フォトジャーナリスト 長倉洋海の眼

著者 :
  • クレヴィス
4.33
  • (3)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 12
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904845776

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • また写真集を買ってしまった。しかも私の書庫には長倉洋海氏の写真集
    は何冊もあるし、パラパラとページをめくるとこれまでにも目にした写真が
    多かった。

    それでもやっぱり手元に置いておきたいと思ったのは、カバーに使用され
    いる写真から伝わって来る躍動感と、最初の見開きに掲載されていた
    アフガニスタンの戦士マスードの写真に魅了されたからだ。

    長倉氏の作品はマスードを知るきっかけにもなった。それだけではない。
    エルサルバドルの内戦やアパルトヘイト廃止後の南アフリカ、アマゾンで
    暮らす部族、極寒のサハ共和国などへ、私を運んでくれた。

    対象にカメラを向けるだけではない。出会った人たちとの絆を深めながら
    撮られた写真だからこそ見る者を惹きつけるのだろう。

    だから、私は長倉氏の作品が好きだ。子供たちや労働者、貧困の中でも
    逞しく生きる女性たち。みんなが輝いている。その輝きが1つのシーンと
    して、写真に残される。

    勿論、戦乱を写し取った作品もある。遺体の並んだ作品もある。世界は
    残酷だ。でも、美しく、逞しく、人々はその場所で生きている。

    コソボで家を失った家族が、新たな家を建てる過程を撮影した一連の
    作品は何度も見返してしまった。

    掲載されている作品すべてから、途轍もない力を感じると同時に、長倉氏
    がカメラの向こう側に向ける優しい視線を感じた。

    この写真集も永久保存版だ。またきっと、近いうちに取り出して眺める
    はずだからいつでも取り出せるところに置いておきたい。

全1件中 1 - 1件を表示

プロフィール

長倉洋海(ながくら・ひろみ)
1952年、北海道釧路市生まれ。写真家。通信社勤務を経て、1980年よりフリーランスとなる。以降、世界の紛争地を取材。なかでもアフガニスタン抵抗運動の指導者マスードやエル・サルバドルの難民キャンプの少女へスースなどを長いスパンで取材し続ける。第12回土門拳賞、日本写真協会年度賞、講談社出版文化賞、産経児童出版文化賞などを受賞。
写真集に『サルバドル 救世主の国』『マスード 愛しの大地アフガン』(ともにJICC出版)、『西域の貌』(山と渓谷社)『人間交路シルクロード』(毎日新聞)、『地を駆ける』(平凡社)、『その先の世界へ』(クレヴィス)など。最新刊に『世界は広く、美しい――地球をつなぐ色』(新日本出版、全6巻)、『いのる』(アリス館)がある。著書に『フォトジャーナリストの眼』(岩波新書)、『ぼくが見てきた戦争と平和』(バジリコ)、『私のフォトジャーナリズム』(平凡社新書)がある。

長倉洋海の作品

フォトジャーナリスト 長倉洋海の眼を本棚に登録しているひと

ツイートする