フォトジャーナリスト 長倉洋海の眼

著者 :
  • クレヴィス
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904845776

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  • 副題が「地を這い、未来へ駆ける」。その通り、地を這いながら取材されたであろうとことが伝わってくる。

    未来へ駆ける、そのために、自分の周りだけで終わらないで、視野を広げて、様々な地域に住む人のことを知ろう、そう語られているように感じました。

  • また写真集を買ってしまった。しかも私の書庫には長倉洋海氏の写真集
    は何冊もあるし、パラパラとページをめくるとこれまでにも目にした写真が
    多かった。

    それでもやっぱり手元に置いておきたいと思ったのは、カバーに使用され
    いる写真から伝わって来る躍動感と、最初の見開きに掲載されていた
    アフガニスタンの戦士マスードの写真に魅了されたからだ。

    長倉氏の作品はマスードを知るきっかけにもなった。それだけではない。
    エルサルバドルの内戦やアパルトヘイト廃止後の南アフリカ、アマゾンで
    暮らす部族、極寒のサハ共和国などへ、私を運んでくれた。

    対象にカメラを向けるだけではない。出会った人たちとの絆を深めながら
    撮られた写真だからこそ見る者を惹きつけるのだろう。

    だから、私は長倉氏の作品が好きだ。子供たちや労働者、貧困の中でも
    逞しく生きる女性たち。みんなが輝いている。その輝きが1つのシーンと
    して、写真に残される。

    勿論、戦乱を写し取った作品もある。遺体の並んだ作品もある。世界は
    残酷だ。でも、美しく、逞しく、人々はその場所で生きている。

    コソボで家を失った家族が、新たな家を建てる過程を撮影した一連の
    作品は何度も見返してしまった。

    掲載されている作品すべてから、途轍もない力を感じると同時に、長倉氏
    がカメラの向こう側に向ける優しい視線を感じた。

    この写真集も永久保存版だ。またきっと、近いうちに取り出して眺める
    はずだからいつでも取り出せるところに置いておきたい。

著者プロフィール

1952年北海道釧路生まれ。写真家。同志社大学法学部卒、通信社勤務を経て1980年以降、フリーランス・フォトジャーナリストとして世界の紛争地を精力的に取材した。今日まで南洋から東南アジア、中東、シルクロードを踏破し、直近ではシベリアの少数民族ネネツなど極寒地の人々と暮らしを撮った。代表作にアフガニスタン抵抗運動の指導者マスードに密着取材した「マスード 愛しの大地アフガン」により国際的に高い評価を受け国内では第12回土門拳賞を受賞した。他に「エルサルバドル 救世主の国」(講談社出版文化賞)など著書、写真集多数。

「2020年 『女、美しく わが旅の途上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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