ガケ書房の頃

著者 :
  • 夏葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904816196

感想・レビュー・書評

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  • CL 2017.5.6-2017.5.10

  • 京都に行った時、ガケ書房に行ったことがあった。見た目のインパクトから中野や高円寺あたりのサブカル書店を想像していたら、さっぱりとしておしゃれだったので拍子抜けした記憶がある。それは後期のガケ書房だったんだなぁといま読むとわかる。
    自分のカラーを押し付けてもダメ、お客さんに買ってもらうように、でも迎合ではなく、何を期待されているのか…試行錯誤しているのがわか、お金という現実に向き合わなければならない、経営って大変だな…。後半はずっと辛い辛いと言っていて気詰まりだった。
    それでも本の力を信じてるのが救い。
    体験ごと買うお土産、確かに!
    本はどこで買って何処で読んで…という記憶もセットになってるから、音楽もそうだけど、だからこそ何処で出会うかって大事だしロマンと、スリルがあるよなと思った。

  • 大学時代によく通った店。2004年から2007年頃なので、比較的初期の頃だと本書で初めて知る。

    立地的に恵文社とどうしても比較され、かなり意識して個性を出してる印象があった。CDのほうをよく買っていたので、やはりサブカルチャーのイメージが強い。
    ホホホ座に活動を切り替えた頃、店主が「サブカルとか嫌いなんすよ」って言ってたのが印象的だった。

    本書で、印象がずいぶん変わる。思ったよりずっとしっかりと取次と向き合って、普通の本屋の一面が見えたこと、店主のルーツ(もっと左京区にどっぷりな人だと思ってた)、そして、まだまだ途半ばであること。

    もっと、とっつきにくい感じだと思ってた。とがっていて、変な人が集まって、アンダーグラウンドの世界なんだと。
    実際には、この世界、この時代で生き抜いていくために既存の制度を使ってふつうの本屋として、ふつうに本を選び、ときにさまざまに工夫を取り入れ、変わり続けることで、成長してきたお店だった。常に変化が求められるのは、本屋に限ったことではない、今はどんな仕事でもふつうのことである。
    本屋だけが特別なわけではないし、ガケ書房が特別なわけでもない。
    なぜ、ホホホ座に?ということは多く訊かれていることなんだと思う。そのあたり、うまく時代の流れを捉えながら、機を見て本との関わりかたを柔軟に変えることのできる経営的な才能のある人なんだと感心した。
    面白い一冊だった。

  • 筆者がガケ書房を始めるまでと、ガケ書房を始めてからの事について書いた本。経営者としては全くの素人だった彼が、実際の書店経営を始めてからの事と、そこに至るまでの様々な経験が生きて今日があることがわかる。

  • 気にはなっていたけど、なぜか行くことがなかったガケ書房。あの辺りに出向くことがなかなかないのと、ちょっとトンガリすぎた外観に気後れしていたのだと思う。
    お店を起点にいろいろ面白いことをやっていたのだとわかってちょっと悔しい気分。

著者プロフィール

山下賢二(やました・けんじ)
1972年京都市生まれ。21歳のころ、三島宏之と写真雑誌「ハイキーン」を創刊。その後、出版社の雑誌部、印刷工、古書店、新刊書店勤務などを経て、2004年にガケ書房をオープン。目立つ外観と独特の品揃え、店内音楽ライブなどで全国のファンに愛された。2015年4月1日、ガケ書房を移転・改名し、ホホホ座をオープン。著書に『やましたくんはしゃべらない』(岩崎書店)、『喫茶店で松本隆さんから聞いたこと』(夏葉社)、共著に『ホホホ座の反省文』(ミシマ社)、編著に『わたしがカフェをはじめた日。』(小学館)がある。

「2021年 『ガケ書房の頃 完全版 そしてホホホ座へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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