日本の原発危険地帯

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  • 青志社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905042174

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/55946

  • 1980年代に原発建設予定地を取材した鎌田彗氏のルポタージュ。3・11を経験した今となっては「安全神話」に踊らされた誘致派と反対派の対立はまさに滑稽としかいう他ない。納得の星3つ

  • 原発立地各地のデータが有用。

  • 戦後日本の社会派ルポライターの代表的存在。労働問題、原発、開発、教育などをテーマに、全国各地を訪れ弱者の立場から告発するルポルタージュを発表。

  • 原発立地点の反対運動記述。民主的に進められた立地点など、ただの1カ所もないことが分かる。最終的に住民がカネに飲み込まれる。

  • 日頃から、玄海原発の危険性をぼんやりと感じながらでも何も行動に移すことなくすごしてきた。しかし福島第一の事故によって私の中に決定的な決意ができた。知らない間に日本に54基もの原発が政府と電力会社の結びつき、経済的に貧しい地域を金品でまどわし、原発を増やすやり方は基地問題と同じ。私は「脱原発」の行動にでます。

  • 著者は1970年代から原発のルポを書いていたライター、鎌田慧さん。

    改稿を重ねながら、絶版になっていた「日本の原発地帯」(1982年)が、この度の東日本大震災による福島第一原発の事故を機に、「日本の原発危険地帯」との題名で新装刊。もちろん、加筆もされている。

    原発の危険性は「事故」の危険性だけでない、と著者は言う。

    「日常的に進む住民の金力と権力への依存、自治体の自治精神の喪失が重大だ」

    刈羽の住民が科学技術庁に抗議し、「東京に原発を作ればいい」と発言すると、「東京は人口が多くて危険だ」と言われたことなどショッキングな事実がいくつもあるが、原発問題の本質は、この言葉に尽きるのではないか。

    鎌田さんの原発関連の著作では、「六ヶ所村の記録」が興味深かった。こちらも絶版。復刊を望む。

  • 迂闊にもこの本を今読んだ。

    この本は1980年代前半には既に上梓されていた。その後、文庫化され、その後岩波ライブラリーに入り、そして東北大震災後に青志社から311も含む年表を付けた上で単行本化され、それをたまたま三田図書館で新着本として書架にあったのを手に取ったわけだった。

    鎌田慧氏が60年代初頭の、まさに日本に原発が導入されてきたときから原発建設各地をルポして記録したのがこの本。そこには、東電や東北電力が金をばらまいて過疎地の人達の心を買い占めていく様子が鮮やかに記されている。この人達を誰が責められるだろうか?僕は今多額の借金を負っているわけではないし、富まずといえど貧窮しているわけではないから目先のことより理念を大事にしたいと思うけれど、もしも僕が今多額の借金を負っていて、そこに東電が来て、「おたくの土地を売ってくれて漁業権を放棄してくれたら補償はたんまりするし、更におたくの町に道路を造ってあげましょう。」なんて言われたら僕は魂を売り渡すだろう。だって原発の安全性はお国が保証してくれるというのだから。

    そういった欺瞞の上に成り立つ原発はすべて止めなければいけない。火力発電を50%しか稼働させないで、大企業のもつ自家発電の電気を「高いから」と買いもしないで、全発電量の3割を占める原発が全部停まったら日本の経済はたちゆかない、などど恐怖感を煽る電力会社の言い分に騙されてはイケナイだろう。

    今回の事故で僕ははっきりそういった欺瞞性に気づいてしまった。

    もう50年前から原発を追い、その危険性を言い続けてきた鎌田さんの不安が現実のものになってしまった。この本を今やっと手にした自分自身を含め、なんと安穏と過疎地の犠牲の上に今まで暮らしてきたかと慄然たる想いを抱くのは僕だけではないはずだ。

  • これは本当に今の時代に読むと
    腹が立って仕方のない本に感じてしまいます。
    と言うよりも私自身が今話題の発電所の
    隣県に住んでいるので他人事とは思えません。

    と言うかまさしく
    汚いの一言に尽きます。
    ここに表現するのもあー…と思ってしまうほど。
    だけれどもその中でも反対を
    唱えていた人はいるのです。

    しかし、悪夢が現実になった今…
    この発電方法はおそらく
    日本では使えなくなることでしょう。

  • 2011/04/13 TSUTAYAで<br />復刊を繰り返している本の最新版

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著者プロフィール

鎌田 慧(かまた さとし)
1938年青森県生まれ。ルポライター。
県立弘前高校卒業後に東京で機械工見習い、印刷工として働いたあと、早稲田大学文学部露文科で学ぶ。30歳からフリーのルポライターとして、労働、公害、原発、沖縄、教育、冤罪などの社会問題を幅広く取材。「『さよなら原発』一千万署名市民の会」「戦争をさせない1000人委員会」「狭山事件の再審を求める市民の会」などの呼びかけ人として市民運動も続けている。
著書は『自動車絶望工場―ある季節工の日記』『去るも地獄 残るも地獄―三池炭鉱労働者の二十年』『日本の原発地帯』『六ケ所村の記録』(1991年度毎日出版文化賞)『ドキュメント 屠場』『大杉榮―自由への疾走』『狭山事件 石川一雄―四一年目の真実』『戦争はさせない―デモと言論の力』ほか多数。

「2016年 『ドキュメント 水平をもとめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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