- Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904702000
作品紹介・あらすじ
山口晃のエッセー漫画。さりげない日常性の中に愛と美のよりしろを探る。
『UP』に好評連載中の「すゞしろ日記」50回分と、雑誌や展覧会カタログに載せたエッセー漫画10本と「元祖すゞしろ日記」他の「すゞしろ日記」6本も併せて収載。カラー40ページ。
若冲の生涯を双六仕立てに描いた「斗米庵双六」も収録。
ちょっとした付録あり。
感想・レビュー・書評
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気にはなっていたが未読だった山口晃の「ヱセイマンガ」、おもしろかったー! 例によってすんごく細かいので(特に最初のほうはルーペがいる)、目にはキビシイけど。
サイバラが「できるかな」で乱入したボロアパートは仕事場だったんだね、奥さんもいるんだ、などと、いろいろ発見しつつ、ウダウダと描かれた天才の日々の様子を楽しむ。なんとなく漱石を思わせる自画像がとっても味わい深い。画集なんかで絵だけ見てると、いったいどんな人がこういうモノを描くのかと思ってしまうが、ここではとても親しみやすい感じだ。あの超絶技巧を繰り出す手で、奥さんの「パンチー」を干したりするんだあ。むーん。
こういうゆるーいものが描けるのも、本業の絵が圧倒的だからだろう。その放つオーラが一層魅力的に思える一冊。あー、またまた「大画面作品集」が欲しくなった。(ちょっと高い。でも画集にしては安い。懐には十分イタい) -
山口晃さんの絵が大好き。絵に加えて、書き文字が好きだな。こんな字を書けるようになりたい
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テレビなどで見る山口晃さんとはまた違う家庭人・山口晃を垣間見ることができて楽しい。
エッセイ漫画?、というか…
29話の「せんたくもの」は笑える!
奥さんとのやり取りはほほえましく、楽しい。 -
新聞小説「親鸞」の挿絵で知った山口 晃。
なにか読んでみたいとランダムに選んだのがこの本。 すずしろ=大根
いろんな形で発表された「すゞしろ日記」が一冊にまとめられています。
ゆっくり読めば面白いのだろうけど、ごちゃごちゃしていて、とても読む気ななれなかった。
月刊誌などに連載されるくらいの分量が、ちょうどいいのでは!
2013/07/02 予約 7/23 借りて読み始め、途中で終わる。
内容と著者は
内容 :
描き下ろし解説を付した「元祖すゞしろ日記」をはじめ、各バージョンの「すゞしろ日記」が大集合。
白州探訪乃記、私的ラジオ生活など、カラー作品も多数収録。
カヴァーそでに切り取って使える、駒とサイコロ付き。
著者 :
1969年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。
画家。公共広告機構マナー広告「江戸しぐさ」、新聞小説「親鸞」の挿絵など、幅広い制作活動を展開。 -
冊子自体は大判なのだが,絵がいかんせん小さい
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この人の、平安絵巻の構図で現代を描く、精緻で圧倒的な技量には度肝を抜かれた。
そんな画家のゆるゆるつれづれ日記。昔ファミ通で連載されていた桜玉吉の『しあわせのかたち』を彷彿とさせる。病院の待合室などにぜひ置いて欲しい。小さなコマにぎゅうぎゅう詰めのエッセイ時々虚構、1ページで完結するから本に入り込む時間がなくても手軽に開ける。そしてこのユーモア、じわじわとくる。
下書きなしの勢いと、やっちまったところを隠さない潔さ(ちょっとは隠せよと突っ込みたくなる親しみやすさ)がまたいい。マスオさんと源頼朝像はもうちょっとどうにかならなかったのか。
細君との掛け合いもいい。山口画伯が「身投げしたくなる」洗濯物の回は必見。 -
ただただ面白いの一言に尽きる。何度も繰り返して読んでしまう。
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現代美術家の著者が、最初は美術展用に描いた「妄想日記」から、東京大学出版会が発行している冊子に毎月連載した気の抜けた同名の日記漫画を収録した一冊だ。
内容は本当にないんだけどなんか笑える。連載時にも人気だったらしい「カミさん」のキャラがまたおかしくて、芸術とかアートとか肩肘張る必要はまったくなく楽しめる一冊だ。 -
藤森照信氏との共著「日本建築集中講義」を読み、フォローしている方の「すずしろ日記」のレビューを拝見した。梅田の地下街で壱、弐と発見し、まとめ買い。
23コマ漫画風。走り書きのような描線がなかなか良い。奥さんの描き方がゾンザイで、あまりに配慮がなくて、これじゃあ嫌がられるのは無理ないなあと思う。伴侶といえど女性なんだからさ。
でも、漫画コラムのオチはだいたい奥さんがつけている。いい奥さんだよね。羨ましいぐらい。ニヤニヤ笑いながらパラパラと読んだ。
しかし、この下膨れオヤジと山口氏は全然似てないんだ。それをついつい思い返すんだな。 -
