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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906708963

感想・レビュー・書評

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  •  個人的に定期購読を始めて、届いた第一号になる。
     特集は「働き方改革」で、最近話題になっている働き方改革の論点や問題点を取り上げている。
     それ以外にも、いまの日本社会の労働をめぐる問題がかなり幅広く取り上げられているため、一冊読むだけでも労働問題についての知識や最新情報がけっこう詳しくなる。

     個人的に面白かったのは、木下武男の論文。昨今、政府の推進する「改革」とやらの表明がなされている文章を分析し、その問題点を指摘している。

     取り上げているのは、「日本再興戦略」(2013)→「ニッポン一億総活躍プラン」(2016)→「働き方改革実行計画」(2017)の3つ。
     木下氏によれば、それらは、それぞれ別個のように捉えられているかもしれないが、実はテーマは一貫しており、それは「経済成長を目指す」ということである。産業を育成するということも、女性含む様々な能力を活用することも、働き方を改革することも、すべては「経済成長のため」であって、その逆の「経済成長を通して、豊かな生活を実現していく」ということではない。
     あくまで「改革」は経済成長に奉仕するためのものでしかないのである。それは、美辞麗句で飾り立ててもごまかすことができない。
     そこから、日本の直面する問題を解きほぐすために、過去に自民党によって提起された「日本型福祉社会論」(1979)を取り上げ、今にまで続く歪みを解説している。
     これを読むと、日本の歪みの根深さを思い知ることになると同時に、どこから仕組みを別の形で立て直していけばよいかということの、イメージが持てた気がする。うむ。

     木下論文の紹介ばかりになってしまったが、ほかの内容も面白い。ただ、定期購読したら同じような話ばかりで飽きそうな気もする笑
     そこは今後、継続して読んでみて判断したい。

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