魔法の世紀

著者 :
  • PLANETS
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レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905325055

作品紹介・あらすじ

〈映像の世紀〉から〈魔法の世紀〉へ――。第二次世界大戦が促したコンピュータの発明から70年あまり。人々が画面の中の現実を共有することで繋がる「映像の世紀」は終わりを告げ、環境に溶け込んだメディアが偏在する「魔法の世紀」が訪れる。
若干28才にして国際的な注目を集める研究者でありメディアアーティストでもある落合陽一が、今現在、この世界で起こりつつある決定的な変化の本質を、テクノロジーとアートの両面から浮かび上がらせる。画面の外側の事物に干渉をはじめたコンピュータがもたらす「来るべき未来」の姿とは……?

感想・レビュー・書評

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  • デザイナーの視点で、コンピューターが引き起こす、世紀の変わり目を見つめた書。コンピュータ屋とはまた違ったアートからの視点が斬新だった。

  • 今のメディアアートやこれからの技術の未来を知ることができる。
    本書に登場する作品を深く掘り下げていけばより理解が深まると思う。
    ただ言葉遣いが独特で面白いんだけど分かりにくいところもあった。
    全体的には分かりやすくまとまっている。なにより読んでてワクワクする。

  • HCI年表として非常に役立つ

  • 研究者・メディアアーティストの落合さんの本。

    普段からいろいろ講演やテレビ出演されているが、「コンピューテーショナルフィールド」や「デジタルネイチャー」などについて、講演では話しきれないような深いところまで書かれているのでとても良かった。

    第1章ではコンピュータの歴史が、第2章ではメディアアートにおける文脈の変化がとてもよくまとまってて、ここだけでも読む価値がある。

    メディアの歴史を壁画・彫刻から辿るなど、すべての文章が過去の歴史を踏まえて書かれているのでとてもわかりやすくてとても参考になる。

    未来のテクノロジーに興味がある人にオススメで、特にコンピュータサイエンスに関わる大学生、大学院生にはぜひ読んで欲しい。

    --
    モリス・バーマン「世界の最魔術化」
    カームテクノロジー
    マクルーハン「グーテンベルクの銀河系」
    象徴的機械
    近場の見立てがあっという間に過去になる→ビジョンを定め長期的な活動を
    メディアアート作品の殆どが岩井さん達の90年代の域を出ていない
    八谷さん「メディアアートは溶けた」
    原理のゲーム。アルスでも増えてきた
    理系のアカデミアの役割:企業には扱えない超高額装置、企業では企画の通らないプロジェクト
    産業革命以前にはサイエンスとテクノロジーの明確な区別はなかった
    子供が書いた落書きの建築物がコンピュータの力で建つ
    「音が再生される光プロジェクター」「音が聞こえてくる触覚ディスプレイ」
    HapticTurk

  • 縦横のマトリクス状に配置された超音波スピーカーで音響場を操り、粒子状の物体を空中に保持して任意のグラフィックを表現する「Pixie Dust」等の作品で話題を呼んでいる若手メディアアーティスト/研究者の落合陽一。彼がコンピュータを中心にしたテクノロジーの進化を背景として、21世紀に来るべき世界観を、20世紀の「映像の世紀」と対比づける形で「魔法の世紀」と名付け、その社会的な意義、芸術的な意義について広範に語った一冊。

    かなり広範な問題系を扱っていることに加えて、多少ロジックが飛躍する傾向があり、前後の話題の論理的関係性が正直理解しにくいという難所はあれど、自分なりに「魔法の世紀」の特色をまとめるなら、情報を表現するメディアとその受け手である人間という二項対立的な関係性ではなく、それら全てが「場」の中に溶けていき、人間や自然さえもがプログラムで操作され、人間の新たな感覚が誕生するような時代、ということだろうか。歴史的に見ても、我々が自明のものと捉えている概念、例えば美意識でさえ、実は技術の進化によりアップデートされ、決して普遍的なものではないように、テクノロジーが支配する「場」を通じて、「魔法の世紀」の人々は新たな感覚を得ることができるとされる。

