無知の壁 (サンガ新書 62)

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905425182

感想・レビュー・書評

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  • 奇跡の脳を読もうと思った。

  • 解剖学者の養老孟司氏と初期仏教のスマナサーラ長老という異業者交流の対談集。
    科学と宗教の話は相容れるものなのかと気になりますが、お互い知識人であることから立ち位置が違っても意気投合し、どんどん話が発展していきました。

    養老氏は著書『バカの壁』で、かなり大胆に「バカ」について語っていますが、それは仏教でいうと「無知」に値するのだそう。
    「無知」は恐怖を生み、「バカの壁」は偏見や苦しみを生み出すとのことです。

    また、知識と智慧の違いが語られました。物事を学んで生きる能力を上げることが知識で、人格を向上して心の汚れをなくすことが智慧だそうです。

    歯に衣着せずにものを言う養老氏ですが、実は患者に注射一本打てない怖がりのため、医者ではなく解剖学者になったのだそう。意外な弱点を知りました。

    最近では、自分のお葬式に流す曲のリクエストをする人が増えているようですが、一番人気は「川の流れのように」だそうです。

    自分(主観)が入ると、理性ではなく感情が行動を支配するようになるため、理性を総動員して人格を向上させる、智慧に至ることの大切さが語られました。

    知識を深め、智慧を持つことが人としてのあるべき姿だというのが、違うフィールドから世界を見つめる二人の共通した意見のようです。

  • 人の意識の話から始まる仏教に通じるスマナサーラさんと脳科学に通じる養老さんのインタビュー形式の新書。
    ・自分自身のありのままや他人のありのままを素直に受け入れることが大事
    ・仏教における五戒
    ・人は色眼鏡で世界を見ていること
    ・本当の自分なんていなくてそれをただつくりあげてるだけだということ
    ・いまこの世界も自分が好きに見てる空間であること
    ・自我がない自分を受け入れると楽になること
    ・信仰なんて勝手なものということ
    ・死について
    ・自分の内側をえこひいきしていること(自分のつばの例)にだんだん気づいていくとやがて自分というものが存在しないことに気づくこと
    ・自分は器官が感じることを体系的に組み合わせたものの連続体だということ
    ・どうしたら良い方向にいくか考えるといい
    ・相手の目線で自分をみてみるということ
    などなどすごく今の自分に響く内容だった。ほんとうの自分ってなんだろうっていうのを模索していただけにすごく気楽になったし、ポジティブになれる!

  • 3年前に脳の病気で倒れた時、生まれつきの
    脳血管の異状が発見され、通常4本ある脳に流れ込む
    血管が2本しかないことが分かりました。
    また、その時の病気で左の小脳に親指より少し大きいくらいの脳細胞の壊死ができてしまいました。
    ただ、それらを乗り越え(乗り越えというのかは?)
    身体的な後遺症はまったくありません。それは当然
    奇跡的にありがたいことですが、自分ではあまり納得がいかず、どこか人と異なる部分が絶対にあるのではと思っていました。
    この本を読んで、もしかしたらと思ったのは。
    自分と自分以外の境界線が昔から少し曖昧な感じが
    します。自分に中のものに対して、あまり執着がないこと。
    他に対する攻撃性や、悪いイメージ(気持ち悪い。汚い。醜いと感じる)を持つ部分があまり感じないという
    ところがあるのではと思います。
    この本に書かれてあった、自分の境界線があいまいになって、自分が液体になる感じというのが、そこまで
    大げさではないですが、昔、子どもの時に感じていた
    感覚とよく似ている気がします。
    もしかしたらそれが、私の脳が少し変わっている部分
    ではないかと思いました。
    まあネガティブな要素ではないと思うので大事にしたい
    とも思います。

    少し本の内容の感想とは異なりますが。

  • 養老先生と仏教の長老との対話
    受け入れて、生きていきたい

  • ふむ

  • 宗教に関する専門的なことはよく分からないけど、自分で自分の壁を作らず、勝手に決めることなく智慧をつけて成長していこうという話だったかと思う。35歳になり、まだまだ自分を変えていけると感じている。ただ、ややもすれば現状に満足したり、周囲に流されたりして苦しくなってしまうことがある。過去が良かったと思うこともある。でも、死に向かって進むしかない人生、明日死ぬかもしれない人生なのだから、今この時を一生懸命過ごし成長させていこうとすることが大切だと感じた。成長した先に何があるのか、ではなく、成長の過程を歩むことそのものに喜びを感じていきたい。なかなか難しいけど。

  • 対談。なかなか奥行きのある内容だった。微妙に話が噛み合っていないような気がしなくもないが、上座部仏教と脳科学がとても近似していて部分的には重なっているように読めた。

  • 二人で話しているというよりは同時にインタビューを受けている感じ。
    物の見方を少しでも変えるためのいいきっかけになる一冊!

  • 理解できたのかどうか・・・・甚だ不安ではあるが、読んでよかったと思った。
    『壁』って言う認識が持てて、壁があってもなくっても、どんな形態でも、まぁいいか・・・って思える♪

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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