- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904899243
作品紹介・あらすじ
闘病中の現役サラリーマンが教える、42の小さな工夫で「復職」の先を歩く。
感想・レビュー・書評
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約1週間で、電車の中やcafeなどで読了。
本書は、うつを経験し、復職中である著者による体験に基づく本で、当事者だけでなく支援者(周りの人、会社の人)にも読んで欲しい本。
当事者ならではのノウハウや、著者が読んだ本をヒントにしたノウハウなどが42にまとめられている。
復職するまでの道案内をする本は多いですが、本書はその先を見据えた「珍しい」本かもしれません。
印象に残ったもの:
・気になることすべてを、頭の外で管理する→GTDとして書き出す、コンテキストを意識(うつっぽい時、など)
・コップの中身を小さくする(圧縮する)
・「小さなスタート」を切っておく(スタートダッシュ)
・ToDoリストはタスクの両側に□を書く、5つくらい残して管理
・病気で戦う相手は自分自身でも同僚でもなく、病気、隠さないでよい、公表して冷笑するような人は関係を切っても良い
・半径50cmの整理整頓
・ストレス・怒りは「転嫁」する
・一人で行っている作業は、「まだ頑張れる」と思っても途中で止める
・復職はゴールではなく、その先が重要
・「うつ病を直してから働くべき」は誤解・偏見
・小さな工夫で乗り切れる(跳び箱のロイター板)
色々と学ぶことがありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
頑張って働いてうつ病になってしまった方へ、是非読んで欲しい一冊。
今まで読んだうつ病関連の本には「無理しない•頑張らない•焦らない」、そしてとにかく「ゆっくり休養する」ということしか書いてありません。周りの人からも同じようなことを言われます。しかし、休職している時期にそれらのことを言われても、お金のことや将来のこと、どうしたって不安にかられます。この本では、「できないことはやらなくていいけど、今までと違う工夫でちょっとだけ頑張ってみる」という実例がたくさん書いてあり、復職時の気持ちにすごく共感し、リハビリ期間にとても希望が持てました。自分自身が一度休職して、復帰後不安定な状態にある今、この本に出会えて本当に良かったと思います。 -
仕事を続けていくことが大事なんです。
この本は,うつ病の人でもそうでない人でも,誰でもできそうな,42の小さな工夫が載っています。
・ため息をついたら休憩の合図(P124)
・まだ頑張れると思ったところで止めておく(P154)
など一般的と思えるものから,
・気分に的を当てたコンテキストを用意しておく(P72)
・怒りはキチンとボールにぶつける(P128)
など,なるほどーと参考にしたいことがたくさんありました。
自分はもう休職したくありません。
仕事を続けていくために,できることは何でもやっていきたいと思います。
時間術や整理術といった効率のよい働き方を身に付け,生活リズムや自分の心を守れるようになりたいです。
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/aoqsk2630/20130326/p1 -
著者の主張するところに納得できるところがあるが、完治していない「患者」のチャレンジ日記くらいに捉えるほうがいいだろう。私も著者と同様な経験、似たような工夫をたくさんしたが、まだこの著者の回復状況で本を出すようなことは、かえって頑張るうつ患者を増やしてしまうことにならないかと、思う。
うつ患者には有害な図書ともいえる。
結局、他人と同じ視点で物事を解決しようとしてもそれは無理なのだ。
アインシュタインも、問題は発生したときと同じレベルで解決することは難しいと。
過去の自分と決別し、新しい自分、「超」自分にならない限り、著者のいう「うつアンテナ」をぶちこわすことなどできないのである。
正直なところ、この著者は過去の自分の延長上で生きており、また病気が再発しないことを祈るばかりである。 -
