午前零時の自動車評論5

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  • (株)文踊社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904076309

感想・レビュー・書評

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  • 著者あとがきにあるように、本巻は始めから終わりまでポルシェ911がずっと低音部を奏でている。

    RRレイアウトから来るリアヘビーと荷重依存性を克服したかに見えた991系911の陥穽の物語から始まり、911に直接触れていないチャプターにおいても、現代のテクノロジーで武装した自動車が陥る落とし穴のこと、ブランドとして価値観が定着したクルマが危機に陥ったときに、帰る場所があるメーカーとないメーカーの話、本来ブランドに触れることの出来なかったユーザーのためのモデルの役割、エンジンというコンポーネントひとつをとっても歴史の積み重ねに成り立っているという事実、と主旋律が次々と転調するものの、変わらない低音部。そして最後に再び911が主旋律を奏で、今後のポルシェは果たして帰るべき家に向かっているのか?と言う問いで終わっている。

    本巻は今年50周年を迎えた911に対する組曲のように思える。それがレクイエムになるのか、復活の英雄譚になるのかは911を送り出し続けたポルシェの50「執念」次第だ。

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著者プロフィール

1962年東京都台東区生まれ。生家は浅草で和菓子屋を営み、子供のころから職人の仕事を間近に見ながら育つ。早稲田大学第一文学部(美術史学)を卒業後、編集仕事を経て独立し、自動車評論家となる。抜きんでた機械設計の分析力を核に、理論派として鋭い設計評価を行うほか、試乗テスト時には、常にエアゲージや巻尺などをはじめとする7つ道具を持参する実証派でもある。クルマの運動性能とその構成要素に関する分析力では定評があり、自動車専門誌各誌に辛口の評論を展開している。また、内外問わずクルマに関する多数の書物を収集し、特にミドシップについては、長い年月をかけて過去に生産された全ての市販車や発表済みプロトタイプカーのデータを独自のフォーマットに落とし込み、比較分析するという地道な研究家の一面も持つ。近年ではグッドデザイン賞の選考委員を務めるなど、さらに活躍の幅を広げている。著書には『巨匠が愛したフェラーリ女優が恋したモーガン』(三栄書房刊)、『スーパーカー誕生』(弊社刊)、『午前零時の自動車評論』シリーズ(弊社刊)、『自動車小説』(弊社刊)、『自動車問答』(弊社刊)など。

「2017年 『午前零時の自動車評論13』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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