魔術士オーフェンはぐれ旅 約束の地で

著者 :
  • ティー・オーエンタテインメント
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904376706

作品紹介・あらすじ

「魔王」と呼ばれたオーフェンがキエサルヒマ大陸を追われ、「原大陸」へと上陸を果たしてから20年。開拓団は様々な困難を乗り越えつつも発展を続け、ついには大陸同士の国交も結ばれるようになった。「原大陸」で魔術学校の校長に就任したオーフェンは、キエサルヒマへの帰還を果たす。そこで再会したのはかつての同窓たる仲間たちと、彼らの息子であるマヨール・マクレディだった。オーフェンは「牙の塔」での講演で若き魔術士たちを挑発し、「原大陸」へと誘う。3年後、マヨールは妹であるベイジット・パッキンガムとともに「原大陸」に渡る。そこはマヨールにとってすべてが刺激的な場所だった。「神人種族」による干渉、世界と人との危ういバランス、新しき技「魔王術」。そして、3人の「魔王の娘」…。二つの世代は交錯し、新たな物語が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 世代が切り替わったから、ある意味ここからが本当のはじまり。そして、その間をすっ飛ばして何が起こったかを描いているので、ある意味混乱するのだが、これはこれでありだという感じ。どうせ続きは深くなるのだろうし。

  • あれから20年ほどが経ち、オーフェンもすっかり壮年に。
    新大陸(キエサルヒマ大陸の外。現住人は原大陸と呼ぶ)にて魔術学校を開き、校長を務める。イラストを見ると筋骨隆々、きりっとした風采でどこかチャイルドマン先生を思わせる雰囲気。
    そしてクリーオウと結婚したらしい。結婚!したかあ…あのふたりが。
    娘が3人いて、彼女たちも物語の要。

    20年も経つと昔の出来事に対する誤解が色々あるようで、今までシリーズを読んできた人は「ちがうちがう、本当はこうなんだよ!」と歯がゆい気持ちにさせられる。
    オーフェンの罪状が上乗せされてる感もすごいし。オーフェン、キエサルヒマの内紛扇動の罪も被ってるみたいだがあれって均衡崩したきっかけは彼が作ってるけど、その機を狙って自治拡大に動いたのはそれぞれの組織だろうになー。
    キエサルヒマにいないし故郷捨てた人だし魔王だしで、汚れを全部押し付けられる便利な存在ってことか。
    同様に彼が苦労して工面した原大陸への船は貴族連盟・魔術士同盟の助力があったと改変されてるそうだし。
    おいしいとこ取り。大人ってきたねーよ!

    あとは前巻の出港時の、レティシャがクリーオウに託した「殴っといて」。
    あれがものすごい大げさなことになってて笑った。
    チャイルドマンの名前が風化してるのも意外とショックだったなー。時の流れってやつかあ。

    主役となるのはレティシャとフォルテの息子、マヨール。
    妹のベイジット、塔教師のプルートーと共に「魔王」オーフェンの学校を訪れる。
    挿絵のエッジ、マヨールの顔がそれぞれオーフェン、ティッシの子だなーと実感できて面白かった。

    スウェーデンボリーの話は核心だけどややこしやーだね。哲学本読んでるような気分になるよ。
    とりあえず肉体から解き放って精神体になる → 精神から解き放って神になる、という行為をかつて成功させた存在らしい。んでミズガルズソルムル全要素の始祖(アイルマンカー)だと言ってる。ミズガルズソルムルはこの世界を取り囲んでる大蛇で、その中の全要素の始祖と解釈するなら、まさしく創造神そのもの?

    だけど肉体をもってしまったので(神人)、矛盾した自己存在に悩まされているようだ。
    神へ復帰したい。だが、生き続けたい。
    オーフェンが「死ね」と毒づいたのに対し「それがわたしの望みだよ」とかなんとか返してたし、死ぬことが神への復帰につながるのかなー。でも死ぬことはできないらしい。
    巨人種が云々、魔王術とかは、おいおい理解してけばいい感じだろうか。

    そして満を持してマジク登場。
    うわー、だらしない部屋の師匠ってマジクだったか…。
    はぐれ旅の時はがさつなオーフェン、クリーオウを咎める立ち位置だったので、意外だな。
    そしてちょっとスレているね。あの爽やかな少年が。そうか…。
    戦術騎士団のトップだそうだが、給与は見合ってないっぽい。私は応援してるぞ、マジクくん。

