村上春樹とイラストレーター -佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸-

制作 : ちひろ美術館 
  • ナナロク社
3.93
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本棚登録 : 188
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292662

感想・レビュー・書評

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  • 村上さんの装丁を手がけているイラストレーターさんの展覧会があったのかな?
    ちひろ美術館監修の展覧会図録のような一冊。

    文庫本みたいに小さいけどハードカバーで、なんだか特別感があります。

    「村上春樹を読む」的な解説本は読むのに抵抗があるのですが、これはそういうのとは別物です。

    それぞれのイラストレーターさんと村上さんとの親交とかが、読んでいてしあわせ。

    とくに水丸さんのくだりは、胸にくるものがあった…

    あと、あと、「渡辺昇」が水丸さんの本名だと知れて感動しました!!

    新作の装丁はどんなものかしら〜待ち遠しいです!

  • 村上春樹さんに関わるイラストレーターの来歴とインタビュー記事をまとめた本著。

    それぞれの作品がどのようなもので、どういった経緯で作られていくのか、読んでいて楽しかった。
    それこそ、ジャズのじゃれるようなセッションのようにお互い楽しみながら創作していったのだと感じた。
    また、1Q84の青豆の由来など作品に関わる話も知ることができて、良かった。

    監修ーちひろ美術館とあってか、可愛らしい装丁や手に収まるサイズ感が良かった。また、巻末にイラストレーターそれぞれの作品名~寸法まで細かく書かれている。

  • 企画展には行けず残念だったが、愛情あふれる編集でとてもいい本だと思いました。文庫というのが唯一残念な点。もっと大判でイラストを楽しみたかった。

  • コンパクトで贅沢な本。
    村上春樹歴代のおなじみイラストレーター達(佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸)のカラーイラストがふんだんに載っている。
    4人に共通しているのは、都会的でシンプルでどこか飄々としているところ。
    村上春樹の文体にも似ている。

  • 水丸さんが亡くなってからもう4年にもなるということに驚いた。村上春樹も、インスピレーションを与え合う友達が減っていく中で、その作風が変わっていくのを止められないのじゃないか。

  •  菊池信義本に続いて、装丁もの関連ってことで。

     2016年8月に同タイトルで展覧会があったようだ(知らなかった)。村上春樹の著作を飾ったアーティストの佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸の作品をカラーで紹介した見応えある内容。

     図書館で借りたけど、買えば2000円近い値付けの品。版を小さく文庫サイズに抑えつつ、表紙は厚く豪華さを出しつつ、なんとか手を出せるところに抑えた感がある。本書の装幀も相当気を使っただろう。

     4人のアーティスト作品のなかで誰の作品が印象深いだろう。和田誠は村上作品を彩ったというより共作のイメージが強い。安西水丸は、イラスト然としたものから、ラフな落書っぽいものまで幅があるせいか、やや作風が定まらに気がする(自分の中で、だけど)。
     意外と、大橋歩の銅版画が印象に残っているな、というのが本書を読んでて思った。大橋歩の装幀だとはぜんぜん知らなかったにも拘わらず。

     安西水丸氏亡きあと、フジモトマサル氏がその任を担うのかと思っていたら、2015年に残念ながら還らぬ人に・・・。

     本書2016年上梓の際には、というか件の展示会ではフジモト作品まで含めようという話はなかったのかなあ。

  •  東京のちひろ美術館で行われている(2016年5月25日~8月7日)「村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸」という企画展を記念して、出版された書籍。
     イラストがメインに掲載されているのだが、書籍の大きさが14.8cm×10.5cmと、小さめに作られているのが、少し残念だったりもする。
     イラストがメイン、とはいっても、読み応えのある文章も適度に掲載されており、各イラストレーターと村上春樹の繋がりを垣間見ることが出来る。
     故安西水丸を引き継いだ和田誠のセロニアス・モンクのイラストにはホロリとさせられる。
     ただのイラスト集にはなっていないので、各イラストレーターのファンの

  • 作家とイラストレーターの関係性が覗き見れておもしろかった。大橋歩さんの銅版画がすき。シンプルだけど大橋さんらしい変な味があって。この本読んだ後に村上作品を読むと、物語だけでなく、イラストや装丁も楽しめるようになるからいい。久々に村上作品読みたくなった。

  • 村上春樹との親交も含め、描かれたイラストの背景もわかる貴重な本。個人的には安西水丸のイラストがお気に入り。

  • 「村上春樹とイラストレーター」。2016年、ナナロク社。



    村上春樹さんの小説本の表紙や、エッセイ文章の挿絵などを手掛けたイラストレーターさんたち。
    佐々木マキさん。安西水丸さん。和田誠さん。大橋歩さん。
    この四人の、村上さんの文章や本のために手掛けた画、イラストを集めて、それに村上さんの文章の抜粋を編集。
    それに、「村上さんについて書かれた四人の文章」と、「四人のイラストレーターについて書かれた村上さんの文章」を添える。

    それに、恐らくこの本オリジナルの解説文のような文章。
    (これが、作者が明記されていません。ただこの本は「ちひろ美術館」が監修なので、その関係者なのか)

