- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905447351
作品紹介・あらすじ
寂しさは惨めだろうか-流れ去るしかない生命の煌めきと翳りを水の模様のように描いた物語。
感想・レビュー・書評
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3編収録。どれも繊細だが大変読み応えのある話だった。静かに穏やかに染み入ってくる場面、激情のうねりに読み手の心まで引きずり飲み込もうとする場面、様々な側面を見せながら、どの話も川が流れるように流れていく。人の心の中って、透けたり澱んだり、流れの速いところゆっくりなところ、幅の狭いところ広いところ、と川そのものにいちいち例えられるものだ、と今更気づいた。そして同じ所にあって同じようでも決してそうではないということも。
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今の私の年にとても近くて、怖いような新鮮なような古いような楽しくはないかなあ。
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わ、ゴーヤだ。静かで薄暗くて澄んでいて品がある。花の名前がたくさんでてくる。10年たったらもう一回読んでみたい。
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『緑の擾乱』『水の出会う場所』『水の上で歌う』の三作品
『水の上で歌う』が好きだった
どれも色にあふれてる
それもきれいな淡い色ばかりで
初老と老年期の人びとがとても魅力的とはお世辞にも言えないが
「こんな年のとり方、あり様もいいかな」と思う
寂しさとみじめさを引き受けて生きてゆきたい
自分の家と庭で -
山奥の小さな湧水のような作品。
ひっそりしていて
誰も来ない
誰にも見つからない
閉塞感のような
それを望んでいるような
飾り気のない装丁が素敵。