草間彌生、たたかう

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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784905448037

作品紹介・あらすじ

`60年代のニューヨーク、世界で最も刺激的で熱気溢れるアートの中心地で、草間彌生はいかに闘ったのか。1957年に単身渡米し、アートシーンの最前線で前衛芸術家として時代を切り拓いた草間彌生。貧困や差別、自らが抱える精神の疾患、あらゆる困難を創作活動に打ち込むことによって克服し続けた-その魂を揺さぶる人生の軌跡を、本人の発言と当時の写真で綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 草間彌生さんの作品や草間さん自身はポップなオシャレアイコンとして扱われている気がしているけど実際はどんな人なんだろうと気になって手に取った。
    前半の、まさに「たたかう」を体現するかのようにニューヨークで絵と向き合う姿勢はかっこいいしすごい。オブリタレイト(自己消去)によって宇宙の一部となりたいとマニフェストを掲げた、というのは知らなくて興味深かった。画商と出会うきっかけも一枚の手紙から、というのはなんだか物語みたい。

    後半のハプニングというのは、攻める姿勢としてわかるけどあまり好きではなかった。
    本書で草間さんの若き頃が少し知れた。

  • 美術
    写真

  • 草間彌生はおそらく日本人が思っている以上に、アメリカでの存在感は大きいのだろう。1957年に28歳で単身渡米し、苦難を経て世界のアートをリードするNYで成功を収める。書中には、アンディ・ウォーホールとのエピソードも少し触れられているが、あの繰り返しパターンの表現は、草間のパクリだとは驚きだ。

    繰り返されるパターンと同じ柄をまといながら、同化しそして消えていく。Self-Obliteration、自己消滅というらしい。

    P20に57年当時の本人の白黒ポートレイト写真が掲載されているが、思わず目が釘付けになってしばらく離れなかった。無言で佇む草間の目から発せられる強烈な意志が否応にも写真から伝わってくる。

    ジョージア・オキーフという当時の世界的な女流美術家に直接手紙を出すというような、常識を外れた行動力。こうした第一線で活躍する一流の芸術家や起業家に共通する要素だ。

    そして印象的な言葉、
    「麓につけば峰の上に登りたい」
    飽くなき向上心が彼女をこの地位まで押し上げたということに疑いは無い。

  • 702

  • 草間彌生が苦手なので、あの作風ができた経緯なんか知れば印象が変わるかもと思って読んだ。
    やはり好きではない。
    寺山修司とか横尾忠則とかと時代は共通してる雰囲気で、あの時代ね~とは思ったけど、やっぱり自我強すぎる下品さみたいなのが合わない。

  • 草間彌生という人を初めての知れた気がする。こんなにかっこいい、強い生き方をしていたとは。水玉に込められたもの、作品、想い、写真が多くて、作品集のような本でした。もっと彼女を知りたくなりました。作品も見てみたくなりました。

  • まだ読んでいないのだけれど今日、草間彌生展へ行ってきた。
    作家、草間彌生のパワーと、生きること、生命への強い思いを浴びてきた。
    ポップな色使いは奇抜に思えたけれど、見ていて本当にきれいだった。
    プリミティブさも感じさせる筆の線と繰り返される独特のモチーフ。
    見るたびに新しい発見がある。身近にあって何度も見ることができるなら、自分と絵との対話ができそうな気がする。
    いちばん好きなのは、セルフポートレイト。3枚とも素晴らしい。
    草間彌生の純粋さがひしひしと伝わってくる。
    私は、ひとすじに芸術に命を捧げている草間彌生という人が好きなのだと思う。

  • まだたたかってます。
    これからもたたかい続けます。
    草間彌生、フォーエバー。
    装丁もカッコいい!

  • 宇宙、無限、水玉、生命、集積、消去、恐怖、強迫観念、克服、そして自己消滅。草間氏の写真とことばがつまっている本。

    「…私は自分の作品をとおして、多くの人々、ことに、海外の人々と、心の交流がかならずや可能であるということが信じられた。自分の作品を観てもらう機会が、共鳴や、興味をもたれることが、いつかはくるにちがいないと心にきめきっていたのである。」

    きめきる強さとそのためのたたかい。自分はこんなに強くは生きられない。

  • 草間弥生が単身、アメリカへ渡りその後の活動を写真と本人の文章で綴ってある。

    アメリカの街中で“ハプニング”やインスタレーションを行い、草間弥生の「永遠」や「無限」を求め、精力的に作品を発表し続けてきた記録である。

    無限の表現を通して自己の存在や性を問い、乗り越えようと全力で表現してきた草間弥生の精神の血潮を感じることができた。

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