- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904845073
作品紹介・あらすじ
青年時代にヨーロッパ・モダニズムの洗礼を受け生涯、生まれ故郷の山陰で"写真するよろこび"を追及した写真家・植田正治の全軌跡をたどる197点を収録。
感想・レビュー・書評
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植田氏の写真は、ダリの絵と重なります。砂丘の背景が独特の雰囲気を醸し出していますが、のみならず、なんとも異界の匂いがプンプン。お面をした人々、不可思議なオブジェ…人々の日々の暮らしを切り取った写真さえもが、かつての日本ではないような。巻末の、没後に公表された未発表写真、奥様の被写体がとてもステキ。
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◼図書館にあるなんて感激ですよ。即借りw砂丘シリーズがやっぱりすきね。
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2010年から2011年にかけて全国5会場で開催された展覧会の図録として出版された写真集である。
いきなり、奥行きのない平面的な背景が目に飛び込んでくる。後に広がる空間は、活字よりも白紙の部分が大きい一編の詩を思わせる。これは、「言葉のない写真詩」なのかもしれない。
人物の配置には、明らかに演出意図が感じられ、リズムが伝わってくる。小津安二郎の映画のワンシーンを見る思いがして、「音のない音楽写真」のようだ。
ページを繰っていると、写真を観ているというより、パウル・クレーや、ルネ・マグリットといった画家の抽象絵画を観ているような錯覚に陥る。大胆な画面の切り取り方は、葛飾北斎も想起させる。写真と絵画が限りなく接近した所に生まれる「絵画写真」もしくは「写真絵画」なのかもしれない。
すると、巻末の解説で、フランス人のディディエ・ブルスが、「植田正治は、若き日には画家を志望していた」と記していて、すべてが氷解した。植田正治は、筆ではなく、カメラで絵を写し撮ったのだと。 -
砂丘での連作は衝撃的でした。シュールでモダン
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始めてみる作品も。
「音のない記憶」など、見たくても美術館の図書館に行かなければ見られない作品がたくさんあるのがとても嬉しい。
写真展の巡回が楽しみ。