恋の心に黒い羽 (MARBLE COMICS)

  • ソフトライン 東京漫画社 (2008年1月17日発売)
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レビュー : 185
  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784904101056

感想・レビュー・書評

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  • いろんな意味で衝撃的な短編集。
    ヤマシタトコモさんの作品を読むと、人間って素敵な生き物なんだなって、どうしてか思ってしまう。どうしようもないキャラとかも多いのになんで。
    話のアプローチの仕方が斬新で、ふつうの設定が一味も二味も違って見えます。


    『ベイビー,ハートに釘』
     ヤマシタさんはホモの中に女性を当て馬のポジション以外で入れるのが上手い。
     高校生同士の不安定さの描写がとても好きです。震えるほど一途ってキモイ!という部分が“ホモっぽい”てレッテルになってるんじゃ…と薄っすら思いました。

    『イッツ マイ チョコレート!』
     リアリティ…。そんな近場にゲイとゲイがいるのか…?とも思うのに、このリアリティ。きっと話題が“家族”に引っかかってくるからでしょうか。
     なんとなく、長男受けって確かにこうなりそう。甘えたいと思っていてもその環境にいたら簡単に甘えることはできなさそう。実くんがかわいいです。優しくていいお兄ちゃん。
     でもこの話でどこが一番萌えた?って聞かれたら、真っ先に学くんと真ちゃんの喧嘩だと答えます。次男と三女かわいすぎる。そう言えばヤマシタさんって近親相姦て描かないですよね。

    『悪党の歯』
     とても好きな話です。BLという枠に入れるのが申し訳ない。
     これが一番リアリティを感じます。ヤクザというアウトローな設定が背景にありますが、実際男が男に好意を寄せて、その行きつく先ってこういうかたちが一番有り得そう。“同じように思ってあげられないから悲しい”って、男に好かれた側の誠実なこたえだろうな、と。想うことも想われることも人と生活するのはむつかしい。
     そんな真面目な感想とは別に、ヤマシタさんの描かれるおじさんと少女ってほんとに萌える。

    『恋の心に黒い羽』
     いろいろ突き抜けている。個人的にヤマシタトモコ作品としか言いようがないほどヤマシタトモコが炸裂してる感じの話でした。
     今死ねクサレチ○ポって伏字なしで1頁目に載せるヤマシタさんが好きです。才能って強烈ですね。
     しかし何だかんだ理解しようとする中頭はカッコイイのだと思います。相手がどう捉えるにしろ、知ろうとすることが無駄になったら、とても哀しい世界になりそうだから。

    『その火をこえてこい』
     かわいい話でした。和む。一番BLっぽい。文学的要素が入ってるのに内容は(鹿目のキャラゆえに)結構ファンキーな感じがしました。
     鹿目と六条のやりとりがかわいくて仕方がない。テンポいい会話の応酬好きです。ヤマシタさんにしてはわりとストレートな話。

    『FOOL 4 U』
     わたしの中でゲイっぽいってイメージまんまのキャラがゲイでゲイらしい悩みを抱えてる話。レイプか…そうか…。
     ヤマシタさんの描かれる受けって、見た目は厳つくても中身はかわいい人が多いなと思います。波古って綺麗好きで几帳面そう。

    『フォトジェニク』
     描き下ろし。おったっちんって(爆笑)
     ハイセンスなギャグと台詞チョイスに毎回驚かされます。アクロバティックなやおい。

  • 他の作品も好きだった。でもこれが一等好きだ。無性に好きだ。「ベイビー、ハートに釘」なんて、今読んでも泣ける。思うに、お姉さん視点だったのが小憎らしい演出だ。秀逸通り越して、本当小憎らしい。このモノローグの上手さ、人を好きになるだけだというのに、どうしてこんなに刺さる釘。心は痛いというだけなのに、お前が好きだと言うだけなのに。何万回のおはようとおやすみを繰り返し、そうしてせめて何万回のよいゆめをと願う姉の心。
    BLで女性の視点をこんなに上手く取り入れた作品を私は知らない。エロだけを求めるのではなく、エロティシズムをも求めるのならばこの作品をおいて他にはない。エロティシズムとは侵犯と禁止を指すと言ったのはバタイユだったか。相手の心を躰を侵してやりたくて犯したくて仕方なくて、それを禁じるのは止めるのは誰の心、躊躇うのは誰の指か。震える指、真直ぐ伸びた指、胸倉を掴んだ手を押さえる、指。――この人の描く指先はどうしてこんなに色を滲ませるのかな。あんまり色っぽくて、表情ある手とはこういうものかと思う。
    まぁ、結論としては――ロマンチックが止まらなくて、よかった……!

