落語絵本 六 めぐろのさんま

  • クレヨンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906379934

作品紹介・あらすじ

秋を代表する味覚のひとつ、「さんま」は昔は庶民だけの食べもので、おさむらいは食べなかったのだそう。
世間知らずのお殿さまが目黒で焼きたてのおいし~いさんまに出会い、その味が忘れられず、というおなじみの落語。

アツアツのさんまに大根おろしをそえ、しょうゆをさすとジュジューッ!
はじめて食べたお殿さまの感激も、うなずけますね。

でもお殿様、さんまが目黒で捕れるわけではないんですよ~。
落語絵本ならではのオチをたのしんで。

感想・レビュー・書評

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  • 先代の三遊亭円楽師匠の十八番だった話。
    一度聴きに行ったことがあるが、身体の中からこみ上げるようなくすくす笑いが、ずうっと止まらなかった思い出がある。
    長い話を覚えるだけでなく、身体をわずかに右に向けたり左に向けたり手の動きを加えたりして人物の違いを表し、その上声や表情でその性格まで表現できる技に酔いしれた。
    しかもそれを理解して笑える日本人の素養の高さにも感動したものだ。
    絵本化されたことで子どもにも読みやすくしてあるが、オチの可笑しさまで分かるには中学生くらいが良いかな。
    約10分。

    川端誠さんの絵が明るく楽しくておまけに見やすく、このお話にぴったり
    素直で世間知らずな殿様や、心配性の家来たちの表情も豊かで面白い。
    葛や萩の花、女郎花や撫子、藤袴、尾花や桔梗などの秋の七草も背景にしっかり描かれている。
    落語の『めぐろのさんま』に比較するとだいぶ端折ってあるが、大筋は同じ。
    10分で落語が楽しめるなら、むしろありがたいかも。

    殿様の食事のお毒見役というのがひとりしか描かれていないが、実際は何人もずらっと並んでいたらしい。
    誰が何を食べるか、それぞれ分担していたという。
    そうしないと、どの料理に毒が入っていたか判別できないからだとか。
    食後二時間経って、お毒見役たちに何の異常もなければ殿様の前にその膳が運ばれる。
    つまり、パサパサで冷え冷えの食事をひとりで食べたということだ。
    食べ物ひとつ取っても、自分で決めることさえ出来ない。
    そりゃ、世間知らずにもなることだろう。
    「旬」とか「はしり」とか、ましてや「産地」のことなど、知るわけもないのだ。

    目黒で殿様が食べたさんまは、炭火で網焼きしたものではない。
    『塩をぶっかけたさんまを焚き火の中にほおりこんだ』ものらしい。
    いやはや、読んでいても涎が出てくる。
    もう飽きるほどこの秋はさんまを食べたのに、また食べたくなってしまう(笑)。
    『頭には火がついていて、しっぽには消し炭がぶら下がっているという、真っ黒けのアツアツ』という描写があるが、『消し炭』って今時のお子たちは分からないだろうな。
    じゃあ、分からないだろうからこれは読まないにしようと言っていると、子どもたちは永遠に分かるものの中でしか暮らせないことになる。
    それじゃ、殿様と同じでしょ。

    • 淳水堂さん
      こんにちは。
      お話に混ぜてください(*^^*)

      モデルの将軍は家光公でしたっけ?
      目黒に鷹狩りに来て…って。

      しかしこの話を...
      こんにちは。
      お話に混ぜてください(*^^*)

      モデルの将軍は家光公でしたっけ?
      目黒に鷹狩りに来て…って。

      しかしこの話を始めて読んだのがまだ
      旬もはしりも産地も地理も分からない(目黒は海辺でないとか知らない)子供の頃だったので、
      「さんまは目黒に限る」のどこがおもしろいのかと思ってました f(^^;)