    今回あとがきが時系列の確認になっていて、それもすごく面白かった。

    http://haiiro-canvas.blogspot.jp/2013/03/blog-post_20.html

  • というわけでボックスは買ってたけど新シリーズを読むにあたって買いなおしちゃえーと買ったその2.
    ティッシとフォルテの子供たちがオーフェンに会いに行く話。
    マヨールは外見ティッシでも役割はフォルテみたいな。なんだかんだ年下のコの面倒をみることになってそうな。
    オーフェン・・・ちゃんとお父さんしてるなーとか思ってしまう。欲を言えばもっとクリーオウにもしゃべって欲しかったかも?
    あとは魔王の娘とその師匠の話。
    完全昼行燈に思われてて不憫だマジク…と以前読んだときは思ったけども、まぁそういう人がいるのはいいことかもと思いなおしたり。「あーあ顔」に笑った。

  • 面白いけれども、悩ましいのは、無理やり同窓会に参加させられている感じだからだろうか。オーフェンを筆頭とした慣れ親しんだキャラの20年間を全てすっ飛ばして、今を見させられていることで、どうしてもギャップが生じる。これから少しずつ、そのズレを埋めていくことが出来るのだろうか。問題なのは、新シリーズは決して一過性の同窓会的な雰囲気を楽しむだけではなく、新しい物語を紡ごうとしていることである。ただ懐かしめば良いというわけではない。その点では主人公がマヨールという新キャラであるのは読者としても非常に助かる。

  • 長らく読んでなかったので細かい設定を忘れてしまっていてとっつきにくかったのですが、魔術学園攻防についていたドラマCDのおかげで読み終えることができました。
    新シリーズの主人公はマヨールなんでしょうがやはりオーフェンが出てくると(思い入れもあるので)とても面白い。
    やっぱりオーフェンは格好良いなと思う。
    マジクも昼行灯キャラになってしまったのかと思いきや…よい短篇でした。

  • 《魔王》オーフェンが開拓団とともにキエサルヒマ大陸から旅立ち、《原大陸》へと上陸してから20年。開拓は進み、オーフェンは《原大陸》初の魔術学校の校長に就任した。マヨール・マクレディ、ベイジット・バッキンンガムの兄妹は、プルートー教師を伴い、《原大陸》の魔術学校へと見学に赴くことになり……。

    ベイジットの浅はかさに苛々する小説はこちらです。お兄ちゃんお疲れ様です。
    オーフェンの目つきが年を経たことによってなんとなく柔らかくなった気がする。そしてクリーオウは老けた。クリーオウが家庭を切り盛りしてる姿が新鮮でもっとお話しして欲しかったな。
    マヨールたちも娘ちゃんたちも先が楽しみで。世代交代の魅力ですね!

    校長の下を固める魔術戦士ふたり、素敵だ。浪漫だ。

  • キエサルヒマの終端をはぐれ旅完結編とするとこっちは新シリーズ第一作目?

    キエサルヒマの終端から時代は飛んで20年後のかつて新大陸とよばれていたキエサルヒマ島の外の世界のお話。
    オーフェンが40歳で校長してたりキースはいつのまにか退場していたりで色々びっくりでしたが、新主人公の名前のマヨールに一番びっくりしたw

    キエサルヒマと実質オーフェンが最権力者である原(新)大陸の拮抗、
    原大陸内での反魔術士のカーロッタ派と魔術戦士のつばぜり合い、
    ヴァンパイア化した人間の対処など
    いまだオーフェンを悩ます多くの問題とマヨールと妹のベイジットの衝突等
    これから何が起きるのか不安になりつつ相変わらず呪文かっこいいなあとか、魔王の三娘のキャラの濃さに笑ったり忙しい巻でした

  • 設定を忘れて…

  • 懐かしいというのもあり、それでいて知らなくてもまあ読めるかな、という話。
    時代が次世代にいってるせいだろうけど。

    正直、前シリーズのおわりのほうはほとんど読み飛ばしていて記憶に残っていないので、年食った主人公の周囲の評価がいまいちわからんのだがな。

    何が敵で何が味方か、ラノベにあるまじき錯綜をしてくれるのでモヤモヤ感が強いのだが、前からこんなんだったけか。
    だから曇り空なイメージしかのこってないのかも。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。1991年『ひとつ火の粉の雪の中』でファンタジア長編小説大賞準入選を受賞し、作家デビュー。「魔術士オーフェン」シリーズが累計1000万部を超える大ヒットとなり、ライトノベル作家として活躍を続ける。一方、一般文芸、アニメノベライズ、PCゲームの脚本などにも活動の場を広げている。その他の著書に『機械の仮病』『虐殺機イクシアント』「巡ル結魂者」シリーズなどがある。

「2017年 『攻殻機動隊小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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