日銀につぶされた日本経済

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  • ファーストプレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904336489

感想・レビュー・書評

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    日銀はいわゆる「量的金融緩和政策」を行ったが、この政策で目標としたのは貨幣供給量(マネーサプライ)ではなく、一定の日銀当座預金残高の維持であった。しかし、当座預金残高の維持だけでは市中に出回る貨幣供給量は増えない。(…)こういうときに貨幣供給量を増やすためには、銀行が国債不足に陥るほど大量に日銀が国債を買い取る必要がある。銀行が国債不足に陥れば、銀行は民間非銀行部門から国債を買って不足を補おうとする。これによって初めて、貨幣が民間の非銀行部門に供給されるのである。103
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    国債残高が増加すると、国債の需要に対して供給が過剰になり国債価格が下落、国債金利は上昇する可能性がある。変動相場制の下では金利の上昇は円高要因になる。円高は輸出を減らし輸入を増やすので、国内総生産物に対する需要を減少させる。この需要の減少は財政支出拡大政策の需要増大効果を相殺してしまうかもしれない(先のマンデル・フレミング効果である)。106
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    実は、ゼロ金利の下でも有効な金融政策は、いくらでもある(…)中央銀行の伝統的な買いオペの対象である短期国債の金利がゼロになっても、金利がゼロでない金融商品はたくさん存在するのだから、これらを使えば十分効果は出るというわけだ。満期が長めのコマーシャル・ペーパー(CP)、残存期間が一年超のさまざまな銘柄の国債や社債などである。日銀は、これらのゼロ金利ではなくリスクのある証券を買い取って、究極的な安全資産である日銀当座預金を銀行が満足するまで供給することができる。110
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    FRBのバーナンキ議長が採用している政策こそが、この中央銀行がゼロ金利でないさまざまな証券を購入するという非伝統的金融政策である。(…)中央銀行が短期国債を買って中央銀行当座預金を増やしただけでは、銀行は増えた当座預金を保有するだけで、新たに証券を購入したり貸し出しを増やしたりしないかもしれない。実際、日本の量的緩和期には、こうしたことが起こったのである。それに対して、FRBがいつでもCPを買ってくれることが約束されれば、銀行は信用知リスクがあっても、CPを買ってもよいと考えるようになるだろう。112
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    日本経済を停滞の深遠に陥れたデフレをもたらしたものこそ、八九年以降の日本銀行による過度に引締め気味の金融政策なのである。(…)今の日本の停滞を救う唯一の方策は、日銀法を改正して「インフレ目標政策」を導入させることである。(…)法改正に当たっては、日銀に「完全雇用の達成に努めること」という努力目標を課すということも検討すべきである。そういう意味では、米国のFRBが「雇用の確保」を義務付けられていることもよく理解できるのである。253
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