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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904816073

作品紹介・あらすじ

冬に読んだ本。冬になると思い出す本。まるで冬のような本。「冬」と「1冊の本」をめぐる、新しいエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 冬が嫌いだ。
    より正確に言うと、冬に春や夏や秋と同じように生活することが我慢ならない。
    冬眠させてほしい。
    寝たい時に寝て、好きな本を読みふけり、よく晴れた風のない日にだけふらりと散歩をする‥なんて生活が出来るならきっと冬が1番好きになると思う。
    春から秋まで頑張って働くから12月から3月まで休みをくれる仕事がないものだろうか…。

    「冬の本」という言葉から思いつくのは、そんな私に「冬にはこんな魅力があったのか」と教えてくれた本だ。
    その本を読んでしばらくは冬の寒さに対しても好意的になれる(気がする)。
    私が冬を好きになるためには、「冬の本」ともっとたくさん出会うか、長年の夢を叶えて長い冬休みを手に入れるしかない。

    『冬の本』はまさに私にとっての「冬の本」の1冊になった。
    ページをめくる度に今まで知らなかった冬の姿が見えてくる。
    だんだん冬の寒さと静けさがたまらなく愛おしいもののように思えてきて、すべすべした表紙を理由もなくなでてしまう。
    この冬はこの本を読んで乗り切ろう。
    そしてこの本をガイドとして、新しい「冬の本」を次の冬のために探しておこう。

    でもまずは、他の誰よりも共感した山崎ナオコーラさんの本を探しに本屋さんに行こう。
    寒さに負けずに。

    • takanatsuさん
      「憧れの床暖房ではありません。」
      そうでしたか。変なことを聞いてしまい申し訳ありません…。
      加湿は大切ですね!
      「冬はいまいちペース下がって...
      「憧れの床暖房ではありません。」
      そうでしたか。変なことを聞いてしまい申し訳ありません…。
      加湿は大切ですね!
      「冬はいまいちペース下がっている気がする?」
      体を横にすると眠ってしまいますよね(私だけかな?)。
      そして眠らないようにうつ伏せになると疲れてしまってやっぱり長く読んでいられません。
      1日も早く花鳥風月さんが快適に本が読めるくらい暖かくなることを願っています(自分のためでもありますが…)。
      2013/01/08
    • MOTOさん
      こんにちわ。

      私は雪の多い地方に住んでいるので、
      (冬が嫌い)というよりは、恐ろしいです。
      憂鬱です、苦手です…(ヒロシ風に。^^;)

      ...
      こんにちわ。

      私は雪の多い地方に住んでいるので、
      (冬が嫌い)というよりは、恐ろしいです。
      憂鬱です、苦手です…(ヒロシ風に。^^;)

      でも、冬の良さを見つけた人の話ならたくさん聞きたいです。
      冬を敬遠し続けている私にはわかりませんが、その良さを知ったら、少しは歩み寄れるかもしれないですしね。^^;
      アンソロジーなら、冬の長所がたくさん聞けそうで興味深いです♪
      2013/01/11
    • takanatsuさん
      MOTOさん、こんにちは。
      「(冬が嫌い)というよりは、恐ろしいです。」
      恐ろしい…のですね。
      私の体験する冬は、MOTOさんの体験す...
      MOTOさん、こんにちは。
      「(冬が嫌い)というよりは、恐ろしいです。」
      恐ろしい…のですね。
      私の体験する冬は、MOTOさんの体験する冬とは全く違うものなのですね。
      甘ったれていました…。
      「アンソロジーなら、冬の長所がたくさん聞けそうで興味深いです♪ 」
      「冬の本」がテーマのエッセイ集(84人参加)です。
      冬から連想する本についてなんですが、何の本を選ぶかとその本を選んだ理由(思い出)が、冬についての思いを語ることにもなっています。
      MOTOさんの冬への恐怖心が和らぎますように・・
      2013/01/11
  • いい人、の噂話はたいして盛り上がらないが
    やな人、の噂話はめっちゃ盛り上がる。

    同じく(違うか?)

    素敵な季節についての会話など長くは持たないが、
    冬は違う。

    とにかく
    冬には言いたい事が山ほどある。

    目次を見ると
    大勢の方が集っているようだ。(84人!)

    ドキドキと目で追って行くと
    大好きな方のお名前もチラホラ。

    わっ♪
    冬よ!
    ありがとうっ!!!

