デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂
- PLANETS/第二次惑星開発委員会 (2018年6月15日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905325093
作品紹介・あらすじ
いま最も注目の研究者にしてメディアアーティスト、落合陽一の最新作!
十分に発達した計算機群は、自然と見分けがつかない――
デジタルネイチャー、それは落合陽一が提唱する未来像でありマニフェストである。
ポストモダンもシンギュラリティも、この「新しい自然」の一要素にすぎない。否応なく刷新される人間と社会。それは幸福の、経済の、民主政治の再定義をもたらす。新たなるパラダイムはここから始まる……!
感想・レビュー・書評
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自分が出会わない言葉で私たちが生きる世界の実像の根幹を解説していく手法は作者の真骨頂と感じた。私のような凡人の頭では文字を追いかけていくのがやっとで、自分の中にない言葉が宙に浮いたようで、抽象的かつぼんやり理解できたように感じさせられてしまう。まさに異世界に触れたという感覚。何冊かの読書の合間に読むと愉しく読めそう。
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『超AI時代の生存戦略』を読んで興味を持ったので借りてきた。こっちは難しめ。こちらもわかりみは多かったが、抽象的すぎる。(2018/9/4)
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魔法の世紀から3年経った2018年に執筆された、続編というかアップデート版というか。すでに2020年なので未来館等の仕事を経て落合氏の中では更にアップデートが進んでいるんだろうなと思うとゲンナリする。まじですごい。
この2冊は基本難しいのだが、なぜか途中で諦めようという気にならず、辛い気持ちになる事なく文字を追い終わり、半分くらいはわかった気になれる。
とりあえず自分が勉強不足であることを痛感させられるので、意識は高くなる。もう少しディープラーニングとか和風の美意識について知ってから再読したい。 -
「侘びと寂び」とあるのでもっと人文系の内容を想像したが、AIを含むITの現在到達点を基に近未来のITと人間の関わりや人間社会の近未来像を冷徹に推測した部分が大半となっている。
「侘びと寂び」は冒頭部分と巻末部分にだけ著されているが、著者の辿ってきた道筋がわかるようで興味深い。 -
デジタルとアナログの境目がなくなるデジタルネイチャー。
テクノロジーが進歩することによって、人の感覚器で捉えられる解像度よりも、機械の方がより高解像度なものも存在する。音の例を出すとわかりやすいが、人が聴取できる音域は20〜20000Hzであるが、機械がつくりだす音域はもっと広く医療で見られる超音波検査などは3000万〜1億Hzの音波を発している。
つまり、アナログの方がデジタルよりも解像度が高く鮮明だという定義は当てはまらない。
ひと昔前であれば、アナログの方がデジタルよりも解像度が高かったけれど、テクノロジーの進歩によってそれが逆転し始めている。
そのような状況で、今後どうなるかを予想したのがデジタルネイチャーだ。全ての領域においてデジタルの解像度が高くなっているわけではないが、遅かれ早かれいずれ数多くの領域においてデジタルがアナログを上回る時代がやってくる。
そうなると、機械なのか自然なのか気にしない状態になるはずだと落合陽一さんは言っている。
今まで全く考えたことのなかった発想なので刺激的で将来に対するワクワク感が大きくなった。
僕自身は、これからも進歩する技術の中で、人とはなにか?心とは何か?という疑問が生まれ、これに向かってしばらく考えていきたい。 -
難解で心をへし折られそうになりますが、
読み進めていく毎に読めるようになります。
理解度合いはそれぞれのレベルによるでしょうが、
理解できる箇所だけでも新しい知見が得られます。
テクノロジー、哲学、アートなど
多種多様な素養が自然かつ複雑に混じりあって
それ何色よという感じです。 -
ものすごい量の注釈が物語っているが、専門用語やカタカナ語を多用し一見分かりづらいが、落ち着いて読めば理解できる内容。経済産業とテクノロジーの進化により、人々の生活がどのように変化してきたかの沿革を落合流に解説し、その先の未来を提示する。
現実とテクノロジーが限りなく境目なしにつながり、まさに「デジタルなネイチャー」な世界になるという。それは単なるIoTということでなく、ホログラムやトランスニューマニズムの延長になる。究極は、人間とは意識であり、それをクラウド化すればあとはロボットやバーチャルが世界を成り立たせるというあり方。
確実にその方向に向かっているが、果たしてそれは幸せなのか。 -
次の時代を考える上で読まなくてはならない本。
サピエンス全史と同時読みしていたら中々シナジーがあって良かったです。
著者プロフィール
落合陽一の作品