    ということで出来上がっている本です。文庫サイズのハードカバー、という一風変わったつくり。
    ただ、装丁、紙質、デザイン、どれも上等に作られていると思います。1944円。安くはないです。



    当然ながら、村上春樹さんの文章の愛好家でないと、恐らく手に取ることもないのでは。
    (あとは、四人のイラストレーターのファン、ということもありますが)

    上記したように、目新しい内容はほとんど無いのです。切り口だけの問題。

    だけど、僕はケッコウ楽しめてしまいました。
    まあ、村上春樹さんの文章のファンだからなんですが...。



    読み物としては、ジャズ喫茶経営者時代の村上春樹さんのおはなしとか。
    つまり、「村上春樹ビギンズ」とでも言うべきお話が、ファンとしては面白く読めてしまいました。

    そして、安西水丸さん、和田誠さんと、「青山あたり」のご近所であり、そのあたりの酒場なんかでたまに交流があった、というお話とか。
    (まあ、「なんだよ、文化人のセレブ的内輪グループの自慢かよ」とひがむこともできるんですが、そこはひとつ優しく味わいたいところですね)

    大橋さんと佐々木さんについては、正直あまり知らないのですが。
    安西さんも和田さんも(そして村上さんも)、なんとなくバブル景気=雑誌の最盛期の中で、ど真ん中ではなくても確実に景気の波に押し上げられてポジションを作った人たちなのかなあ、と思います。
    別段くさすつもりは一切ないんですが。
    そして何と言うか、経済復興と政治活動の季節を経た後で、「貧しさと政治」という大きな偏見のトンネルを抜けた後で。
    日本がどういう言葉で、どういう画で暮らしていくのか、という段階で殻を内外から突かれて出てきたような人たちだなあ、と思いました。

    そして、メインストリームではないと言いながら、いみじくも皆さんが「アメリカ」という文化や風習(過去のものも含めて)を引用するように自分のスタイルを作った。
    そういう意味では、小説と商業絵画における、日本なりのヌーヴェルバーグだったんではなかろうか、と思いました。

    村上さんと和田さんの、「ポートレート・イン・ジャズ」という本なんて、ジャズ好きにはもうタマラナイ好著だったなあ。

    初期三部作の佐々木マキさんの世界から、村上さんの作品自体がどんどん変容していったなあ。世界も変容したなあ。ソ連がまだあったんだなあ。

    なんてことを思いながら楽しく読みました。



    村上春樹さんの小説の、「アメリカ翻訳小説らしさ」というのはつとに有名ですね。
    何かの本で、村上さんが処女作を書いたときに、「まず英語で書いて、それを日本語に翻訳した」という逸話を読みました。
    それがどこまで本当なのかは別として、村上さんの文章と言うのは、微細なことの積み重ねですが、確実にそれまでの文章日本語を変革していると思います。
    (ただ、その後それがあまねく受け継がれているのかどうかは、ちょっと国文学の研究家に聞かないと判りませんが)

    変革したからスバラシイ、ということは全く無くて。
    おもしろい。そしてその面白さの多くの部分が目新しい語り口にある。
    そして、それが数字の事実として売れる。評判になる。
    ということが積み重なって初めて賞賛されるんだと思います。

    その「変革と面白さ」について、連想してしまったのが、二葉亭四迷さんの話。
    明治時代に言文一致の小説「浮雲」を上梓して、それが文章日本語の改革になったことが有名です。

    そして、明治の文章日本語の改革というのが、言文一致である以上はつまり、「江戸弁が母国語である小説家たち」が大いに有利であり、彼らが舵を取った訳です。
    二葉亭さんの師匠にあたる坪内逍遥さんは、哀しいかな江戸弁が母語では無かったので、それが出来なかった。
    ただ、坪内さんが二葉亭さんに「落語家の円朝がしゃべるように、ああいう江戸弁で書いてみなさい」とアドバイスしたそうです。
    そして、二葉亭さんは文語でしかありえなかった小説を、「落語のように」書こうとした。
    ただ、どうにも上手く行かず煩悶しました。そして、局面打開のために、まずロシア語で執筆したそうです。そしてそれを、日本語の話し言葉、江戸落語の語りのように「翻訳」した、とのこと。
    (二葉亭さんはロシア語の研究家でロシア語堪能だったとの由)

    だからなんなんだ、というのところまでは追及してませんが。



    さらにどうでもいいよしなしごと。そこはかとなく。

    村上春樹さんは、神戸のご出身だそうで。
    それぞれの文章を読んだことのある方には、「なんだそりゃ」と鼻で笑われそうですが、実は個人的に、村上春樹さん、司馬遼太郎さん、谷崎潤一郎さん、というライン(?)に、何かの相関性を感じているのです。
    またそれに、夏目漱石さんまで加えても良いのですが。(またそれに、三島由紀夫さんを加える仮説も面白いです)

    関西と関東、という命題で言うと、
    「関西人でありながら、文章上、感性としては、ほとんどそれを匂わせず、むしろエッセイなどでは関東人なのではと感じさせる村上さんと司馬さん」
    「関東人でありながら、文章題材、エッセイなどでも、関西を多く取り上げて、むしろ関西人なのではなと感じさせる谷崎さん」
    という比べ方っていうのも面白いなあ、と思っています。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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