    冷たく暗い季節だけど、
    ひたすら我慢な日々だけど、
    「だから冬はねぇ」
    「だけど冬はねぇ」

    どのお話にもうんうん、と、共感しつつ、
    大好きな人が語る順番を待つ楽しみとか。

    • takanatsuさん
      MOTOさん、こんにちは。
      「冬には言いたい事が山ほどある。」
      のところで、その通り!と嬉しくなってしまいました。
      確かに冬嫌いな友人...
      MOTOさん、こんにちは。
      「冬には言いたい事が山ほどある。」
      のところで、その通り!と嬉しくなってしまいました。
      確かに冬嫌いな友人と冬の何がいけないか(笑)を話していると妙に盛り上がります。
      (私も冬嫌いなもので…)
      なるほど、そういうことだったんですね。
      春になったらなったで今度は花粉が…とか、夏になったらなったで熱中症がとか、節電がとか、いろいろあるんですけどね。

      冬の間は早く春にならないかなって思うのに、春になって夏になると冬もそんなに悪くなかったような気がする時ってないですか?
      私はあって、そしてまた冬になるとこんなに寒かったっけ?と驚くということをもう何年も続けています(笑)
      この本を読むとますます冬もそんなに悪くない気がするんですよね…(←懲りない)
      2014/04/09
    • MOTOさん
      kwosaさんへ

      こんにちわ。
      コメントありがとうございます♪
      冬、という暖かい(?)炎を囲んで、
      本好きが集まってる様な♪
      ...
      kwosaさんへ

      こんにちわ。
      コメントありがとうございます♪
      冬、という暖かい(?)炎を囲んで、
      本好きが集まってる様な♪
      しかも、
      みな好きな本を一冊ずつ持参して、って感じがもう~たまらなかったです♪

      全く知らない人でも、
      (私もその本、読んだ事あるし、そうそう!
      そんな風に思いました!)
      なんて話しがあうと、後ろの著者紹介へと戻って(なるほど、こんな方なんだ♪)なんて
      知人が増える(?)お楽しみもありましたね。
      保存食のように…
      には、笑わせて頂きましたが、大いに共感です!
      あの心地よく手に馴染む感じはまるで、
      宝物みたいで素敵でしたね!(^^♪
      2014/04/10
    • MOTOさん
      takanatsuさんへ

      こんにちわ。
      コメントありがとうございます♪

      あっ♪
      わかります、わかります!その感じ!

      前...
      takanatsuさんへ

      こんにちわ。
      コメントありがとうございます♪

      あっ♪
      わかります、わかります!その感じ!

      前にも書いたかも知れませんが、
      私の住んでる街は、豪雪といえば…
      まず、ここ。と、誰でも容易く思い浮かぶほどの土地に住んでいるので、
      冬は嫌いです。
      (と、いうか豪雪が嫌?)
      でも、季節って必ず巡るもんですし、
      最後の冬将軍が去り、雪融けの音がぽたぽた屋根から滴り落ちる音を聞きながら、
      春の陽だまりのなかで、うとうとしてる時なんか最高に幸せっ♪
      良く、冬を耐え切ったなぁ~
      なんてしみじみ春が来た喜びに浸る事ができます。

      四季が無く、雪も降らない地域に住む人は
      春が巡ってくる事にこんな喜びを感じられないんじゃないのかなぁ?
      なんて思うと、冬はあったほうが断然いいです!
      四季バンザイ♪ですよね~~

      2014/04/10
  • 今日から「衣更え」ですが、そんなことばも季節に合わなくなってきた「異常気象」の夏がこれから始まると思います。そんな時に「冬の本」を読みました。

    ページを開くと、見開き2Pの中に一遍づつ、作家から編集者、歌手、科学者、あらゆる人たちが「冬」と「本」、2つがそこにあるということを唯一のルールとして自由に書かれたエッセイ集です。

    ある人は、冬の陽射しの朝食のあとの午前、夫婦で小説を読んだり新聞を読んだりしている、ということを綴っているエッセイ。昔の恋愛遍歴を思い出しているが、最後の恋人がやがて目の前の老眼鏡をかけた彼女に向かうという短編のような一遍を書く。(「本を閉じると」上原隆)

