- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904515020
感想・レビュー・書評
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重度の自閉症である著者が、奇声をあげたりいきなり走り出したりしてしまう衝動をぼくは理解できないが、ぼくがそういうことをしないでじっとしていられる理由を、同じように著者は理解できないのだろう。たぶん、それは言葉にできるようなものではないのだ。不思議な気もするけれど、考えてみればたとえば、ぼくが赤だと思っている色が、ほかの人にどのように見えているのかを知ることも同じようにできない。「これは赤だ」「赤だね」と合意はできても、赤が他の人に「本当は」どのように見えているのかを知ることはできないのだ。
同じように、著者が夕焼けや、木々の緑や、カレンダーや、トンボに見ているものが、ぼくには見えないのかもしれない。ぼくはそれが知りたいと思う。どっちが正しい、どっちが優れている、のではない。ただ不思議なのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『自閉症の僕が跳び跳ねる理由』を読んで衝撃を受けたと同時にとても感動したので2冊目にこちらを読了。
東田直樹氏の、自閉症のことをもっと知ってほしいという強い思いが伝わってきた。
p83「普通の人への憧れと、僕は僕なのにという思いの間で、気持ちはいつも揺れ動いています。」
p105「答えられなくても、尋ねてくれたらいいのに、と思います。」
当人にしか発することができない気持ちを知ることができて学びが沢山あった。 -
まだ読んでいる途中なのに、星5個付けてしまった。
私が勝手に持っていた認識とは180度違う、新し
い世界だった。衝撃だった。
今まで知らなかった風景を見せてくれてありがとう。 -
2013.10.20〜10.28
自閉症の人自身が、自閉症の自分をわかって書いた本。子どもが読んでもよいかも。どんな気持ちでいるのか。よくわかって。隣の家のみーくんも、こんな気持ちだったのかな。 -
●「精いっぱいやって生き抜く」(108-9頁)という言葉が印象的でした。
●「普通」って何だろうと改めて考えさせらました。
宮本亜門氏との対談から読み、文章を介さない東田さんの表現がどのような様子が少し想像できた気がします。
連載物であったため、一つ一つの文章が見開きに収まり、集中力が続きにくい私も最後まで読みきることができました。
私も東田さんのように生き抜きたいと感じました。ただ生きるのではなく、生き抜く、どうしようも変えようのない自分を受け止めて、自分を愛してくれる人、そして、自分の愛する人のために精いっぱいやりたい。 -
自閉症の僕が飛び跳ねる理由2の内容と重なる部分はありました。
印象にのこっているのは
・記憶で時系列を作ることが難しいということ。
・視覚よりも音、体で感じることの方が強いこと。
(自閉症のみなさんが全て当てはまるわけではないけど)
・人の視線や、気持ちを感じ取れること。
言葉の表現がユーモアで、イメージしやすいです。 -
自閉症の中では豊かな感情が育まれてると思った。
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短編のエッセイ。生きにくさを抱えながらも、生きている強さや頑張りを綴っている。
自閉症だから… とは受け取らずに、素直に文章のそのままを受けとめたい。