- Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904716069
感想・レビュー・書評
-
アイヌは人間という意味。カムイは自然の全てという意味。自然とともに生きた人々の昔話。生命のつながり。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイヌの昔話。シマフクロウの神様と悪さをするシャチの若者にドキドキしながら読んだ。
ぼくは、お父さんやお母さんにやめろと止められても悪さを止めない、シャチの若者どもだと思う。でも、シマフクロウの神様のバチが当たらないように、がんばる。
絵は、すごく迫力がある。特に印象に残っているのは、シマフクロウがシャチを攻撃したときの風の絵。木が吹き飛んでいる。ことばは、不思議な感じ。「トロリンポー」ってくり返し聞いていると、子守歌みたい。(小6) -
神ってそういうものじゃないと信じたい
-
シマフクロウの神が海辺へ行くと、シャチの群れが泳いでくる。敬意を表さないどころか悪口を言って嘲る若いシャチに、シマフクロウは腹を立て……。
ユーカラを元にした絵本。
図書館本。
シマフクロウの神の話だが、一番知られていそうな「銀のしずく 降る降るまわりに」ではない。結構怖い話。
絵はすごく良いのだが、話の行く末がうわぁ……。子供に聞かせていいのか、これ。
別の本で同じような話を読んだことがあるが、そちらはシャチではなく鮭か何かだった気が。物語の出典が無いのがちょっと残念。
生き物や自然の表現もすごいが、この絵本では雲の表し方がすごいと思う。版画のガチッとした線なのに、風の流れで形を変えて行くのを感じる……。 -
深い深い山おくでくらすシマフクロウの神は、つばさを広げて海へおりてきた。海ではシャチの一族が泳いでいた。トロリンポー、トロリンポー。
(『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部 より) -
藤村 久和 (著), 手島 圭三郎 (イラスト)
-
厚生省児童福祉文化奨励賞
中央児童福祉審議会児童文化財
全国学校図書館協議会選定図書
日本こどもの本研究会選定図書
アイヌに伝わる物語の一つで、神の鳥シマフクロウの絶対的な存在感と力が描かれています。
自然や生き物を敬うアイヌの人々にとってはシマフクロウも神という存在。
版画絵でシマフクロウの凄みと躍動感を強く感じます。
それにしても、神様、そんなに怒る?と思ってしまう荒々しい展開。神様をバカにしたらとんでもない目に遭うんですね。
子どもにとっては見た目が渋く、手に取らなそうなので読み聞かせで見せました。
結びの言葉なんでしょうけど、最後に唐突に現れる謎の言葉、タネパクノに大爆笑でした(笑)
-
「トロリンポー、トロリンポー、
わしは、シマフクロウの神で、ふかいふかい山おくでくらしておった。
わしのつとめは、村人が、やすらかに、ねむれるように、
トロリンポー、トロリンポー、
村村をみまわることじゃった。
トロリンポー、トロリンポー、」
ある日、シマフクロウの神が浜へとおりると、シャチの一族が現れた。
シャチのとうもくはシマフクロウの神に礼儀を示したが、若者のシャチたちは
年長者の言うことを聞かず、シマフクロウの神を侮辱し、尾びれで波をたたいて音を立て、大きくはねたので、シマフクロウの神はずぶぬれになってしまった。
しだいに怒りを抑えきれなくなったシマフクロウの神が、思わず翼を開いて羽ばたくと…。
とにかく絵が格好いい。最初から最後まで素敵だし、シャチの動きやシマフクロウの神が怒るシーンなど、躍動感に溢れている。絵割も左から右へと流れるように読めるようになっていると思うし、絵本とはかくあるべき、という感じがする。(専門的な意見ではありません。ただの印象。)読み聞かせに使ってみたいなぁ。
内容は、アイヌの昔話?創作?アイヌの昔話を元にした創作でしょうか?
さすがに自然のものを神として敬っていたアイヌの物語であるゆえに、いわゆる日本昔話とは少し違った様相を呈しています。主人公が神だからでしょうか、美しく強く厳しい印象を受けます。手島圭三郎さんの絵とも相俟って、重厚なイメージを象っています。
いわゆる面白いお話、ではないので、受け取る方にも感受性が要りそうな気がするけれど、話の内容としては、結構単純なのかな。調子に乗っていたシャチの若者が痛い目にあって、一族郎党心を入れ替えました、というものなので、そんなに難しくはないのかな?これを小2の教科書に入れる光村さん結構いかついとおもったのだけれど…。子供たちの反応が気になります。 -
面白かった。