しずおかの文化新書16 湖の雄 井伊氏~浜名湖北から近江へ、井伊一族の実像~

  • 静岡県文化財団
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905300151

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  • (2017.05.27読了)(2016.12.03購入)(2016.01.31・第2刷)
    副題「~浜名湖北から近江へ、井伊一族の実像~」
    井伊直虎に関する本があまり出ていなかった頃にamazonで検索したらこの本がヒットし、値段も手ごろだったので、購入しました。
    その後、大河ドラマのノベライズ版などが出てきたので、この本を読むのは後回しになってしまいました。
    井伊氏の元の支配地である井伊谷の地勢から始まって、その地の古代の磐座信仰や古墳などの状況が説明してあります。
    その後、井伊氏の家系図から歴史上に残る井伊氏の系譜をたどります。
    最後に井伊氏と芸能のかかわりについて記してあります。
    この本によると次郎法師は、徳政令を出していますが、大河ドラマでは、徳政令は出さずに何とか乗り切ろうとしています。
    その後の次郎法師のことは何も書いていないので、大河ドラマは、脚本家次第という所でしょうか。虎松は、松下家に行っていますが、大河ドラマではどうするのでしょうか。虎松が、徳川家康に仕えたころには、次郎法師はどうしているのでしょう。
    虎松が、井伊直政となって活躍してゆく話は、大河ドラマの範囲外となるのでしょうか。大河ドラマの今後の展開が楽しみです。

    【目次】
    はじめに
    第一章 聖水を祭る古代豪族  辰巳和弘
    一 地名は語る
    二 井伊谷に勃興する古代豪族
    三 天白磐座遺跡から考える古代のこころ
    四 都田川流域のプレ「水の祭祀」
    第二章 湖の雄、井伊氏  小和田哲男
    一 井伊氏の系譜を探る
    二 南北朝内乱期の井伊氏
    三 国人領主から戦国大名今川氏の家臣へ
    四 井伊氏存亡の危機
    五 井伊直政スピード出世の秘密
    六 近江に移る井伊氏
    第三章 井伊氏と芸能  八木洋行
    一 湖北の修正会の芸能
    二 井伊家と能楽
    連載 伝える「川名ひよんどり」  鈴木一記

    ●1544年12月(101頁)
    今川氏家臣として、井伊直盛の井伊谷支配は順調に進んでいた。
    直盛の叔父にあたる二人、具体的には、直満と直義の二人が今川義元によって誅伐されるという事件が勃発するのである。
    ●亀之丞(104頁)
    直満・直義が誅殺されたことで、直盛が養子にと考えていた直満の子亀之丞にも身の危険が迫り、龍譚寺の南渓和尚のはからいで、信州市田の松源寺に逃がしている。
    ●徳政令(116頁)
    次郎法師は、氏真の命令にもかかわらず、独自の判断で、「銭主」の瀬戸方久らの立場に立って実施を遅らせていたのである。
    二年後、(氏真は)圧力をかけ、次郎法師も渋々従わざるをえなくなった。
    ●井伊谷三人衆(119頁)
    井伊谷さん人衆という場合、この三人とは具体的に菅沼忠久・近藤康用・鈴木重時の三人を指し、今川氏に家臣で井伊氏に付属する形だった。
    ●虎松(124頁)
    家康が鷹狩りの途中でたまたま虎松を見つけ、容貌がただものでないと思い、父親のことを聞いたところ、井伊直親の遺児だということがわかり、召し出したということになる。
    ●松下源太郎(124頁)
    直親未亡人が松下源太郎と再婚することになったので、虎松も松下家に引き取られ、源太郎の子として育てられていたからである。

    ☆関連図書(既読)
    「おんな城主直虎(一)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2016.11.25
    「おんな城主直虎(二)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2017.03.25
    「井伊直虎と家康」小和田哲男・大石康史著、NHK出版、2017.01.01
    (2017年6月4日・記)
    内容紹介(amazon)
    浜名湖の湖北・井伊谷には、古代から浜名湖と深く関わる水の祭祀を行う有力領主がいました。江戸幕府をひらいた徳川家の筆頭大名・井伊氏は、その系譜にあたります。井伊谷を中心に残る井伊氏の足跡から、日本の古代・中世・近世史に井伊氏が果たした役割やその遺産をあぶり出し井伊一族の実像に迫ります。

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