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- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784905930259
感想・レビュー・書評
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擬態、特にベイツ型擬態(味の良い種が、味のまずい種に擬態する)の進化生態学的な解釈について、自説だけでなくそこに至る歴史的経緯や、時には周辺知識の紹介にある種の脱線をしながらも丁寧に綴られていて、まずはそこがためになるし、本書の主要な役割は十分に果たしていると思う。
もちろんそのすべては自説へと導くための道程ではあるのだけれど。
そこで展開されている理論自体も私にとっては十分にエキサイティングな内容で、それだけでも興味深く読み進められた。
ただ、この書籍が同種の他の書籍と一線を画しているとしたらそれはもう一点の特徴にある。
それは、研究と考察、そしてそのまとめとして論文を投稿した際の採用や却下のプロセスについても、あえて私心を隠さずに(ある種の愚痴も含め)書き留めてある点だと思う。
私は大崎先生の人となりをよく知っている(指導教官だからね)ので、いかにも先生らしい、とむしろ微笑ましく思うんだけど(研究室を出てまったく畑違いの仕事をしている者の気楽さよ:-> )、人によっては受け入れがたいかも。。。。 ともあれ私は楽しんだ。
本書の最後には、私も学生時代に良く聞かされた大崎先生の研究に対する信念、一流の研究とはなにか、そんなことが語られていて、これも人によってはうっとおしいだろうけど、私はむしろ微笑ましく(以下略
客観と主観の折り混ざったこの本、自分の指導教官の著、というのをさしひいて、、、、、誰にでも、とは言わないけれどオススメではあります。ご一読あれ。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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