は僕も仕事で接点がある(今はご無沙汰している)。
    また、検索すると、漬物店には今でも毎日出ているとのこと。

    バッキー井上のバッキーは、ハワイアンのバッキー白片から取ったようだ。本名は井上英男というらしい。
    僕とはほぼ同じ年、書いている感覚はとてもよく分かることが多い。もちろん、多様性を尊重するというのが彼の底流だが、なんでも新しければいいという感じでもない。変だと感じるものには、ハッキリと変だという姿勢には好感が持てる。

    「ひとり電通」を始めた時、なんのコネもないアップル社に行った。おたくの仕事が欲しい、と。もちろん相手にされなかったが、暫くすると電話がかかってきて、京都にアップル製品を積極的に売ろうとしている店ができたので紹介すると言われてびっくり。

    三ヶ月以上使うことができるようなものは、100均で買うのはやめよう、と決意した。

    こだわっていると、「あの人こだわっているから、もうこの話をしないことにしよう」となる。「ヘンコ・マスター」に入ったらあかん。

    ひとり電通をやめる時、各社に挨拶回り。ミーツ・リージョナルだけは、「表紙はお前続けろや!」「コラムもやめんなよ」とでかい声の江さんに言われて書き続けた。
    (岸和田の出身の江さんは本当にでかい声で、知らない向きには乱暴に聞こえる岸和田弁を話す)

    著者には、気配を消せる特技がある。例えば、バーに取材に行っても、雰囲気次第で自分の気配を消して店の雰囲気を壊さない。一緒に取材していたカメラマンも、同じ技を持っていたとのこと。

    店に入ったとき、どこか湯気が出ている店が好き。

    50歳、60歳の人たちが、実はちゃんとしたおっさんになれてない。「最近の男は」「オッサンになれていない疑惑」みたいなコラムを書いた。ちょいワルおやじとか、エグゼクティブテイストとか、そんな中年はオッサンと違う、年のいった男の子。

  • バッキーさんの半生。
    この本で初めてバッキーさんを知ったのだけど。
    なんか、楽しい人だ。
    飄々としてて、エネルギッシュだ。
    得体の知れない元気をくれる。

  • こういう人生好きだな。

  • 勢いのある本。

  • ミシマ社の本は定期的に購入することにしているが、このばっきー井上という怪人物は、ミシマ社を通じて出なければ知ることはなかったと思う。京都で配管工、デザイナー、広告制作などを経て漬物屋と居酒屋の店主であり、酒場ライターでもある「遊びと人生の達人」。自分とは正反対の性格であり、まったく正反対すぎて羨ましく思うことすらできないのだけれども、こんな人がいると思うとなにやら楽しくなる。ああ、こういう「いきがかりじょう」を大切にする人って、勘とか感受性とか本能がものすごく鋭敏で、それらを信じているんだなぁと心底羨ましく思う。すこし、そっちに足を踏み出してみようかな…という気にさせられる。機嫌良く人生を過ごすためのよき先輩である。(でも近くにいたらけっこう面倒くさいんじゃないかなぁ (笑))

  • ミシマ社の本なので、おもしろいやろうと思って借りた。
    予想以上にとびぬけたひとで、世界観がぜんぜんわからなかった。
    でも、おもしろそうな感性をしていることはわかった。
    こういうすきまをもって話をできるひとはいいなあと思う。
    どーんと構えた感じは、年齢を重ねたからこそのものなのか。

  • 「ヘンコのおっさん」だと思っていたら、「ヘンコ・リスト」に入ったらあかんとかいってはる(^_^)
    街場の酒飲みのおっさんでいてほしい。バッキー井上さんの身の上話はハチャメチャでオモロイ。名前もハワイアンから来てたのが分かりました。バーの話が薄いぞと損した気分になると負けなので、続きは街場へ行って飲むことにしよう。

  • 酒場ライター。「おいしい店ばかり行ってはいけない。それはいい時間を抜粋して抜き取るようなもの。そんな戦い、勝利のない戦いといっしょですよ」
    まさしく。

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著者プロフィール

1959年京都市中京区生まれ。高校生のころから酒場に惹かれ、ジャズ喫茶などに出入りする。水道屋の職人さんの手元を数年した後、いわゆる広告の「クリエイティブ」に憧れ広告会社にもぐり込む。画家、踊り子、「ひとり電通」などを経て、37歳で現在の本業、錦市場の漬物店「錦・高倉屋」店主となる。そのかたわら、日本初の酒場でライターと称して雑誌『Meets Regional』などで京都の街・人・店についての名文を多く残す。さらには自身も「居酒屋・百練」を経営。独特の感性と語りが多くの人を惹きつけ、今宵もどこかの酒場で、まわりの人々をゴキゲンにしている。著書に『たとえあなたが行かなくとも店の明かりは灯ってる。』『いっとかなあかん店 京都』(以上、140B)『人生、行きがかりじょう』(ミシマ社)がある。

「2020年 『残念こそ俺のご馳走。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

バッキー井上の作品

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