      そのような理由で子供にも分からないだろうなあと読んでませんでしたが、美味しそうだし、それではまさに「殿様」になってしまうので、読んでみようかな。
      2014/11/23
    • nejidonさん
      だいさん、こちらにもコメントを下さってありがとうございます♪
      目黒って、楽しいところですね!!!
      「さんま」がご当地キャラのように活躍し...
      だいさん、こちらにもコメントを下さってありがとうございます♪
      目黒って、楽しいところですね!!!
      「さんま」がご当地キャラのように活躍していたなんて。
      図書館の貸し出しカードまでなんて、面白すぎ!
      目黒のお子たちは、小さな頃から「さんま」に親しみを持って育つんでしょうね。
      給食にも「さんま」メニューが多かったりして(笑)
      なんだか羨ましいですぞ。
      私の住む田舎町にも、そういうお話のひとつくらい生まれて欲しいものです。
      2014/11/25
    • nejidonさん
      淳水堂さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      殿様のモデルに関しては、あまりはっきりしていないらしいですね。
      「家光」があ...
      淳水堂さん、こんにちは♪
      コメントありがとうございます。
      殿様のモデルに関しては、あまりはっきりしていないらしいですね。
      「家光」があんなだったとは、ちょっとガックリしますし(笑)

      いえいえ、私も子どもの頃は、どこが可笑しいのか全然ついていけませんでした。
      大人になってから読むと、これは世間知らずな殿様を笑っている噺なのです。
      オチまで行く間の流れも、じゅうぶんに可笑しいです。
      なので、ちょっぴり大袈裟な抑揚をつけて読むと良いかもしれません。

      落語絵本はまだ他にもあります。
      『そば清』とか『まんじゅうこわい』『時そば』等は分かりやすいかと。
      先にそちらで助走をつけておくという方法もありますね(笑)
      解釈は子どもたちの好き好きですから、まずはお読みなってはいかがでしょうか?
      また反応を聞かせてくださいませ!
      2014/11/25
  • 殿さまを先頭に野駆けの一行が、目黒にやってきました。ちょうどお昼時、ただよってくるいい匂いに「これ、三太夫。この匂いはなんじゃ?」「ははっ、これは農家で秋刀魚を焼く匂いでございます」「余は、まだ食べたことがない。もろうてまいれ」「秋刀魚は町人の食べる下魚でございます。お殿様のお口に入るものではございません」「ひかえろ!好き嫌いを言っていて、侍が務まるか。余は食べるぞ!」・・・かくして〝秋刀魚は目黒にかぎる〟の寓話を生むことになった名作落語の一席です。

  • あー黒焦げのサンマ食べたくなってきた

  • 殿様の安全のためとはいえ、ここまで加工されてはどんなものもおいしくないですよね。シンプル イズ ベストですね。

  • 絵の殿様の表情がとてもよくて、好感が持てます。

    めぐろのさんまとは、よく聞きますが、詳細は?のところが多いのでした。
    それが、かなりしっかりと、はっきり書いてあって、実に、すっきり笑えます。
    おもしろかった。

  • 「さんまは目黒に限る」という台詞はよく聞くけれど、この落語が知ったかぶりがオチだとは知らなかった。
    勘違いする話かと思っていた。
    一休さんのサンマと剃刀のような。

  • 息子7歳10か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読むようになってきて、母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    何度も読む(お気に入り) ◯
    ちょうど良いボリューム ◯
    その他


    「目黒のさんま」
    なんとなく内容は知っていましたが、ちゃんと聞いたり読んだことはなかったお話です。

    落語って、改めてちゃんと読むのも面白い。
    このシリーズ、当分続きそうです。

    息子の反応もとても良いです。

  • これ、子どもはわかるんかな??どうなんだろ??

  • 落語好きらしい・・・

  • おかしな話です。でも、単におかしな話なわけではなく・・・。

    昔の大名さんは皆一様に猫舌だった背景を考えると・・・余計におかしくなるお話です。

    素直な話でもあります。ごはんはやっぱり出来立てほかほかだよね、と。
    ただそれだけの話なんだけど、大名はそれが言えないんだよね、諸般の事情により候えばこそ。

    その辺の諸々を、キチンと楽しく語れるようになっておきたいもんです。

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著者プロフィール

1952年、新潟県上越市生まれ。1982年デビュー作『鳥の島』で第5回絵本にっぽん賞を受賞。主な作品に『森の木』『ぴかぴかぶつん』「お化け」シリーズ(いずれもBL出版)、「果物」シリーズ(文化出版局)など。1994年に発表した「落語絵本」シリーズ(クレヨンハウス)でも大きな反響を呼び、「落語絵本」の草分けとして人気を博している。その他の落語絵本に『井戸の茶わん』(ロクリン社)、『てんしき』『ごんべえだぬき』(いずれもKADOKAWA)がある。また近著の創作絵本に『ピージョのごちそう祭り』(偕成社)がある。

「2024年 『ねこのさら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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