落語絵本 五 おにのめん

著者 :
  • クレヨンハウス
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本棚登録 : 466
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906379903

作品紹介・あらすじ

舞台は関西。お春は、親元を離れて荒物問屋で奉公している女の子。
「おかん」が恋しくなると、「おかん」そっくりのお面を見ては寂しさをまぎらわせていた。
ある日、いつものようにお面を見に行くと、な、なんとそのお面にはおそろしいことが!!
女の子が主人公と言う、めずらしい上方落語。
旧暦では、立春の頃が新年のはじまり・元旦で、節分はいまの「おおみそか」にあたります。
年末年始、奉公先から休みをもらい、里の実家へ帰るのがたのしみなのは、昔から変わらない慣わしです。

感想・レビュー・書評

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  • 中学生向けのお話会で、紙芝居「鬼のつば」と組み合わせた落語絵本。
    約10分かかり、季節で言うと年末モノなのだがあえて選んだのには訳がある。
    珍しく女の子が主人公だということ。(聞き手には女の子が圧倒的に多い)
    もうひとつの作品が「鬼のつば」なので、ほのぼのとした温かいお話を探していたということ。
    そして、「鬼」つながりだったという点。これが一番大きいかな。
    あとは、これも珍しく上方落語だという点。
    「そばせい」「めぐろのさんま」「まんじゅうこわい」と落語絵本を紹介してきたが、どれも江戸が舞台のお話。
    こちらは初めての大阪弁なので、かの地に住む友達にも電話でレクチャーしてもらった上での本番となった。
    最後のオチのページでは、みんなどっと笑ってくれたので、まぁ良かったかな。

    場面展開が早く、話もテンポが良い。
    出だしはゆっくり読んで、奉公に出ても母親を恋しがる主人公・お春に感情移入できると、その後が進めやすい。
    そのお春に悪戯をしかけようとする若旦那のアホ加減と、心配して大騒ぎする大店の人たちの優しさ。
    お春の家族の温かさまでがしっかり伝えられたら、オチまで行くのも難なく読めるだろう。
    川端誠さんの描く絵はいつも、黒の輪郭線が入っているので遠目が利くのが有難い。
    ちなみに、紙芝居よりもこちらの方をたくさん練習した(笑)。
    温かい話というのは、案外難易度が高いのかも。

  • 荒物問屋で働くお春は、道具屋の店先に置いてあるお面の顔が田舎のおかんにそっくりで、毎日見にくるお春に、道具屋の主人がお面を譲ってくれることに。
    お面を箪笥にしまって、度々眺めていたお春に、荒物問屋の若旦那が気づいて、お春を驚かそうとコッソリお面を取り替えた。

    いつもの笑いとは少し違うお話しで、もっと彼らが驚くシーンをガツンと描いたら印象が違ったのかも。
    この絵本のシリーズ、毎回ちょっと違うんだよなあ。
    タイトルと表紙の絵でついつい手にとってしまうんだけど。
    でも、読み終わって落語が見たくなるというのは、狙いどおりなのかな。

  • 親もとを離れて働く奉公人のお春は、子守りをしながら道具屋の<おめん>を毎日じ―ツと眺めていました。店のオッチャンが「このおめんに何かあるのんか?」「このおめんの顔、あたいのオカンの顔にそっくりなんや。そやからここに来て、オカンを思い出すんや」「こうたら ええやないかあ」「お金あらへんも」 オッチャンは考えこみ「このおめん、おじょうちゃんに、やるさかい、もっていき」・・・。奉公先の若旦那の悪戯で<おにのめん>騒動が巻き起こりますが、大旦那の善右衛門、お春のオカンにオトンら善人たちが絡む噺に癒されます。

  • 2月の読み聞かせで使用。
    落語絵本は中学年以上のどの学年にも使いやすくてよいですね。
    このお話もとてもよい。お母さん思いの女の子が主役。最後のオチ、わかったかなあー、と少々気になるものの、絵の迫力と関西弁の言い回し軽妙でみんな楽しめると思います。

  • お店に家から行こうとしたときに、大八車にのせていなかったらぬすまれたものはとりかえせなかったから、よかったなーと思った。

  • 読み聞かせ時間:約8分

  • らくごえほんハマり中
    こちらも大変気に入っており、何度も読みました。

  • 読了

  • 3歳5ヶ月。よんで〜、と何度か持ってきました。

    とんちが効いた話というより、良いお話感が強かったです。
    ときそばのようなゲラゲラ笑えるようなお話を期待してたので、少し残念。

  • よかった

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著者プロフィール

1952年、新潟県上越市生まれ。1982年デビュー作『鳥の島』で第5回絵本にっぽん賞を受賞。主な作品に『森の木』『ぴかぴかぶつん』「お化け」シリーズ(いずれもBL出版)、「果物」シリーズ(文化出版局)など。1994年に発表した「落語絵本」シリーズ(クレヨンハウス)でも大きな反響を呼び、「落語絵本」の草分けとして人気を博している。その他の落語絵本に『井戸の茶わん』(ロクリン社)、『てんしき』『ごんべえだぬき』(いずれもKADOKAWA)がある。また近著の創作絵本に『ピージョのごちそう祭り』(偕成社)がある。

「2024年 『ねこのさら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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