村上春樹とイラストレーター -佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸-

  • ナナロク社
3.89
  • (12)
  • (23)
  • (18)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 272
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292662

作品紹介・あらすじ

村上文学を鮮やかに彩るイラストレーションが満載!

ちひろ美術館・東京(練馬区)で2016年8月7日まで開催された同名の展覧会をベースに、佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸が村上春樹と共作したさまざまな作品を、見ごたえたっぷりのカラーページで紹介します。

ちひろ美術館学芸員による解説とコラム、資料ページ(作品リスト、収録書籍一覧、「村上春樹とイラストレーター略年譜」)も充実!

ことばと絵の響きあいを楽しめる、ポケットサイズの愛らしい作品集です。

帯、大扉タイトル文字:和田誠
装丁:大島依提亜

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 村上春樹さんの文章と佐々木マキさん、大橋歩さん、和田誠さん、安西水丸さんの4人のイラストレーターの絵との素晴らしい仕事の相乗効果によって現れる素敵な世界。
    ページをめくる度にワクワクしてしまうのはもうある意味仕方ないですよね。
    コンパクトでしっかりした装幀は、ちひろ美術館で展覧会があった、その解説本なのかな。
    個人的には『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』や羊男など、佐々木マキさんのイラストが一番印象に残っています。
    豊富なイラストとそれに添えられた(またはその逆や同時に作られたもの)にそれぞれの解説、寄稿や対談、掲載された文、イラストの書籍一覧。
    安西水丸さんと和田誠さんの対談がまた、めちゃくちゃカッコイイ。
    安西水丸さんが描くはずだった「セロニアス・モンクのいた風景」のイラストを和田誠さんが引継いだそれには、モンクにハイライトを差し出す安西さんが描かれているのだけど、そのハイライトのパッケージデザインは和田誠さん、というなんとも痺れるエピソード。

    ちなみに、佐々木マキさんのこと、今の今まで女性だと思ってました…

  • 村上さんの装丁を手がけているイラストレーターさんの展覧会があったのかな?
    ちひろ美術館監修の展覧会図録のような一冊。

    文庫本みたいに小さいけどハードカバーで、なんだか特別感があります。

    「村上春樹を読む」的な解説本は読むのに抵抗があるのですが、これはそういうのとは別物です。

    それぞれのイラストレーターさんと村上さんとの親交とかが、読んでいてしあわせ。

    とくに水丸さんのくだりは、胸にくるものがあった…

    あと、あと、「渡辺昇」が水丸さんの本名だと知れて感動しました!!

    新作の装丁はどんなものかしら〜待ち遠しいです!

  • 村上春樹さんに関わるイラストレーターの来歴とインタビュー記事をまとめた本著。

    それぞれの作品がどのようなもので、どういった経緯で作られていくのか、読んでいて楽しかった。
    それこそ、ジャズのじゃれるようなセッションのようにお互い楽しみながら創作していったのだと感じた。
    また、1Q84の青豆の由来など作品に関わる話も知ることができて、良かった。

    監修ーちひろ美術館とあってか、可愛らしい装丁や手に収まるサイズ感が良かった。また、巻末にイラストレーターそれぞれの作品名~寸法まで細かく書かれている。

  • 企画展には行けず残念だったが、愛情あふれる編集でとてもいい本だと思いました。文庫というのが唯一残念な点。もっと大判でイラストを楽しみたかった。

  • コンパクトで贅沢な本。
    村上春樹歴代のおなじみイラストレーター達(佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸)のカラーイラストがふんだんに載っている。
    4人に共通しているのは、都会的でシンプルでどこか飄々としているところ。
    村上春樹の文体にも似ている。

  • 村上春樹作品の装画を手掛けてきたイラストレーターたちとその作品集。安西水丸さん、和田誠さんが鬼籍に入られ(この本出版時点では和田さんはご存命なのだけど)この二人とのコンビ(あるいはトリオ)は永久に見られないのだなと残念に思う。私個人の村上春樹との出会いは21歳の時の『風の歌を聴け』で、こちらの装画は私が幼少期に親しんでいた佐々木マキさんだった。(佐々木マキさんが男性だと知った幼少期の私の衝撃ったら!)それも惹かれる要素だったのかも、と思うと装丁の威力と言うのは計り知れない。

  • ただただ村上春樹全集欲しい。

  • この本に出合ったのは、実は、ソウルの教保文庫。光化門店ではなくて、ちょっと素敵なジャンル分けをしているお店でした。おそらく、日本の書店では出会うことがなかった本。地元の本屋は、新刊書籍と売れ筋本と雑誌だけだし、よく行く大型書店は、大きすぎて目が回るので、いつも、目的の棚へまっしぐら。何となく、面白そうな本はないかな、とふらふら回ることが出来る書店に行ってみたいです。

    さて、村上春樹作品を手に取ると、もれなく付いてくる素敵なイラスト。
    こんな素敵なイラスト、装丁を文章に添えてもらえるなんて、ものすごく羨ましい。
    こんな素敵な挿絵がついたら、平凡な文章だって100万倍は素敵に感じるに決まっているじゃないですか。いや、それは、違うのかな。村上春樹さんの文章が大好きな人たちだから、相乗効果で読者を楽しませてくれる作品になったのだろうな。

    人との出会いって偶然よりも必然なのかな、ということを感じずにはいられない、そんなエピソードの数々です。

    イラストを描いたときの技術的なことも含めた裏話も。

  • 水丸さんが亡くなってからもう4年にもなるということに驚いた。村上春樹も、インスピレーションを与え合う友達が減っていく中で、その作風が変わっていくのを止められないのじゃないか。

  •  菊池信義本に続いて、装丁もの関連ってことで。

     2016年8月に同タイトルで展覧会があったようだ(知らなかった)。村上春樹の著作を飾ったアーティストの佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸の作品をカラーで紹介した見応えある内容。

     図書館で借りたけど、買えば2000円近い値付けの品。版を小さく文庫サイズに抑えつつ、表紙は厚く豪華さを出しつつ、なんとか手を出せるところに抑えた感がある。本書の装幀も相当気を使っただろう。

     4人のアーティスト作品のなかで誰の作品が印象深いだろう。和田誠は村上作品を彩ったというより共作のイメージが強い。安西水丸は、イラスト然としたものから、ラフな落書っぽいものまで幅があるせいか、やや作風が定まらに気がする(自分の中で、だけど)。
     意外と、大橋歩の銅版画が印象に残っているな、というのが本書を読んでて思った。大橋歩の装幀だとはぜんぜん知らなかったにも拘わらず。

     安西水丸氏亡きあと、フジモトマサル氏がその任を担うのかと思っていたら、2015年に残念ながら還らぬ人に・・・。

     本書2016年上梓の際には、というか件の展示会ではフジモト作品まで含めようという話はなかったのかなあ。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×