- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904340004
作品紹介・あらすじ
近親姦虐待を生き延びた女性作家のオートフィクション。
感想・レビュー・書評
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この人の書いた一連の作品を読んで、わたしの中である疑問が湧いていました。
もしかしたら、この人は自分の経験を作品に投影しているのではないだろうか?
ずばりと言ってしまえば、この人は子供の頃に肉親から性的虐待をうけてきたのではないだろうか?
この本で、疑問が氷解しました。
よく、精神科の治療で「過去の体験を語る」方法が見受けられますが、この本の出版が作者の治療手段の一部なのです。
親が子供にあたえる影響がどれだけのものかは、実例を何個か知っていたのでよくわかっているつもりでしたが、わたしの知っていることはほんの上っ面に過ぎないと思い知らされました。
虐待がどれだけ子供の精神をねじ曲げるか、この本には事細かに被害者側から書かれています。
この本を執筆するにあたり、作者はどんなにつらい思いをしたか。
想像するだけで涙が出てきてしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
筆者の過去が呵責なく自らの手で暴かれる。父親に愛撫され嫌悪感と同時に快感が起きる心身分離状態こそボディレンタルの背景にあることやフランス人との不倫が殺人事件ものの背景にあると分かる。筆者は鋭敏で知的過ぎて悲惨な家庭も記憶から消せぬままで実に残酷。
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著者の母親も同じような虐待などの被害経験者みたいだし、父方も「祖父と祖母はいとこ同士で、法律で禁じられている近親婚の範囲外ではあるが、やはり血が濃くて閉塞したような家族のもつれた関係」とか雰囲気が少し変な感じがする。
やっぱりこういうのって連鎖してたりするんじゃないかな…、とちょっと思った。
(私は専門家ではないし、著者のことも全然知らないから、「ちょっと思った」というだけだけど…。)
母親も父親もそういう配偶者を選びやすい傾向があった…、とか。
子どもを虐待して死なせてしまうニュース等を見ても、そういうリスクの高い二人がくっついて、さらに病的になりやすい、とかもあるんじゃないかな、とけっこう思う。 -
父からの性虐待
解説・斎藤学
佐藤亜有子の作品





