協働するナラティヴ──グーリシャンとアンダーソンによる論文「言語システムとしてのヒューマンシステム」

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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904536568

作品紹介・あらすじ

ナラティヴ・セラピーの始まりは,この論文からだった!

1988年,世界の心理療法業界をリードする雑誌「ファミリー・プロセス」誌に1つの論文が掲載された。
「言語システムとしてのヒューマンシステム──臨床理論発展に向けてのいくつかの理念」。
著者は,ハーレーン・アンダーソンと,天才的臨床家ハロルド・グーリシャン。無知の姿勢,ナラティヴ,コラボレイティヴ……新しいアイデアに溢れたこの論文は,現在の心理療法に絶大なる影響を与えることになる。
この論文の全訳と,共同研究者であったアンダーソンと野村とのやりとりを踏まえ,1冊の本も残さなかったグーリシャンの,アイデアの核心を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 1988年にでたナラティヴ・アプローチの最初の論文「言語システムとしてのヒューマンシステム」に訳者のイントロやアンダーソンとのQ&Aなどを加えたもの。

    家族セラピーのシステム論的な本質論から、言語論・ナラティブ論・社会構成論への転向宣言みたいな本。

    この転向は、理論的にでてきたというより、システム的なアプローチの実践を通じてでてきた限界を超えるために生まれたんだな〜。システムアプローチの限界がわかっていない自分にとっては、ナラティヴセラピーはどっちかというと理論的な興味から始まっているところがあるのだが、こういう背景があったのだな〜。

    システムアプローチの限界がわかっていない私にとっては、社会構成主義といっても、まだまだ左脳的な理論の世界であって、わたしの人やシステムの見方は、まだまだ本質主義なんだなと思った。

    「今、ここ」のまったなしの「社会構成主義」ですね〜。

    伝説的なセラピストだが、単著のないグーリシャンがどんな人だったかが、伝わってくる。

    ここから、コラボレーティブ・アプローチはもちろん、リフレクション・チーム、そしてオープン・ダイアログも生まれ出てきたんだな〜。

    ここに書いてあるセラピストの姿勢は、いわゆるセラピーだけでなく、コーチングやファシリテーションでも重要なことだと思う。

    人や組織に関わる仕事をしている人には、必読の本だな〜。

    読んでよかった。

  • こんどこの野村直樹先生のセミナーを受けに行くことにして申し込みをしたら、事前にこのテキストを読み込んで下さいとのメールを先生の研究室から頂いた。何にしろベイトソン直系のアカデミシャンに接する機会をもてるのはワクワクである。
    現代思想のアンチ形而上学、アンチ主体性理論の流れにあって、社会構成主義はそのラディカルな一翼を、会話/言語システムを標榜したナラティヴとして心理臨床の世界に持っている。これは哲学的にも実践的にも興味津々のアプローチで、一読、自分の志向にぴったりで恐ろしいほどだ。なのでセミナーには保守的な慎重さを持って出かけなければと自戒しているところ。

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著者プロフィール

1942年生まれ。ヒューストン・ガルヴェストン・インスティテュートおよびタオス・インスティテュートを共同設立。ポストモダン・ファミリーセラピーにおけるコラボレイティヴ・アプローチで現在国際的にも活躍。

主な著書
Conversation, Language and Possibilities. New York: Basic Books 1997(野村直樹ほか訳『会話・言語・そして可能性』金剛出版,2001)
Collaborative Therapy: Relationships and conversations that make a difference. New York: Routledge: 2007(編)

「2013年 『協働するナラティヴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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