- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904816189
作品紹介・あらすじ
日々の暮らし。父との死別。流産。ふたたびの妊娠。さまざまな出来事をとおして、浮かび上がってくる、あたらしい結婚の形。変化していく、作家のこころ。毎日、少しずつ読みたくなる、結婚エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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良かったです、期待以上に。
新聞連載ということもあってかぴたっと字数制限に収まっている(だろう)文章が好ましい。
短い文章の中の彼女の想いがきちんと入っていて、かつ起承転結もあり飽きない。
芥川賞候補になった作家に失礼とは思うが、巧いなと思った。ちょっと優等生じみているところはあるけれども。
ブクログのレビューは賛否両論分かれている。
嫌な人はとことん嫌なようで。
私は好きだ、このエッセイ集。
テーマが夫というのもなんだか潔いし、タイトルを裏切らない可愛らしさ。
実に正直に生真面目にナオコーラさんが書いているので一緒になってイラっとしたり、全然可愛くないじゃないか!などと憤慨しながら読んだ。
でも全体的にはなんとも言えない幸福感に包まれている感覚。
ナオコーラさんのような人、いるいる。
おとなしくて人前では意見を言わないんだけれど、実はうちに秘めた想いを抱いてる人。
外見とは裏腹に洞察力の深い人。
私は、こういう人を見つけるとどうしても仲良くなりたくなってしまう。片思いのことも多いけれど。
思ったことが先走ってしまう私にはちょっと羨ましい。
おまけに作家だなんて!
良いなぁ。
今までデビュー作?しか読んだことがなかったけれど、今や興味津々。
ナオコーラさんの本ぜひ読んでみたいです! -
旦那さんのことだけでなく、親との向き方や、出産に対する考え方、容姿に対する作者さんの考え方が語られていました。はっきりとした自分の考え方や意見を持っていらっしゃるけど、かと言って他の意見を否定したりすることもなく、あくまでご自身の価値観を誤解なく丁寧に伝えようとしていて、尊敬できた。
こんな風に、自分は自分という柔らかくて強い心を持ちながら、旦那を始めとした家族、社会と付き合っていければなと思う。 -
タイトルは「夫」だけど、作者と夫と実家の家族の話だった。
淡々と綴られている言葉には熱い思いが感じられる。
ところで、この作者の各エッセイで毎回思うのだけど、今回も「自分が大黒柱」「自分の容姿が優れないが気にしていないこと」「社会を信じている」が繰り返し出てきた。
仮に、たとえ本当に宿題を忘れていなくても「忘れてないよ。本当だよ。本当に忘れてないんだ!」などと繰り返し言えば実際には忘れたのではないかと疑われる。
同じようにこれだけ繰り返されれば、山崎ナオコーラという人はあの三点にものすごく引っかかっていて、常に頭を離れないほど囚われているのではないかと邪推してしまう。
人間の脳は繰り返し語られることを記憶に残しがちなので、彼女のどのエッセイを読んでも、夫に関してあれだけ何度も自分の方が稼いでいると繰り返すのは、結局それがすごく嫌なんだなということばかりが印象に残ってしまった。 -
「たまたま側にいる人を、自分がどこまで愛せるかだ。夫が世界一自分に合う人かどうかなんてどうでもいい。ただ、側にいてくれる人を愛し抜きたいだけだ。」
「人間というのは本来ひとりきりで生きるものだ。たとえ親になっても、誰かと渾然一体となって、ひとつの親という存在になることはできない。親になっても、私はひとりだ。その覚悟を持つ必要がある。もちろん、夫もひとりで親になるのだ。」
「結婚や出産は双六のマス目ではない。進んだ、だの、戻った、だのと捉えたくない。どのような状況でも幸せになれるし、どのような生活を送っても成長できる。人生を作っていくという風には気負わずに、ただ生きていきたいな、と思う。」 -
流産の喪失感は何事でも埋められないというのに共感。父を亡くしたこと、子供を流産で亡くし、翌年に最後授かった時期の日常が淡々と、だが強い思いで描かれる。
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こんなイメージの結婚ならいいなぁ
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結婚というのは、
自分にぴったりの、
世界で唯一の人を探し出してするものではなく、
たまたま側にいる人をどこまで愛せるか、だ、
というような記述に
ドキッとした。
いや、側にいることさえが、
難しくなるから、別れるのですけど。 -
表紙のみつはしちかこさんのイラストがものすごく可愛いし、ご主人との結婚生活のノロケ話が満載だろうから読みたくない、とこの本を避けている人と出会ったなら、教えてあげたい、それでも読む価値はきっと大きいよ、と。
著者はご自分の容姿の悪さとご主人の収入の低さにより「自慢話」と読まれることはまずないので安心して読んでいただきたいと冒頭で述べてくれる。。。のだが、やはり、独身で容姿も悪い私には羨ましいお話が満載の本。
しかし、読んで良かった。
それはこんな私でも結婚への希望が持てるとかそういう意味では全くない。おそらく他の読者もこの本によってそういう思いにはならないだろう。
「自分を肯定」し、また「他人の多様性」を認める上で、背中を押してくれる、そんな本だ。オススメ。
「自己肯定感」と「たまたま側にいる人」というエッセイだけでも読んでほしい。 -
かわいい夫はかわいくて、吉祥寺のあの本屋さんの名物店員さんかなと思って検索してみたけど、何もでてこなかったので、邪推しないでただ楽しめばいいんだろう。
夫が「墓標には「生きた」と彫りたい。と言っていたのがよかった。
なんでもない日常に生と死が滲んでて、そのなかで「どう生きるか」「どう社会と関わるか」をずっと模索、確認していて、優しくてまじめな人だなと思う。
にしても、自分の容姿が悪いことと、夫の収入が低いことをことあるごとに繰り返すので、それがなければな。本人の意に反して、そんなに気にすることないのになーと思ってしまった。 -
やっぱりノロケは読んでて面白くない笑
読んでて「私の夫は!」って自慢話返ししたくなる。
シラケるのは分かっていても。
男にとってこれはホメ言葉なの?
オヤジにはよくわからん
男にとってこれはホメ言葉なの?
オヤジにはよくわからん
だいさんのコメントに吹き出しそうになりました(!
とりあえず、女子(おばさん含む)の間では可愛いは最高の褒め言葉です(...
だいさんのコメントに吹き出しそうになりました(!
とりあえず、女子(おばさん含む)の間では可愛いは最高の褒め言葉です(笑)。