- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905821793
作品紹介・あらすじ
頭からかぶったオーバのボタン穴から爆弾が落ちるのを見てました-毎日の暮らしに突如として踏み込んでくる戦争の本当の顔を見たのは子供たちだった。第二次大戦下、ドイツの電撃的侵略に飲み込まれたソ連白ロシアの子供たちの記憶がつづる戦中世代の証言記録。
感想・レビュー・書評
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1941年から45年の間の独ソ戦争の惨禍を経験した、ソ連邦白ロシア(ベラル-シ)の子供たち101人の証言を集めた、ノ-ベル文学賞受賞作家による衝撃のインタビュ-作品。 この本の語り手たちは、〝焼き尽くされ、一斉射撃をあび、爆弾や弾丸、飢餓やチフスに怯え、親兄弟を殺され、死の恐怖に追いやられた子供時代〟の真実の記憶の伝承者である。〝私は地面に伏せて、頭からオーバ-を被って爆弾が落ちる様子をボタン穴から見ていました。死んだ人を見た時は、ぎょっとしました・・・〟原題は『最後の生き証人』
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チュルノブイル原発事故の事を知っている人は沢山いるかと思いますが被害が大きいのは隣国ベラルーシだという事を知っている人は少ないと思います。その事実を世界に大きく知らせた『チュルノブイルの祈り』の著者が書いた初期の作品です。私はドイツ人は好い面も悪い面も合わせて好きですが、戦争というものが子供に対しても容赦なく襲いかかる現実に、ただ呆然としてしまいました。今イラクで、或いは他の国で沢山の子供達が犠牲になっている現実。父、そして母の死を間近に見て、『ずっと眠っていた』とだけしか、年老いた今でも言えない 受け入れ難い現実。戦争で一番使い易い子供達。 この連鎖はいつ断ち切れるのだろう・・・・・。
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1941年、ベラルーシ(昔は白ロシアと言った)がドイツに占領された頃、子供(〇歳から14歳)だった人たちの証言(原題は「最後の証人」)を集めたもの。淡々とした記述だけど訴えるものはとても強い。最近岩波現代文庫から出版された。これは古い方。
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1941年から1945年(と戦後)を経験したベラルーシの子ども(だった大人)たちが語った言葉。
手記というよりは言葉や記憶の断片。
いつどこでだれがという事実よりも、子どもの目を通した体験を描く。
空襲だけじゃなくて、敵が入り込んできて親や兄弟や周りの人が殺されていく「戦争」。
敵からの酷い目しかかけない時代の作だけど、加害者が誰であろうと被害は被害でしかないから、充分に真実。