地域アート――美学/制度/日本

  • 堀之内出版
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本棚登録 : 163
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906708550

感想・レビュー・書評

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  • 地方の芸術祭とか、アーティストインレジデンスとか、アートで地域おこしとか、地域とともに、っていいことかもしれないけど作品自体が面白くない、ってのは気にしなくていいのか?わたしがよさを分かってないだけなの?現代美術って難しいのね、なんて思っていたが、この本で藤田直哉氏が問題定義しているのはまさにわたしが疑問に思っていたことそのものだった。
    難しいことはよく分からなかったが現代アートイコール地域アートという定義になっちゃうと、地域が活性化したからよかったよねとは言えるけど、アートとしてどうなのかという批評が誰にもできなくなっちゃうよね、それじゃアートとしてダメじゃないの、という話と理解した。

  • 「地域アート」にもやもやもやもやしていたので、
    すっきりした。

    いろいろな意見があり、本が宣言しているように、
    アート界の統一見解が書かれているわけではない。

    それでも、自分の疑問が、アートの専門家たちによって
    言葉になっていたのがよかった。

  • いま話題の地域アートに関して、多岐にわたる視点からの論集となっており、とても面白い。
    また、サイトヲヒデユキ氏による行き届いた装幀が美しく、本書の問いでもある「美学とは」にこの本のたたずまい自体がひとつの応答となっていると思う。
    「読みにくい」とする感想を目にするが、気になるほどではないのでは。むしろ、この美しさを味わって読む楽しさを備えている。

  • 藤田氏の現代芸術,地域アートに対する警鐘,あるいは問題定義は,こうやって言葉にされてみるととてもよく腑に落ちる.いいとか悪いとかは別にして,やはりこういうことを明確に可視化することも必要だと思う.
    ただ,この本のブルーの印刷インク.紙,フォントあらゆるものが奇をてらったせいで,非常に読みにくいものとなった.この本がもっと違う形で出たら,さらに多くの人が読んだに違いないと,残念である.普通の本なら.⭐️4.

  • 思弁的実在論(人類が誕生する前から、また人類が滅亡した後も、「世界」は実在する)がすごい速さでアートの世界でも広がっている85

    アートと政治。美学と政治はイコール。「虚構の二つの形式」176

    「出来る範囲のコミュニケーション」は悪(もっと言えばファシズム)だ。「出来る範囲」から外に出ていかないのが日本の地域アートの問題。「出来る範囲」を越えると「敵対性」が生じる。それで殺人が起きないのは(範囲を越えたのがアートだから)「良き政治」が宿るから。179

    アートは今、特権的な才能によって制作され、一部の者たちに所有され正当化されてきたかつてと異なり、そうしたかつてのアート概念を根底から解放する方向に移行している250藤井光

    アートを誘致すれば地域が活性化する、これはアジアに膨張していった近代思想と似ている。戦前は「天皇」という装置で人を動員した。現在は「アート」で動員している263藤井

    著者が対談の中で「地域アートに批評性が足りないんじゃなくて、批評家が力量不足(前時代的なロマン主義や、権力への批判性がアートの必須条件であると思っていること)なんじゃない?」と言われてしまう290藤井

    公共事業の大規模なアートイベントなどが増えて、その中でアーティストは自分たちを取り巻く政治性を自覚している。そこではアーティストは、代替可能な認知労働者という弱い立場である。表現の独立性を保証する制度も無いのだ、検閲や自主規制の論理がとおる。今出来るのは!その置かれた立場を確認し合うこと295藤井

  • たいてい、プロジェクトに参加していたり、プロジェクトを運営していたりする人が地域アートについて記述するので、批判的立場の書籍は少なく、こちらはその少ない書籍のうちの一つ。

  • 美術

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784906708550

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著者プロフィール

1983年、札幌生まれ。批評家。東京工業大学社会理工学研究科価値システム専攻修了。博士(学術)。日本映画大学准教授。著書に『虚構内存在』『シン・ゴジラ論』『新世紀ゾンビ論』『娯楽としての炎上』他。

「2021年 『シン・エヴァンゲリオン論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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