マルクスる?世界一簡単なマルクス経済学の本

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  • マトマ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904934029

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/58731

  • Twitterでもフォローしている木暮太一氏の本をどれか読んでみようと思い、比較的Amazonレビューの評価の高かった本書を読んでみることにした。

    難解なマルクス経済学を、それなりに分かりやすく解説している。抽象概念が多いため、どうしても、説明がくどくなりすぎる傾向にあるが、元々のマルクス経済学がそうだから、やむを得ないのかもしれない。また、木暮太一氏の語り口調が、時々「〜〜なんだよ」とタメ口になり、独特な印象を受けた。

    当初の目的ではなかったが、マルクス経済学を理解する上でも、本書はおすすめ。あらためて、マルクス経済学についても考察する。

    本書を通じて理解したところによれば、マルクス経済学というのは、資本主義の結末として社会主義革命が起きることを予言している。ロシアでは1917年に社会主義革命が起きてしまったわけだが、結果的に20世紀を通じて、資本主義が発展した。ロシアによる社会主義の実験は失敗だった。しかし、21世紀になって、ようやく、企業が巨大化し、企業の利潤の増大があるのにも関わらず労働者の分配率が低下するというマルクスが予言した現象が起きているように感じる。社会主義革命は、21世紀こそ、必要なのかもしれない。

    しかし、マルクスも、社会主義の怠惰を説明できなかった。社会主義のもたらしたものは、社会全体の怠惰であり、ロシアは克服できなかった。中国は、政治は一党独裁を保ちつつも、実態は弱肉強食の資本主義経済へ転換してしまっており、もはや社会主義国とは言えない。


    <目次>
    第1章 商品と価値形態
    第2章 剰余価値の生産
    第3章 資本蓄積
    第4章 資本循環
    第5章 資本の流通
    第6章 利潤の法則
    第7章 商業資本
    第8章 利子生み資本と信用

  • マルクス経済学を説明した本としては比較的平易なのだろう。まだ難しい点はあるけれど、難解な理論を平易に理解しようとする方が間違っている。読者もこの本のみならず、他のいろいろな本を分からないなりに読んで、少しずつ、なんとなく理解するところから始めていくしかないと思う。

    そこそこ読みやすく、最低限の知識は得られるような気がした。しかし、誤字脱字の量がとにかく多い。あまりの多さに、それだけで辟易するレベル。もうちょっと出版前にちゃんと校正しないのかと不思議に思った。その点がとにかく残念。

  • 木暮太一さんが結構前に書いていた本。マルクス経済学を、ものすごくわかりやすく説明しています。
    「わかりやすく、読みやすく」書くのは非常に難しい事だと思っていますが、小暮さんの苦労が少し読み取れる本でした。マルクス経済学、資本論のとっかかりにいいと思います。

  • 経済学のわかりやすい入門書を書くことで有名な木暮さんのマルクス経済学入門書。

    文字も大きく、時折入るイラストもあって、全体としてはわかりやすいと思う。ただし、最近はいろいろな方が資本論入門を書くようになったので、これがベストとは思わなかった。

    まず読み流して、全体像を捉えて、確認しながら読むことがよいかなと思った。経済史におけるマルクスの影響は大きいので、さらっとよんで、大体の話をつかみたい人に向いていると思う。

  • 小暮氏の本四冊め。現在売れに売れている『僕らはいつまで、、』にマルクス資本論が取り上げられていたため興味を持って購入。理系で元々経済学なんてものはド素人の私でも理論の要点は説明できるのではないかと勘違いするくらい解りやすい。詳細は切り捨て概要を把握する事に焦点を当てているので入門としてはとてもいい。本のはじめに概要がまとめられている。これを最初と最後に2回読ませる事で内容が理解できた事を実感させるあたり『うまい』。

  • マルクス経済学ということでもともと数式をあまり使わない考え方なので、コンセプト通りけっこうわかりやすかったです。
    詳しく知りたきゃ専門書を読め、と割りきってるのが良い。
    このシリーズ全般に言えることだが、今回も誤植が多い。
    そこらへんはしっかりして欲しいのだが。


    第1章 商品と価値形態
    第2章 剰余価値の生産
    第3章 資本蓄積
    第4章 資本循環
    第5章 資本の流通
    第6章 利潤の法則
    第7章 商業資本
    第8章 利子生み資本と信用

  • 世界一分かりやすいらしいが、それでも難しかった。

    昔、マルクスを読むと価値観が変わるらしいと言われ、いつかは読みたいと思っているんだけど、なかなかです。

  • 良書かね?分かりづらい部分が多かったし、時々口語になったりならなかったり。また改訂新版ということで、誤字が多かった。1つの本でこんなに誤字を見たこと無かったので、この本に対する情熱が消えていった。

    資本主義社会において、剰余価値、つまり会社の儲けを生み出すのは労働者である。労働者は自分の価値以上に働いた分が剰余価値となる。

    企業はモノをたくさんつくるため、機械を導入する。しかし、機械には機械の価値以上の価値は生み出せない。労働者は必要なくなり、モノが溢れて売れなくなる。

    まぁマルクス主義の入門書ということで、次読よむ本の理解度は少しばかりよくなるんかねぇ。

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著者プロフィール

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに異常な執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書には、『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)、『カイジ「勝つべくして勝つ! 」働き方の話』(サンマーク文庫)ほかがある。趣味はハワイ。


「2022年 『その働き方、あと何年できますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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