イナンナの冥界下り (コーヒーと一冊)

著者 :
  • ミシマ社
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本棚登録 : 91
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908700

作品紹介・あらすじ

紀元前3000年に生まれた原初の神話が現代によみがえる! アフロディーナもヴィーナスも聖母マリアも、もとは皆、「イナンナ」から始まった!? 能楽師である著者が、古典中の古典「イナンナの冥界下り」を現代語訳、その隠された現代的意味を解説する。ウツ、自殺......「心」の副作用に見舞われている「不安創出社会」の次の時代のヒントがここに。

1956年千葉県銚子市生まれ。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、甲骨文字、シュメール語、論語、聖書、短歌、俳句等々、古今東西の「身体知」を駆使し、様々な活動を行う。「イナンナの冥界下り」をシュメール語で能楽を柱に上演する公演は、2015年11月から各地で随時行われる予定。著書に『異界を旅する能~ワキという存在』(ちくま文庫)、『日本人の身体』(ちくま新書)、『あわいの力~「心の時代」の次を生きる』(ミシマ社)など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 人間がひとつの意識を獲得したとき、それ以前と以後で世界は劇的な変化を遂げる。しかし、その過渡期にあたる「あわいの時代」には両方の色が混ざる。最古の神話のひとつである本作の原典は、今の我々とそれ以前の「あわいの時代」のものである。もし今が「あわい」であれば、人間はどのような意識を獲得しどのような変化が起こるのかと考えさせられた。そして、その時に我々は古代人へとカテゴライズされるのだろうが、この想像は単なる妄想でなく、今起こりつつあることであると思う。

    頭や意識だけでなく、もっと大きく自分を包む全体をユラリと揺すられるような、不思議で壮大な一冊であった。

  • 人間の精神
    意識している所は
    本当に浅く小さくて
    眠っている
    気づかない所は
    とてつもなく大きい
    そこの部分に
    どう気付いて
    どう導いて行くのか

    妙興寺ブックオフにて購入

  • イナンナとは不思議な音感だな、と思っていたら、イシュタルのルーツとは。シュメール神話を扱ってはいるけど、内容は作者の得意な古代中国に寄せて書かれている。
    古代エジプトの神話を学生時代に学んでいた。当時が作者のいう女性時代であったかは別として、少なくとも男性至上の社会ではない。また、確かに古代神話は脈絡がないことが多い。心、時間の観念が今とは違うという指摘には頷かされる。“来るか来ないか分からない未来の不安”に現在を浪費しているなあと思いつつ読了。

  • バビロニア、ヒッタイト、メソポタミアの中に生きる女神。
    言葉を持たず、心もない、でも豊かな女神の世界がそこにあった。

  • 見返し
    「世界の見方がまるっきり変わる神話があった」
    著者・安田登
    「世界最古の神話を読み解いて見えたのは、時代の最先端だった!」
    担当編集者・ホシノ

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著者プロフィール

安田 登(やすだ・のぼる):1956年生まれ。 能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を、東京(広尾)を中心に全国各地で開催する。関西大学特任教授。 著書に、『身体能力を高める「和の所作」』(ちくま文庫、2010年)『異界を旅する能』(ちくま文庫、2011年)、『日本人の身体』(ちくま新書、2014)、『身体感覚で『論語』を読みなおす――古代中国の文字から (新潮文庫、2018年)、『見えないものを探す旅――旅と能と古典』(亜紀書房、2021年)『古典を読んだら、悩みが消えた。――世の中になじめない人に贈るあたらしい古典案内』(大和書房、2022年)、『魔法のほね』(亜紀書房、2022年)など多数。

「2023年 『『おくのほそ道』謎解きの旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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