「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論 (footballista)

著者 :
  • ソル・メディア
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905349501

作品紹介・あらすじ

o que é o futebol
欧州サッカーアカデミズムの最高峰ポルト大学で学んだ異色の25歳監督
Jリーグ関係者からお父さんコーチまで全サッカー指導者必携!進化するサッカーの“実用書”

感想・レビュー・書評

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  • 「戦術的ピリオダイゼーションって何?」
    「バルセロナ構造主義って何?」というところからのスタートでしたが、
    素人の自分にも(完璧ではないですが)よくわかる内容でした。
    むしろすごい面白かった!

    戦術的ピリオダイゼーションもバルセロナ構造主義も
    ヨーロッパでの著名なトレーニング理論らしいのですが、
    そんなことすら知らなかった自分。
    ただ、こういった欧州の最先端な理論に触れて、
    サッカーの考え方や価値観に刺激をもらいました。
    正直、この理論に完全に同意できた訳ではないのですが、
    考え方として参考になる部分や刺激をもらった部分も多かったです。

    この本の構成としては、
    戦術的ピリオダイゼーションとバルセロナ構造主義の説明をした上で、
    あとがきに著者自身の考え方を述べています。
    あとがきで述べられている通りですが、
    著者自身も戦術的ピリオダイゼーションや
    バルセロナ構造主義に完全に同意している訳ではないそうで、
    答えのないサッカーという問いに向かい合っている姿勢を感じます。

    興味深かったのは、戦術的ピリオダイゼーションも
    バルセロナ構造主義も単なるサッカーの考え方に特化するのではなく、
    脳科学・神経科学や複雑系など幅広い学問から知見を取り入れて、
    オリジナルの理論を構築しているところ。
    ボールを使わない(サッカーに関係のない)トレーニングは意味がないという考え方は、
    刺激的で斬新だし、一理はある(例えば根性論での走りに意味がないのは賛成)と思う一方で、
    小さな子供の年代では一つ一つの動きに特化して(要素還元して)、
    トレーニングを行うこともありなのではないかとも個人的には思いますし、
    賛否両論出てくる考え方なのかな、というのが感想です。
    特に技術が伴っていないジュニア世代には、
    基本的な技術練習もひつようなのではないか?というのが個人的な見解です。
    とは言え、本の中でもジュニア世代には、リフティングが有効という記述もあって、
    若干の混乱を招きます。。
    いずれにせよ、この考え方をベースに、
    「サッカーのトレーニングはどうあるべきか?」ということを
    皆で喧々諤々議論してみたいと思いました(楽しそう!)。

    また、サッカーの話ではないですが、
    バルセロナ構造主義のところで考え方のベースになっている
    構造主義という考え方にはハッとさせられました。
    ついつい、自分は要素還元の方に偏っている傾向があるので、
    どちらが正しいとかではないですが、
    構造主義の価値観も自分の頭の中での割合を増やしたいと感じた次第。

    戦術的ピリオダイゼーションで出てくるプレーモデルなどは、
    この本も読むと理解が深まるかもしれないです。
    (自分は事前に読んでいたおかげで、
    戦術的ピリオダイゼーションの説明がすっと入ってきました。)

    ※岡田メソッド
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4862762913#comment

  • 正解はない。
    どんなトレーニングが良いのか、理論に当てはめて考えるだけが全てじゃない。
    知識を持った上で、アイディアが出るようにする。
    学ぶことは楽しい。

  • サッカーとは何か、というとてつもなく大きなテーマで、戦術的ピリオダイゼーションと構造化TRについて記述してある。

    サッカーを学問的な側面から、その言葉の定義や意味を明確にして理解を深めようとしている。

    これはサッカーだけでなく、他の競技やスポーツ以外の教育や社会においても共通の学びを得ることができる。

    個人的には、「サッカーに正解・不正解はない。あるのは、好きか嫌いかだけだ」というのが一番の学び。

  • 【 答えのない難問に、挑むための処方箋 】
    サッカーが好きな人は聞いたことがあるかもしれない、「戦術的ピリオダイゼーション(以下戦ピリ)」と「バルセロナ構造主義(以下構造主義)」。
    欧州の最先端のトレーニング理論であるこの二つを学び、成り行きながらサッカーに関わっているものとして生かしていきたいと思い読んでみた。