    本書が面白いのは、テクノロジー一辺倒の話ではなく(そうした話題なら、テック系の研究者やライターが既にその世界観を表現しており、目新しさはない)、メディアアーティストとしての顔も持つ著者が、古来からの美術史や20世紀のメディアアート史を参考にしつつ、「魔法の世紀」ならではの芸術論としても読める点である。特に、これまでの芸術様式(建築物を含む)を、環境自体に関するエーテルの動性と、その表現物自体が持つフレームレートの動性という2軸から整理したマトリクスはシンプルながら、論理的な説得力を持つ。

    これからも彼の作品に注目したい。

  • ここ最近読んだ本で一番面白かった。前半は映像の世紀と語られる現代以前のメディアの歴史についての話で、この中で出てきたコンテンポラリーアートの文脈の話がとても参考になった。これまでコンテンポラリーアートの見方がなにもわからなかったので、やっと土台に乗れた感。
    後半は魔法の世紀と語られる現代以降のメディアの形についての話で、ここからさらに面白くなった。未来の生活のあるべき形に胸が踊った。著者のこれまでの作品を動画で見つつ読むと説得力が高まってよかった。

  • 今は光と音しか再現出来なかったがこれからは触覚や空間上の座標まで含めた要素の再現ができるようになると




    20世紀は映像の世紀の特徴、表現とメディア(映画館、一眼レフ、本)を分離したこと。人は表現で涙したり笑ったりするがメディアではそれはないと考える。メディア自体がアートとしての価値を持つ

    デジタルネイチャーコンピュータが制御するモノトモノ、場と場の新しい相互関係、人間とコンピュータの区別なくそれらが一体として存在すると考えられる新しい自然観

  • 映像の世紀の時代背景も、その発明者たちの歴史についても
    深く調べて書かれているのと同時に
    コンピューターが融ける現代において、AIの進化により、人間をAIが管理しているように
    今時点でも見えなくはないという観点の秀逸さ
    読んでいて面白いのと、着眼点が理論的であり、デジタルエンジニアの重要性などといった
    現状の世界にも触れているのも、読みながら現実と想像の世界を行き来させてくれる
    ディズニーの施策についても正しいことが書いてあるし
    この本は数回読んでも、まだ新しい発見がありそう
    たまに読んでいてもわからないのは自分の語彙力不足と想像力不足だと今は感じている

  • 以前、著者の「超AI時代・・・」を読むも、(自身の理解力の問題でしょうが)正直面白くなかった。そんな中、Youtubeで「魔法の世紀」はメルマガをものすごい労力で1から編集しなおした渾身の一冊で絶対におススメですと著者自身が強く推していたので、メルカリで思い切って購入、読んでみました。

    「サイエンス&テクノロジー」の進歩は想像の域を超えていて、あらゆる日常社会にそれが魔法のように自然に溶け込まれていく、すなわち「人間」と「サイエンス&テクノロジー」との関係が、現在の「人間」と「自然」との関係と同じになってくる。

    難しいながら刺激的で斬新!ぶっ通して一気に読んでしまった。

    「科学技術」がもたらす「コンテクスト」、産業革命から拡大し、最近まで”映像”がその構築中心だったが、あらたに”可搬性”が新しいその構築に加わってきている。つぎの”科学技術イノベーション”は何だろうか。

    本書は今から4年前である2015年発刊の本ですが、その時点でその性質を追求しているのはすごいなと思った。著者が「未来予測といった(文系的)研究」+「科学技術といった(理系的)研究」の両方を最先端レベルで同時にこなしているところもすごく刺激的だった!

  • 細かなディテールで理解しきれないところはある。ただ、本質的なところは強く同意できる。やはり、今とは、次元が違うというか、通常、意識していない世界が始まる。必ずそうなる。まさに、目を覚まされる思いがした。

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著者プロフィール

落合陽一(おちあい よういち)
メディアアーティスト、研究者。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教、デジタルネイチャー研究室主宰。2015年Pixie Dust Technologies.incのCEO。2017年から筑波大学学長補佐、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。2017年12月からは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社による筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長 及び 准教授を兼務。代表作に、最初の著書『魔法の世紀』、『日本再興戦略』『デジタルネイチャー』など。ほかにも様々な作品と著作に関わる。2019年9月7日、『2030年の世界地図帳』を刊行。

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