    作家・門田光代は小学生の時に宮沢賢治が好きで、なぜか彼の描く「光景」は冬のようだったという。もちろん「風の又三郎」には夏の水遊びがあるし、「どんぐりと山猫」は秋、「土神と狐」は夏のはじめ。それでも、というのだ。なんとなくわかった。私が花巻を旅したのが冬だったからかもしれない。

    写真家の鈴木理策は、中谷宇吉郎「雪」を持って来た。和歌山県新宮に生まれた鈴木は、雪は馴染みのない遠い存在だったという。だからこそ、中谷の「情熱」に魅かれた、という。今「雪」を読んでいる途中なので、とてもよくわかる。写真家鈴木の写しているという、誰の足跡もない早朝の山奥の雪景色を見てみたいという気もするが、文章の中で想像する方がいいのだろう。

    倉敷の古本屋「蟲文庫」の店主、田中美穂さんのチョイスはなかなかだった。彼女の古本屋顛末記を読んだ直後なので、その気持ちに共感した。店開店一年後の冬の日、初めて万引きにやられた時に、自分を慰めて思い出したのが魯迅の「孔乙己」の一節「竊書(せっしょ)は盗みとは申せん…竊書はな…読書人の常じゃ。盗みと申せるか」だという。転売目的の万引きも増えている中、そんな悠長なことも言えなくなっているそうですが。

    詩人の文月悠光さんは歌集を紹介した。その代表作。
    「シチュー鍋に背中を向けた瞬間に白い巻き毛の天使がこぼれる」
    30歳で急逝したというその歌集を読んでみたいと思ったが、県立図書館には置いてなかった。
    「歌集 シチュー鍋の天使」北川草子著沖積舎(2001)

    天野祐吉さんが谷内六郎さんの遺した一冊の闘病絵日記に惚れ込んで、自ら立ち上げた出版社で限定復刻版を作ったらしい。それも図書館でリクエストしたが、どうやらむつかしそうだ。なにしろ、1000冊も刷ってはないのだ。わざわざ他の図書館から借り受けて、読むのも気が引ける。その間に万が一疵がついたら大変なことになる。この文章を書いて直ぐに天野祐吉さんも亡くなっている。
    「楽書 病院日記」谷内六郎著 天野祐吉作業室(2011)

    この本の巻末には、登場した84人の簡単なプロフィールと紹介した本の紹介が載っている。「古本屋なら入手可能」とか書いていて、わりと親切。私が欲しいと思った本のほとんどは入手困難だった。冬の本だからだろうか。思ったよりも、楽しく明るい本をあえてチョイスする人はほとんどいなかった。私が興味を持つ本はなかったり、既に読んでいたりだったが、拘りのある人は多くて楽しかった。初夏に向かう今だから、こういう本もいい。今年の冬に「夏の本」は出ないかな。でたならば、小さな出版社のこういう企画が成功したということを示していて、少し楽しくなるのだけど。
    2015年6月1日読了

  • いやあ、これは良かった。「『冬』と『本』、2つがそこにあることを唯一のルールとして」見開き二ページほどの短い文章を、84人もの方が書いている。作家はもちろんだが、イラストレーターや書店員、登山家、古書店主、お笑い芸人(これはもちろん又吉さん)と様々な方が、自由にそれぞれの「冬の本」について語っていて、どれもこれも(本当にどれもみんな)しみじみと味わい深かった。

    つくづく、本ってやっぱり冬のものだなあと思う。そりゃあ年中読んではいるし、「緑蔭の読書」というのも捨てがたいが、一人で一冊の世界に没入するときの背景には、キリッと冷えた空気がつきづきしい。現実的には、暖かい部屋のこたつに入っていて、外は木枯らし(もしくはぼたん雪)というのが望ましいけれど。

    冬の記憶と分かちがたく結びついた本、冬の情景が心に残る本、まるで冬のような本…、それぞれの「冬の本」を読んでいると、ああ、自分にもそういう本があるなあと思い出す。読み返したくなったり、これは是非読んでみたいと思った本がいくつもあった。読書ガイドとしてもとてもいい。編集部による「はじめに」があたたかい。

  • 文筆家、画家、音楽家など様々なジャンルの84人が書いた「冬」と「本」にまつわるエッセイ集。

    ハードカバーだけれど手のひらほどのコンパクトサイズ。
    すべすべした表紙に和田誠のやさしいイラストの装丁。
    まず、カタチからして良い。

    見開き2ページが一人の担当で構成されていて、本の紹介というよりも、その人の冬の思い出が書かれている。加えて、著者名の「あいうえお」順なのがなんだか小学校の文集のような懐かしい感じがする。