    一読しての感想は、一つの物事(今回はサッカー)を捉え、深め、究めていくためには、その物事の構造や本質を体型的に理解していくのが大事だということだ。

    サッカーで言うと、大きく分けてどう言う局面があり、チームでうまくいくために必要な原則は何か、それを達成するためには何が必要なのか、そもそもどんな目的で実施するのか、などなど練習したりフォーメーションを決める前にする事がたくさんあるのだと感じた。

    理屈は理解できたが、最も大事だと思うのは、「自分の頭で考える事」これに尽きると思う。

    戦ピリも構造主義も、自分が作っていく最適解の道具にしかすぎない。


    選手と向き合い、日々感じたことをカスタマイズしていく中で、理論も同時に学ぶ。そして、自分の中に「サッカーとは何か」と言う答えを見つけていきたい。そんなことを感じた一冊。

  • 戦術的ピリオダイゼーション、バルセロナ構造主義の二つのトレーニング理論を、わかりやすく解決してくれた本。特に図解のまとめがわかりやすい。

    アプローチが異なるが、どちらも共通するところも多く、今までのドリル的な練習方法は見直す必要がある。が、著者の言う通り、この二大トレーニング理論も完全なわけではなく、今なお進化していて、サッカーは奥が深く、面白い。こう言うことを知った上で、自分なりの指導にあたることが大事。

    戦術的ピリオダイゼーション
    ・ゲームモデル
    ・プレー原則
    ・トレーニング7つの法則
    特化の法則、傾向の法則、複雑系バリエーションの法則、4局面の法則、カオス・フラクタルの法則、組織単位分けの法則、戦術的疲労の法則

    構造化トレーニング
    ・要素還元主義と構造主義(H2Oの例)
    構造主義は、人間を「超複雑な構造」として捉えており、その人間をその人間たらしめているのは、周りの人との間にある関係性だとしている。まさに、「ヒト」ではなく、人「間」なのだ。
    ・コンディション、認知、コーディネーション

  • サッカーにおけるトレーニング方法の二大潮流
    ・戦術的ピリオダイゼーション
    ・構造化トレーニング
    に関して、初心者むけに書かれた本。
    また本書執筆の動機として、日本ではまともな両者についての解説がない事にも触れられていた。

    前者を代表する監督がモウリーニョ、後者を代表する監督がグラウディオラであるが、その両者の立場が共通して否定する考え方が要素還元主義といえる。

    本書はサッカーのトレーニング本というより、物事にどうアプローチするか?という観点でビジネス本として読んだ。

  • チームの最適化が戦ピリで、個人の最適化が構造化トレーニング。今まで漠然と知ってたものがこの本読んで漠然と見えてきた僕は、まだ読み込みが足りないのであろう…。
    サッカーを鍛えるのはサッカーで。すべてそこに要素が詰まってる、という考え方は同意できるようで全て同意もできないわけで…と思ってたら筆者が最後に語ってくれた。考え方の引き出しを持ったうえで、選ぶのは、考えるのは自分だ。もっと勉強だ。だからサッカーは楽しい。ありがとう。

  • 戦ピリについては特になんとなくわかった気がした。
    あとがきの林さんのこれまでの体験経験、戦ピリ、構造主義に対する考え方がとても面白かった。ぜひサッカー指導者のみならず、スポーツ指導者は読んでみてほしい。

  • 明日から実践できる
    という触れ込みでしたが理論ですね。
    概要は把握できたので実際の現場にいるコーチ向けでしょうか。

  • よく耳にする戦術的ピリオダイゼーションと、バルセロナ構造主義を前後半に分けて解説した本。わかりやすかった気がするけど内容はほぼ忘れた。

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著者プロフィール

林 舞輝(奈良クラブ監督) / Maiki Hayashi
1994年12月11日生まれ。25歳。イギリスの大学でスポーツ科学を専攻し、首席で卒業。在学中、チャールトンFCのアカデミー(U-10)とスクールでコーチ。2017年よりポルト大学スポーツ学部の大学院に進学。同時にポルトガル1部リーグに所属するボアビスタのBチーム(U-22)のアシスタントコーチを務め、主に対戦相手の分析・対策を担当した。モウリーニョが責任者・講師を務めるリスボン大学とポルトガルサッカー協会主催の指導者養成コース「HIGH PERFORMANCE FOOTBALL COACHING」でも指導を学ぶ。2019シーズンよりJFLに所属する奈良クラブのGMに就任し、2020シーズンからは監督を務める。

「2020年 『「サッカー」とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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