  • 最初の話の、お姉ちゃんと弟の関係が、なんだか素敵。
    片想いの相手の男の子も、思春期らしいというか、きっともう少し大人だったら、すんなりうまくいっていたのでは、と。

    大家族のお話が特に大好き。
    兄ちゃんファイト。

    最後のお話のおバカさんが愛らしくて素敵だ。

  • まず表紙が色っぽい~
    あと、「悪党の歯」のパピーの眼光とかまじ惚れそう。
    ヤマシタトモコさんの描くキャラはみんな色気があって素敵。
    物語も雰囲気も大好き。
    とにかく大好きなんだ。

  • これは…短編ばかりだけど全部いい!
    短編って、キャラや内容が魅力的でもっと読みたいという気持ちより、短いページ数にうまく収まり切れなくて読み手に物足りなさを残すものだ…と私は思ってた。

    でもヤマシタさんはウマい。
    短編がこんなに読後感良いなんて素晴らしい!
    あと書き下ろしで【こぼれネタ】的にチラ見せするのがスゴく満足度を上げる!!

    シリアス過ぎないお笑いが盛り込まれてる作風が大好きだ。
    久しぶりに、いま私がBLに求めているのは【笑い】だと思い出した(笑)

  • 表題作が好き。
    最初、「君に輪切りにされたい」のくだりを読んだ時に衝撃的でびっくりした。
    性癖=心に生えた黒い翼=純真さを隠す鎧 ていう比喩表現が面白いと思った。
    何回か読むと、深くてジワジワくる感じ。

    「イッツマイチョコレート!」「その火をこえてこい」も私的に好きだった。

  • 高校生えっろ^q^

    ヤマシタさんの漫画は、雰囲気とか言葉遊びを楽しむものだと思っている。あと関係性。
    BLでも長編かいて欲しかった。残念。

  • この方のお話を読む時はいつも気合いがいります。
    疲れた時に読むと大ダメージ。

    個人的オススメは「悪党の歯」。
    BLですが相手は出てきません。
    末期ガンの男の娘と、その男を30年好きな男のお話です。
    萌えという観点から見れば他のタイトルを選びますが、
    一番心をえぐられたのがこれだったので。

    ヤマシタさんの描く女の子が結構好きなんです。

  • 作者さんの「ホモどうこう以前に、男同士であることを気にしろホモ」というスタンスに惚れ込んでます。
    同性愛前提の漫画がほとんどの中で、斬新な視点で描かれてるので、もう最高。
    ホモがきもい、という世界が現実味があって中々良いです。
    収録の中では本のタイトルのものと、「イッツマイチョコレート!」が大好き

  • ヤマシタさんのコミックスはこれで2冊目なんですけど、この方の漫画は「萌える」という単語で片付けられない何かがあるような気がする。
    ゲイ・報われない恋・切ない・痛い がめちゃくちゃ詰まった1冊。
    正直読んだ後、やるせない微妙な気持ちに。
    でもなんとなしにどのお話も心に残ってしまう、この不思議な感じがヤマシタトモコワールドなのかなとも思います。

    表題作「恋の心に黒い羽」
    超絶ドMでゲイの二神が片思いしているのは彼の性癖を真っ向否定するドSの中頭。
    純粋に恋する気持ちと同時に芽生えるよごれた性欲「黒い羽」
    表現が秀逸。
    二神と中頭のかけあいがおもしろかった。

    他「その火をこえてこい」が好き。
    ドエロでぶっ飛んだ鹿目と生真面目な読書家の六条の話。
    作中にでてくる小説の内容が気になってつい手に取りそうです。

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著者プロフィール

東京都出身。5月9日生まれ。B型。
2005年アフタヌーン四季賞夏のコンテストにて、四季賞を受賞。
代表作に『BUTTER!!!』『サタニック・スイート』『運命の女の子』(講談社アフタヌーンKC)、
『Love, Hate, Love.』『HER』『ひばりの朝』(祥伝社)、
『裸で外には出られない』(集英社)、『MOSOME STING』『ドントクライ、ガール』(リブレ出版)など。

「2016年 『花井沢町公民館便り(3)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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