    本の企画から発売までには大変な苦労があるのだろう。
    「はじめに」を読むとこの本がいかに編集部の方々の思いのこもっった本か、そして、とっておきの1冊になったのだろうなぁということが伝わってくる。
    実際、編集部のねらいどうりの本ができたのではないかしら。

    冬の本だけれど、暖かな気持ちになる本だ。
    一気に読むというよりは、冬の日に気の向いたところからパラパラ読みたい。

    図書館スタッフ(学園前):ノビコ

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/763990

  • 寒い冬が終わったので、ようやく読んだ。
    冬は嫌いだ。寒くて何もしたくなくなるから。
    でも、冬の本ってなんでこんなにも魅力的なんだ。読みたくなるじゃないか…
    そうか、こんなに魅力的なら冬も悪くないかもしれないな。
    でも、やっぱり寒いのは苦手だ。
    じゃぁ、夏は好きなのか、と聞かれたら、やっぱり嫌いと答える。
    だって暑くて何もしたくなくなるんだもん。

  • 豪華執筆陣に惹かれて手に取った1冊です。

    「冬」と「本」がそこにあること、それが本書のルール。
    84名の執筆者たちは、作家や書店員、編集者にミュージシャンなど、さまざまです。
    見開き2ページの短い文章ですが、それぞれの「冬の本」について綴られており、ページをめくるごとに味わいが変わるようなおもしろさがありました。

    巻末には執筆者紹介と、各々が取り上げた本の書誌、現在の流通状況まで添えられているので、興味を持った本を探すのには便利です。

    気になった本をメモメモ…

    『グーテンベルクの銀河系~活字人間の形成』 マーシャル・マクルーハン/著
    『星界の報告 他1篇』 ガリレオ・ガリレイ/著
    『されどわれらが日々―』 柴田翔/著
    『歌集 シチュー鍋の天使』 北川草子/著
    『崖の館』 佐々木丸美/著

  • 倉敷にある轟文庫で見つけ手に取りました。店主も寄稿されてるんですね。

    この本の『はじめに』が好きです。
    小さな本、小さいけれどたくさんの人が書いている本、たくさんの人が大切な1冊について書いた本を出したいね、と話が盛り上がり出来たこの冬の本、素敵です。
    知らない作家さんだらけでした。作家という枠だけでなく書店員とか古本屋の人とかいろんなジャンルの人が、これまたわたしのまったく知らない冬の本にまつわることを短く書いているのです。一人につき二頁。なので引き込まれることはなかったけれど、
    山崎ナオコーラさんのトーベヤンソンのムーミン谷の冬について書いてるのはじわじわきた。たしかにヘムレンさんはうざくて、でもじきにそのうざさも好きになれるのだ、わかるわかる。
    このわかるわかるがあまりなかく、光るものもないため面白くはなかったのですが、編集部の『はじめに』がよかったので満足です。

  • ただ単に本の紹介するのではなく、本が好きな人が冬の本にまつわるエピソードを語るといった感じの文章が多くて素敵だなあと思った。
    毎冬、一冊読む本を直感で開いたページから決めたりしてみると楽しそう。

  • 編集代表は、古本関係のライターさん
    手作りのようなテイストの本です
    エライ先生に依頼した原稿じゃなくて知人友人が集まって作ったような

    有名どころの作家さんもミュージシャンも実はさりげなく寄稿
    表紙は和田誠さん(^^)
    見開きで終わるエッセイは気負いなく読めていい感じ

    自分の分かる本や作家さんのところは思いを共有できる感じで楽しく読めます
    バムケロやローラとかね
    ムーミン谷の冬も読んでみようかな

    もうちょっと早い季節に読めばよかったかな
    この辺りはもう春の気配

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著者プロフィール

天野祐吉(あまの・ゆうきち)
コラムニスト。1933年東京生まれ。1979年に「広告批評」を創刊。2009年同誌終刊後、「天野祐吉作業室」を設立。主な著書に『広告論講義』(岩波書店)、『広告五千年史』(新潮選書)、共著に『広告も変わったねぇ。』(インプレスジャパン)、『可士和式』(天野祐吉作業室)など。

「2012年 『クリエイターズ・トーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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