- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904209776
作品紹介・あらすじ
金融危機、日中関係、再分配、資本主義、死刑、中東情勢-。世界で起こるすべてを概念で把握し、問題を解決に導く「哲学力」を養う!気鋭の哲学者が20のテーマを20冊の名著で解読し、「哲学思考」を鍛える入門書。
感想・レビュー・書評
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非常にわかりやすい。
理想論に流されることなく、現実問題をどう解決するのか考えている所が良い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
哲学とは、概念的に考えること、というシンプルなテーゼ。
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様々な哲学の概念を使って現代を切る!みたいなわりと安直な本。いやぜんぜんつまらなくはないのだけど。「哲学をする」というコンセプトからは大分離れてしまってないか?
少し古い本なので「現代」が2010年前後なのは致命的。哲学の概念を使って現代を分析する著者の手腕は手堅く面白いので、是非最新の事情を分析してもらいたい。紙の本でやるのは不向きかもしれないのでメルマガとかがよいのだろうか。
戦争について言及された最終話だけは時代に左右されない普遍性のある内容で、目を開かされる。 -
ポピュラー哲学。哲学の話はほとんどなされないのだが、こういうのはこういうのでいいのだろうか?
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定期的にやってくる「哲学」ブーム。笑
フーコー、カントなどいわゆる古典的なものから、最近だとマイケル・サンデルとかでしょうか?何だか、哲学というと普通のことを小難しく書いて、これ本当に日本語かよ(ほとんどが翻訳ですが)と思うほどにいつも困惑して、挫折の繰り返し。
「哲学入門」ってうたっているものも何冊も読んでみましたが、結局いつもわかったようなわからないような感じで終わるのが定番でした。今回もさほど期待せずに手にしたこの本ですが、予想を覆す内容!
あとがきを読んだら(僕は本編を読み始める前に必ず「まえがき」と「あとがき」を先に読みます。そうするとざっくりと大筋を捉えることができるので読み進めやすくなります)「時事的な問題」を「哲学的な問題」として考えるというコンセプトがどんぴしゃ!
とっても抽象的な哲学という概念を、世の中で起きている事象と並べながら展開してあることでその概念がすんなりと頭の中に入ってくる仕組み。これなら哲学も少しは取っ付きやすいものとして受け入れることができそうですよ。 -
NHKのswitchインタビューで興味を持ったので、萱野先生の本読んでみました。哲学の入門書としてとても面白いですね。
哲学とは何か、哲学を通して(使って)現代社会の問題を捉えると何が見えてくるか、解説が大変分かりやすかったです。
ただ、哲学者の理論って、後からいろんな人が自分なりの解釈を伝えてくれているんだけど、それはその人なりでしかなくて、死んでしまった哲学者本人にしか本当のところは分からないんだよなといつも思います。今の世の中に偉大な哲学者として語り継がれている人たちが、生きているときにどんな人だったのか、何を考えていたのか、会って触れてみたいと心の底から思います。本のレビューじゃなくて自分の願望になっちゃいましたが。笑 -
全体的に話がわかりやすく、参照文献を読みたくなった。
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哲学的な方法、つまり概念で把握し、問題解決を目指すという方法を、現代の諸問題に適用してみせる本。
情緒、好悪に流されがちな、諸報道と一線を画した解説。 -
1項目について10ページ、全20項目というスリムな時事ネタ手引書でして、一般的に思える社会問題へのロジックも、概念を通して考えるならばそれも哲学、ということで、そういえばフーコーの難本を読んだ時もこれ哲学なんすか?となりました。彼のようなリベラルにも右派にもおもねらないスタイルは、ポピュリズムが先行するいまの論調とは対極にあり、だからこそネット有料配信番組なんかで喋らざるを得ないということなんでしょうが、掘り下げるような情報を提供してください、と大手メディアや政治世界に注文したいもんですね。
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国家やナショナリズムなど様々な事象を哲学で考える。哲学の可能性を突き詰めようとする著者の意気込みが伝わる。