UP版すゞしろ日記(第1回~第50回)収録。元祖すゞしろ日記(描き下ろし解説付)をはじめ、各バージョン―美術手帖版・プリンツ21版・OH!ヤマザキ版・さて、大山崎版―のすゞしろ日記が大集合。白州探訪乃記、アトリエ探訪/仕事場リアル探訪、私的ラジオ生活、大相撲観戦乃記、藝術カフェー乃圖、モーニング二十五周年表紙原画など、カラー作品も多数おさめる。
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すっごく細かい絵と手書き文字がびっしり詰まったエッセイ。
ゆる~い感じの絵も上手くて、じっくり時間をかけて読んだ。
むははな奥さんとダラダラした山口さんが
とにかくカワイイ。 -
山口晃つながりで「日本建築集中講義」と併せて2009年に刊行された旧刊本を購入したもの。山口晃が本職の日本画ではなく、ヘタウマ(表現が古い?)な漫画とエッセイで画家の日常生活を描いたもの。版型はA4ではあるが漫画の吹き出しに細かい字でびっしりと書いてあるので、老眼が進む身にはちょっとばかり読むのが辛いのが難点。
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かなり長時間楽しませてもらいました。最高! 上手いなあ。
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うまい人は脱力絵もしっかりしてる。
さらさらっと下絵なしでもぎっちり描き込まれているので
読む私に目力が要求される。
奥様と犬のポチが好き。 -
年末から、本屋にあった山口晃の『ヘンな日本美術史』が気になっていた。そのまえに、京都の山口晃展を見てきたせいもある。買おうかな~ぴらっ、どうしようかな~ちらっ、と本屋で何度かさわりつつ、結局、図書館に入ってるのをみつけて予約待ち。
蔵書検索で「山口晃」と引いて出てきた本を、なんかどっかで見たような…と思いつつ予約して、カウンターで受け取ると、やはりどこかで見覚えがある。これって、ウチにあったんちゃうかと思いながら、帰ってきて本棚を探ると、やはりあった。『さて、大山崎』。これも、大山崎の山荘美術館へ見にいったのだった。
同じ本2冊をぱらぱらとめくり、「すゞしろ日記」の大山崎版(OH!ヤマザキ版)が収録されてるのをみて、たしか「すゞしろ日記」が本になってたよなーと、図書館でそっちを借りてきたのが『すゞしろ日記』。
「すゞしろ日記」の始まりは、展覧会用に制作した「国内篇」「洋行篇」だといい、その始まりを巻頭において、あとは主に「UP」という東京大学出版会のPR誌に載ったやつである。タイトルは、「大根と云う野暮ったい響きを、すゞしろと美しげに言いかえる様に、味気ない日常を賑やかしく妄想するわびしさを題に託したのだ…面白き事も無き世を面白く的な事をすゞしろの題に託している」(p.3)という。
「UP」は、私も大学にいた頃にはけっこう読んでいたが、小さい字ばっかりだった。いつのまにかこんな手描き漫画が載るようになっているのか(といっても、「UP」はA5判のはずで、そのサイズでこの漫画はよほど字が小さい)。
「UP」連載は2005年からで、2009年までの50回分と、その他のいろいろが収録されている。この人のちまちまとした手描きの字を読んでいると、あーこの人も京都の「大絵巻展」へ行ったのか~と思ったり(私も会期の初日と後期にもう一度行った)、金沢でなにやらうまそげなものを食っているのを読むと、どこやろか?と思ったり(石川のSさんは知っているだろうかと思ったり)。
この人の名前をおぼえたのは、東京の上野でみた「アートで候。会田誠 山口晃展」だったなーと思い出す。
「面白き事も無き世を面白く的な」漫画ではあるが、ときどき「え、これで原稿料もらえるんか!」と思わなくもなし。山口晃、同い年か…。
(2/3了)
*「UP」目次を確認したところ、「すゞしろ日記」の連載は続いており、おそらく100回いくんちゃうかと思う。 -
ちょっと字が小さくて見づらいところがあるので★4ですが、本当なら★5をあげたいくらいのおもしろさ。この「すずしろ日記」の漫画が彼の作品の中でもっとも最高傑作なのでは?と思ってしまうほど。このユニークさが作品の方にもっと出ればいいのだろうけど・・・。←まさかのダメ出し
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毎日、するめを味わうように、
にじにじと読んでは、一人大ウケしてます。
お言葉、コマ割、描き方、流れ、すべてが面白い。
そして、これだけのことを書くのに
一発勝負描きができるというのも
山口さんが圧倒的な作品群を生み出してこられた、
真の画力あってのことだな〜としみじみ思います。
(パッと見には
そうじゃないように見えるかもしれないけど
同業の私にはよくわかります)
また「表出」は、ときに「表現」を超えるなあ
と…。人はこういった、日常の些末なことが
小さなおかしみ、楽しみ方と共に描かれたものが
すごく好きなのです。
「サザエさんうちあけ話」と同じくらい、
大好きな本。
これからもにじにじと味わい続けさせていただきます。 -
なんか、惹かれる。