消されたマンガ

  • 鉄人社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904676806

作品紹介・あらすじ

いわくつきの封印作品60本超収録。

感想・レビュー・書評

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  • みなさん マンガお好きですか?
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    【消されたマンガ】
    消えた、ではなく、消された。
    つまり、作者の意志とは無関係に、何らかの外的要因によって、市場から抹殺されてしまった作品のことを指す。
    ─本文p2
    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    戦前から現代まで、時代によって問題視された作品 約60作品の「消された」箇所と理由がまとめられた一冊。

    ・日米開戦で、軍部の干渉で打切られた『のらくろ』
    ・ロボトミー手術を誤解して描いた手術シーンが問題となった『ブラック・ジャック』
    ・あまりにサイケすぎる夢の話(これ本当に意味わからんかった笑)が単行本に収録されなかった『ちびまる子ちゃん』
    ・作者二人のイジメられた体験談が描かれた 作品の番外編的な回が単行本未収録となった『魔太郎がくる!!』
    ・原発ネタの超ブラック作品で今まで一度も単行本化されていない『ラジヲマン』
    ・地下鉄サリン事件を偶然予言した『MMR』
    ・H描写で有害図書指定された『いけない!ルナ先生』
    ・全ページから盗用が発覚した(?!笑)『メガバカ』



    人権、宗教、著作権、トレースなど理由は様々。特に「エロ グロ ナンセンス」は線引きも難しそうだし その時代もあるのかも。

    なんと『有害』コミックの第一号作家は手塚治虫先生だそう!キスシーンや、女スパイがストッキングを脱ぐシーンが「エロ漫画」としてPTA幹部から激しい抗議をされたとか…。 現代のTLコミックなんて「どこがティーンズのラブやねん!」ってほど過激なシーン満載でも普通に売られてるのに笑

    夢中で読んでた『キャンディ♥キャンディ』が、マンガ家と原作者の間でドロドロ泥沼な著作権争いがあった とか

    『8マン』の作者が愛人暴行、銃刀法違反で捕まった(数年後にアニメ主題歌担当歌手が愛人を殺害して捕まってる!( °Д° )みんな愛人いすぎ)とか

    色々面白い。

    最後に私が一番笑った「消されたマンガ」理由を。
    それは国民的アニメでも有名な『サザエさん』!

    ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    サザエさん一家が乗っていた船が沈没し近くの島に漂流。そこで原住民族に捕まってしまう。彼らは人喰い人種で(え?笑)あわや食べられてしまうというところだったが、サザエさんが機転を利かせて助かる。

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

    ツッコみたい所は多々あるけど
    サザエ!いったいどんな機転を利かせた?!笑
    知りたいーーー(੭) ›ω‹ )੭)))笑

    • ultraman719さん
      話を面白くする為に、殺気立つって書きましたけど(^◇^;)、別にネイティブとか気にせず、マイペースで良いと思いますよ。
      通じたら良いんです!
      話を面白くする為に、殺気立つって書きましたけど(^◇^;)、別にネイティブとか気にせず、マイペースで良いと思いますよ。
      通じたら良いんです!
      2024/03/03
    • ゆーき本さん
      ultramanさん しんさん
      おはよーございまっすᐕ)ノ

      私のコメント欄でご挨拶
      ( ᐕ)人( ᐙ ) ステキ♡♡
      皆さんの架け橋...
      ultramanさん しんさん
      おはよーございまっすᐕ)ノ

      私のコメント欄でご挨拶
      ( ᐕ)人( ᐙ ) ステキ♡♡
      皆さんの架け橋になりたい(だれ?笑)

      私の関西弁は 茨城訛りのイントネーションで脳内再生してください笑
      2024/03/03
    • ultraman719さん
      ゆーきさん

      おはようございます〜!
      色んなとこでの出会いは楽しいですね。
      架け橋担当お願いします〜w

      脳内再生しときます。
      ゆーきさん

      おはようございます〜!
      色んなとこでの出会いは楽しいですね。
      架け橋担当お願いします〜w

      脳内再生しときます。
      2024/03/03
  •  諸団体からの抗議や版元の自主規制、裁判沙汰など、さまざまな事情によってマンガ史から抹殺された作品群を、1作品につき2~4ページ程度の解説で紹介していく本。1940年代から現在までの約60作品が取り上げられている。

     類書として『封印作品の謎』(安藤健二)というシリーズがあるが、あちらはマンガにかぎらず、テレビ番組や映画など広い分野の作品を取り上げていた。マンガだけに絞り、しかも戦前から現在までの作品を網羅的に扱った本は、ありそうでなかったのだ。

