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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903951492

作品紹介・あらすじ

たっぷり紙幅をとって質の高い評論や批評、研究を掲載する季刊ペースの雑誌を立ち上げます(流通上は書籍扱いです)。題して季刊『アルテス』! 音楽という領域のなかで幅広いジャンルやテーマを手がけているアルテスパブリッシングのすべてを投入していきます。
創刊号の特集は〈3.11と音楽〉というテーマで特集を組みました。東日本大震災と続く原発事故後の音楽について考えます。ご登場いただいた皆さんのおかげで、シンポジウム、論考、インタビュー、いずれも示唆に富む充実した内容となりました。
そのほか読み応えのある多彩な連載や論考を揃えましたので、ぜひご一読ください。

感想・レビュー・書評

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  • 音楽と文章を愛してやまない同人誌のよう(いい意味で)。つまり商売っ気がないのだ。しかしもちろんプロの仕事。書き手のセレクトは、さすが業界の風雲編集陣。いま、疾走する書き手、発信者を網羅した手腕はすごい。紙幅に制限をつけない太っ腹さも、インディペンデントならではだ。広告がない、えらい!インタビューを編集担当みずから行うのも、行動的。自主制作映画のノリでよい。音楽と社会をつなぐというコンセプトから震災をテーマにしたが、「地震がおきても芸術が変わったというためしはない」と終始一貫繰り返す高橋悠治さんの言葉が、いちばん生々しく残ったのは、わたしがうがった読者だから?コンセプトってなんだろう。それを作っては壊す、雑誌とはなんだろう。女っ気なく、オシャレではないが、立ち位置がはっきりしている。すすめエイトマン、どこまでも!

  • 以下引用

    芸術とは‹言葉で表せないものを感覚や身体を通して表現する活動›だとしばしばいわれるが、このように芸術を言語との対立関係において語る通俗的定義は不完全である。芸術とはむしろ、感覚を超えたものを感覚に媒介する行為なのである。

    芸術行為に置いてーいわば死者たちーそして未だ生れていない者たちのまなざしにみずからを置くという経験をしている

    言語は芸術の対立物ではなく、むしろ芸術とパラレルに与えられている何か

    言語は私たち生者の自由にはならない。自分の個人的な思考や感情を表現するために、勝手気ままに言葉に意味を与えられるわけではない

    ➡言語自体が、これまでの【歴史】=人間の社会や動向、またそこに生きられてきた者たちの感じた‹現実›を表現するものだったということかな。言語が消失するということは、歴史が断絶すること、また『世界』=歴史構築の生成自体が、途絶えてしまうことを意味する。


    私たちが言語によって考え世界を理解しているという、このまったくあたりまえの日常的事態の中に、死者たちは沈黙しつつ臨在している

    非在の者たちのまなざしの中にみずからを置くという経験。芸術においては、死者たちは過ぎ去った存在ではなく、いまこのときの私たちの思考と活動の中に生きている

  • 面白いかも。vol.2もチェック。

  • ピーター・バラカンのインタビュー目当てに買って拾い読み。「3.11と音楽」という特集。何を聴こうか考える手間を省いて、ストレスを感じない音楽が聴けるという点でラジオは存在価値があるし、また選曲も重要だという話がちょっと目からウロコ

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著者プロフィール

さかもと・りゅういち:1952年東京生まれ。3歳からピアノを、10歳から作曲を学ぶ。東京藝術大学大学院修士課程修了。78年にソロ・アルバム『千のナイフ』でデビュー。同年、細野晴臣、髙橋幸宏とともにYMOを結成し、シンセサイザーを駆使したポップ・ミュージックの世界を切り開いた。83年の散開後は、ソロ・ミュージシャンとして最新オリジナル・アルバムの『async』(2017)まで無数の作品を発表。自ら出演した大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』(83)をはじめ、ベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』(87)、『シェルタリング・スカイ』(90)、イニャリトゥ監督の『レヴェナント』(2015)など30本以上を手掛けた映画音楽は、アカデミー賞を受賞するなど高く評価されている。地球の環境と反核・平和活動にも深くコミットし、「more trees」や「Stop Rokkasyo」「No Nukes」などのプロジェクトを立ち上げた。「東北ユースオーケストラ」など音楽を通じた東北地方太平洋沖地震被災者支援活動もおこなっている。2006年に「音楽の共有地」を目指す音楽レーベル「commmons」を設立、08年にスコラ・シリーズをスタートさせている。2014年7月、中咽頭癌の罹患を発表したが翌年に復帰。以後は精力的な活動を続けた。2021年1月に直腸癌の罹患を発表し闘病中。自伝『音楽は自由にする』(新潮社、2009)など著書も多い。

「2021年 『vol.18 ピアノへの旅(コモンズ: スコラ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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