動物に心はあるだろうか? 初めての動物行動学 (あさがく選書3)

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  • 朝日学生新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904826836

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の息子に読んでミーっといわれて、軽い気持ちで読み始めたのだが、予想よりもたくさんのきづきがあった。
    動物の行動を実験でデータ化した上で、行動にともなう様々な動物の習性から、その選択・判断にこころがあるのではないかという切り口で見解が述べられている。中学生向け書籍なので、超読みやすいのだが、一言で言うと”人間って動物と同じだわ。”だ。
    部分的ではあるものの、人間の行動となんら変わりない判断を動物や昆虫も普通にやっている。ギャンブルや盗みや女性を口説いたり。。。心はないので、本能ですべて制御されている。
    持論である、”人間の行動の8割は本能”がより強くなった。
    人間も所詮、動物なわけで、本能には逆らわない思考を心がけるべきと思う。しかし、人間のみが持っている考える力の意義に改めて考えさせられる。論理は本能からの逸脱であると考える。人間社会においては本能から逸脱する能力が高い人が、歴史に名を残すのであろう。しかし、それは本能からの逸脱であり、人類にとっては実はマイナス面なのではないであろうか。

  • 子ども向けの本のようだけれど、この分野をまったく知らない大人が読むにもちょうどいい本だった。
    ヒヨコが初めて見たものを後追いする刷り込み。あれは、後日の研究で、やはり親の形に似たものを選んで追うようになることが分かったそうだ。
    そういった最新の成果が、たくさんのトピックについて紹介されていく。

    「時間割引」とか、「共有地の悲劇」の話があったことにも驚いた。
    私は経済学の本で初めて知ったのだけれど、もとは動物行動学で明らかになった知見に基づいていた、ということだ。(いや、経済学の本でも、そう書いてあったかもしれないけれど…)
    一つの分野での成果が、他分野の学問に影響を与えていくこともわかって、新鮮だった。
    ちなみに、行動経済学や心理学なんかでは「時間割引率」が高いほど、つまり現在の欲求が優先される人ほど成功しないなどとよく語られるようだ。
    けれど、動物行動学では、動物の生活する環境次第で行動の合理性が変わってくるので、必ずしも現在の欲求が優先されるのが悪いとは限らない、との話だった。
    その学問によって、解釈のポイントが微妙に違う、というところも、またおもしろく感じた。

  • 内容情報
    [日販MARCより]
    大切なものが盗まれないように隠し場所を変えるカケス、仲間と血を分け合うコウモリ…。こうした行動を起こす心のスイッチのしくみとは。動物の行動を研究し、心について追究する「動物行動学」の最新の研究成果。

  • 内容情報
    [日販MARCより]
    大切なものが盗まれないように隠し場所を変えるカケス、仲間と血を分け合うコウモリ…。こうした行動を起こす心のスイッチのしくみとは。動物の行動を研究し、心について追究する「動物行動学」の最新の研究成果。

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