     著者の1人・赤田祐一は筋金入りのマンガ好きとして知られ、編集者として大泉実成の『消えたマンガ家』シリーズを生んでいる。消えたマンガ家の次は消されたマンガ、というわけだ。

     なにしろマンガ史から抹殺された作品ばかりだから、多くの作品が単行本未収録、もしくは絶版。作品に接するためには元の掲載誌や貴重な原本を探し出さねばならない。その作業だけでも相当な労力であったろう。
     「抹殺」に至る経緯についてもよく調べてあって、マンガ史の一側面を知るための資料として価値が高い。

     タイトル自体がほとんど知られていない作品も多い一方、『ゴルゴ13』『ちびまる子ちゃん』『ブラック・ジャック』などの有名作品の「消された回」についても取り上げている。
     『サザエさん』にすら、差別用語を堂々と用いて単行本未収録となっている回がある、という話など、時代の変遷を実感させて興味深い。

     ただ、本として面白いかというと、それほどでもない。
     マンガ史から「消された」理由は、差別表現・猥褻表現・残酷描写・盗用などが問題となったことだが、その舞台裏を知ったところで、さして驚きや発見があるわけではないからだ。「ま、これじゃあ問題になるのも無理ないわな」で終わってしまうケースが多いのだ。

  • 表紙の印象から受ける、悪趣味、露悪的な内容かと思いきや、何故そのエピソードが問題となったのか等の背景にも切り込みながら、様々な表現規制に対するサンプル集のような興味深い内容にもなっています。
    最後に、表現規制の年表も、取り上げられたエピソード以外のものも俯瞰的に眺めることのできるよう良い効果になっていると思います。

    表現規制問題に対する、格好の入門書かと。

  • 巻末のインタビューがおもしろかった。
    かっこいいスキヤキ、というマンガは知らなかったが、そう言えばウルトラマンのパロディ、その時期あたりから目にするようになった。
    ガロって原稿料を出してなかったんだ…
    そんな二人に百万以上を要求してきた円谷プロ。
    著作権って難しい。

  • いろいろな事情で世に流通することのなくなってしまった
    マンガ作品やエピソードにまつわる話を集めた本。
    注目度が高く影響力の強さを感じられているものは、
    往々にして問題視の対象になりやすいのだなぁと思います。

    「マンガの神様」と言われる手塚治虫さんの作品にも
    そういった「描写」に冠する騒動が多いのはちょっと意外です。
    プラスマイナス問わず豊かな感受性で、
    長い期間・幅広いジャンルにわたり
    大量の作品を世に出してきた手塚さんだからこそ、
    人や世とぶつかることもまた多かったんだろうなぁと感じます。

    どんなことやどんな思惑が、
    どのように作用してこんな事態が生まれるのか。
    それもまた単純なものではないことを感じさせてくれます。

  • ふむ

  • <b>年代別にまとめられており読み進めやすい構成だが</b>

    規制の理由・背景は、実に様々である。
    それを「マンガ」とひとくくりにして、「支配者階級の腐敗」と被害者視点の青臭い総括で終えるのはどうかと疑問も感じる。
    まず、要因ごとに対策の議論が必要であろう。
    製作サイド(作者、編集)へはビジネスとしての基本的なコンプライアンスの徹底を、規制サイド(警察、圧力団体)には、統一感のあるガイドラインを求めたい。
    だが、特に後者は、時代ととも価値観が変化していくことが常であり、この本書から学習できることでもある。


    参考 規制のパターン分類
    (1)マンガ製作側の比較的単純な不法行為
    「著作権法違反(写真、トレース)」「個人情報侵害(肖像権、写真)」

    (2)人権問題
    「各種差別問題」(病気なども含む)
    (制作側の事実誤認から一概に規制に当らないのではというものまで幅がある)

    (3)著しく道義的に反する描写、いわゆるタブーに当るもの
    「カニバリズム」「皇室テーマ」など
    作品における描写の位置づけで、規制の趣きが大きく異なる。

    (4)わいせつ問題
    おおよそ十年ごとに、大きな当局の規制への姿勢が見て取れる。
    業界への揺さぶりであるかのようだ。
    「蜜室」は出版社、作者がさほど大手でなく、描写も当時の同業他社と大差がない内容で知られている。
    たまたま目を付けらた不運さでスケープゴートにされてしまうという、空恐ろしさがある。
    2010年代の「非実存青少年」、直近の「消しの増強」などの動きが最新トレンドだがどうなることやら。