1ヶ月に一度、1時間情報遮断
頭の中にあることをすべて書き出せ
タスクの両側に□、左側は始めたらチェック右側は完了したらチェック
落ち込んだら今日はバネを縮めた日
今自分にできること。頑張ればできそうなこと。そういうことを積み重ねていかなきと、遠くの大きな目標は近づいてこない。
どんなに小さくても自分の中に成功体験を蓄積
最高の人生の見つけ方
ちっぽけでも、歩みも遅くても仕方がない。堅実にいこう。 -
うつ病を発症し、そこから2度の休職を経て、現在もサラリーマンとして勤務している筆者による仕事術の本。
この本には復職して(筆者の場合、復職後に転職もして)働いていくために、筆者が見つけた42の工夫が書かれている。
うつ病の急性期や回復期の治療に関する本は多数ある。一方で、復職してうつ病と付き合いながら働いていくことに関して書かれた本はそう多くはない。一方で、多くのうつ病患者は、生きていく上で働くことについて向き合わないといけない。うつ病発症、休職、復職を経て働いている人はSNSで探せばたくさん見かけることができるが、個人が行っている復職のための、そして働き続けるための工夫については発信している人は少ないため、一つひとつが参考になった。
また、世の中に仕事術、時間術、職場の人間関係など書かれた本は多数あるが、この本ではそれらのビジネススキルを「うつ病からの復職」という視点から拾い上げ、さらにうつ病患者の気持ちの面から、なぜこの方法が良いのかを掘り下げている。どうしてこの手法や考え方が役立つのか筆者の経験を踏まえながら書かれている点も勉強になった。
あとがきに
「病気を責め、自分を責め、うつ病を理由にして、たくさんのことを諦めて生活するのも一つの選択肢ですが、ハンディを背負っていても、普通の健康な人と仕事をし、切磋琢磨し、普通に生活を送ることは可能だと私は信じます。思うようにはいかないかもしれませんが、小さな工夫をすることで、過酷なビジネスの現場でも、平常心を保ち、心を守り、高いパフォーマンスを発揮しつつ、楽しく笑って生活することは可能です。小さな工夫は跳び箱のロイター板のような物です。」
とあり、筆者が見据えているのは、復職して働いても、いずれは普通の健康な人と同様に仕事で結果を出すことなので、その目標がはるかに高いもののように感じられる人もいるかと思う。
ただ、復職してすぐにそこに到達できるとは思ってはいない。復職までにしておく身の回りのこと、復職してすぐの働き方、職場での病気の打ち明け方など、工夫は細かく地味なものも多い。
はるかに高い目標にむかって、一歩一歩を積み重ねていけるように、些細な、しかし大切な工夫が書かれている。
小さな工夫が散りばめられているので、自分の体力の度合いやうつ病との付き合い方に応じて、自分に必要なところをつまみ食いしながら読むことができる。
お名前で検索したところ、twitterのアカウントを見つけ、プロフィール欄を見たら、2021年3月現在、闘病期間よりも寛解期間のほうが長いとのことだった。そこに何よりも勇気づけられた。
これからもどうかご自愛ください。 -
Getting Things Done
無理してうつじゃない人に合わせて行こうとしてるように感じた。
うつになった人なりの無理しないための工夫があるかと思った。けれどもうつじゃない人たちと同じ土俵で互角に奮闘していくための方法が書かれていた。真似はできない。 -
情報を遮断する時間を作る。
不安そのものをメモする。
GTDでタスク管理する。
死ねない理由(やりたいこと)リストをつくる。 -
一度メンタル圧し折れてるので、こういう経験談交えた対策やテクニックは読んでてとても参考になる。
特に共感したのは「自分の頭、記憶ほど信じられないものはない」というところ。
関連して挙げられていたGTDは取り入れてみようと思う。 -
闘病中の現役サラリーマンによる、うつ病の人のための仕事術。
著者が述べているとおり、実践が難しいほどハードルの高い提案は一つもない。(実際、個人的には既に行なっていることもいくつかあった。) その分、インパクトのある提案はなく、うつ病を患ってある程度経つ人なら知っているようなことが多い。
うつ病と診断されて日の浅い人、その周りの人たちに読んでもらいたい本。