  • 色々な理由によって発禁をくらった漫画を紹介した本。
    こういう表現規制がテーマの本は見つけたらつい読んでしまいます。
    エログロ、パクリ、差別や宗教問題…色々な理由の中で、キャンディキャンディの内輪揉め問題が一番悲しい気がした。

  • 構図としてはいつの時代も同じ。
    ただ、昔の人のほうが冒険している感はある。

  • マンガ表現も自由ばかりではない
    規制対象として政治的 なもの 性風俗に関するものがある
    最近は自主規制としてやめてしまうものがあるようだ
    マンガ文化の成長期にマスコミ世論の風当たりが強かったことによる
    インターネットの普及により裏に流通しているものもあるとおもわれる

    自主規制ってなに?
    店名を一文字変える
    ネットサイトの固有名詞はダメ
    写真人物に目ベタ線
    飲食店では酒のラベルを後ろ向き

  • つまらない理由で読めなくなったマンガが多すぎる。何を恐れているのか?

  • 代紋TAKE2はリアルタイムで読んでいて、露骨に消去されていたから驚いたものだ。
    表現の自由は難しい。

  • へえ、と思うことが多かったがまあ別に大層にまとめる程のことでもないよなとも思う。こういう記録も30年後には貴重になるのかな?

  • きわどい題材にもかかわらず、煽情的なところが微塵もない。淡々と事実を書き並べていくスタイルは、人によっては突っ込み不足と感じられるのだろうが、そういった要求はあまたある類書で充足可能だ。このニュートラルな筆致と、戦後すぐから現在に至る広い時代を(しかも深く。著者は相当に調べている)網羅しているところが、本書ならではの特徴であり特長なのだと思う。
    「発禁とは何ぞや」とか「言論の自由ガー!」とかいった「お堅い」語りがなく、題材も古典的なサベツだのジンケンだのの絡みにとどまらず、トレパク疑惑等の「やわらか」なものまで含んでいる。それこそが本書のアイデンティティであり、先例がいくらでもあるこのジャンルで、本書が新しく書かれた意義であるだろう。

    2014/5/28読了

  • マンガに日本の社会が透けてみえるところが良い。

  • いろんな漫画にいろんな事情があったんだなあ・・・と流し読み。ジョージ秋山がロックすぎますね。

  • 「消され方」にもいろいろあって、誤った知識で書かれたもの、他者の権利を盗んでしまったもの、そしてご親切なお方が問題だ、と声をあげているもの。それと、あえていえば、消されるだろうな、って覚悟して描いたもの。これらが複合的にからまって「消される」のかな。
    印象的だったのは、「コトが起きると知ったかぶりで騒ぎ出す進歩的文化人」のために、当事者がピエロになって猥褻裁判なんかやる必要はない。急に表現の自由の神輿を担ぐ奴なんか質が悪い、って。やあ、みんな耳が痛いよね。
    一つ一つはなるほどねえ、ですが、全体として何か貫くものが弱い感じ。マンガを消したのは何か、ではなく、消されたマンガ、だから、それでいいのかしら。後半のインタビューは生々しくてよい。
    それにしても、ジョジョのコーラン問題にもスポットをあててもらいたかったなあ。

  •  何をもってして消されていったのかよくわからない時代もあったんだな。すべてがすべて今現代で発行可能だとも思えないが表現の限度というのが時代を超えてそう変わっていなそうなのも感じた。

     のらくろも消されたマンガの一つだったのを初めて知った。

     巻末の当事者の対談で自分の立場をよくわかっていないような発言をしている人がいるのに疑問。製作者の気持ちもわかるがもう少し他社の目で見ることも必要なのではないだろうか。それで読者は自然とついてくると思うのに。

  • 【借りた】どの時代にもメンドクサイ人や集団っているね。エロいか、差別だから、不快だから、だから売るな、って発想がわからん。不快なら2度と見なきゃいいだけじゃないの?

  • 1940~現在まで、その時代時代の社会的背景による理由から、世の中から
    消されたマンガを集めて考察した一冊。

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著者プロフィール

赤田 祐一(アカタ ユウイチ):編集者・執筆業。古い印刷物、音楽、映像、エコロジーなどを、カウンターカルチャー的、ソーシャルデザイン的な視点から眺めかえしている。『Spectator』(エディトリアル・アパートメント)に「証言構成『COM』の時代」を連載中。著書に『証言構成「ポパイ」の時代』(太田出版)、『消されたマンガ』(ばるぼらとの共著/鉄人社)がある。

「2014年 『20世紀エディトリアル・オデッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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