ソニー 失われた20年 内側から見た無能と希望

著者 :
  • さくら舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906732173

作品紹介・あらすじ

これといった実績のない「エリート」が社長になったとき、企業はどうなるのか。
これは、決して他人事ではない!
ソニーのこの悲劇は、まさに「失敗の研究」である。

感想・レビュー・書評

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  • 作者は、文系の人が嫌いなんだなということが分かった笑
    でも文系と理系で分けるのってちょっとどうかなと思う・・・。

    まあそれは半分冗談にしても、ソニーがどのように崩れていったか、
    それをみてきた1社員の意見というのは参考になった。

    どのような組織にしたら、その組織はずっと命が続いていくのか、色々と考える。

    危機感が欠如した人ばかりの会社はまず間違い無く終わる。
    落ちていく大企業の多くは、基本的にこの理由で終わるんじゃないかと思う。
    大企業のメリットである知名度や資金調達のしやすさ、信用性などを維持したまま、
    かつ危機感の欠如を起こさないようにするのは難しそうだ。

    信賞必罰を徹底する必要がありそうだが、上側にそれをする必然性があまりなく難しい。
    その上司の部門が会社に大きく影響を与える部署(となると、大企業ではそういう状況は少ない)
    だったり、単純に会社を愛している(創業家などじゃないとなかなか難しい)とかではないと、
    まあいいかとなあなあになってしまう可能性は高い。次がやってくれるだろうと考えてしまいそう。

    自分が美味しい思いができるまでは会社があればいいや的思考のI社長がソニーは潰した(まだ潰れてないけど)と作者は言ってる。
    その話を聞くと、オーナー企業というのも有りと言えば有りなのかなという気もしてくる。
    一番いいのは、娘を優秀な人に嫁がせて・・・とかになると戦国時代的で受け入れられなさそうだし。

    組織って難しい。
    組織の仕組みを作るのに大変だし、
    またその組織を構成する人を選ぶのも大変。

    拡大したいから人を取るだと失敗しそうだと感じる一方で、
    拡大しないと時代の変化の流れについていけなくて死亡ということもあるのだから、
    そのジレンマの中でどこで着地するのかは慎重に考えないといけない。

  • 出井・ストリンガーに対する、恨み辛みを繰り返し書いてある。基本的に文句ばかりという印象。

    [more]

    著者の仕事観
    ・不言実行 勝てない戦の結果予測を事前に話してはいけない。黙って実行。成功なら高評価、失敗でも傷は小さい。
    ・技術者にとって大きな技術開発体験は在職中に1回か2回。自己否定の難しさが問題。
    ・自己否定 成功している部署に自己否定させるな。まったく新しい部署を新設すべき。成功するイノベーションの鉄則
    ・数値管理の問題は、下から上がってきた数値で物事を管理しようとすること。必ず改ざんが含まれる。
    ・売れる製品はアイデアだけではなく、革新的な技術が盛り込まれている。
    ・不祥事があるとき 金曜日に小さく新聞へ 土曜に大きく一面広告。一面広告は不祥事隠蔽のマスコミ工作

    大賀 社長以降の影響が 1982-2011と29年間も。
    ・5つの謎
     1.1979年 ヘリコプター事故。その後大賀は一端ソニー本社からはずれ、桜電気はソニー木更津になった。
     4.1995年 全取締役へブラックメール。技術系役員のスキャンダル。次期社長を決める前日。
     5.2011年 PSNから7000万人の顧客流出。平井が社長になってから発表。ずらしたのか?
    ・森園との確執。禁煙検討会議で森園が大賀の顔へプーッと煙を吹きかけた。
      ※ 本当ならちょっとやりすぎだな。

    出井
    ・2003年から始まったリストラは2012年までで合計5万6千人
    ・仲良しグループ クオンタムリープ分室とも言える赤坂アレックスの辻野晃一郎、その執筆の補助を立石泰則、アレックスの赤坂のビルには近藤哲二郎

    ソニー
    ・3種類の人間 技術開発で活躍、営業で活躍、人の使い回しだけで活躍
    ・平沼正二郎 政治家平沼の次男。SMOJにいた。社内では平沼のショーちゃん
    ・CG1=係長 VB7=課長補佐 VB6=課長代理 VB5=課長 VB4=部長補佐 VB3=部長代理 VB2=部長 VB1=その上
    ・ソニー流のVOC Voice Of Customer が顧客ではなく上司または事業部の声
    ・2001年から2003年にかけて高学歴採用数が増えている。その後も増えている。
    ・2002年のソニー生命騒動はオリックス生命のお陰で火が消えた。2003年から宮内オリックス代表が社外取締役
    ・ブラウン管内でビームを直角に曲げるという発想が出来たのがソニーのデザイナー
    ・黒木 1957年千葉大のデザイン学科卒業。1960年ソニー入社。1993年に退社
    ・出井の会長退任後に降格し復活した代表。斉藤端と桐原。両名ともソニーサービス転出後に本体に戻った。
    ・ベガの32型には近藤哲二郎のDRCが使われていた。
    ・キャリア開発室 HS:秘書庶務候補 SK=再教育候補 SYS=社外出向候補 SYT=職種転換候補 SYK=社内休職 TS=単純作業(PDF化)
    ・Felica ソニーはTypeC 国内で孤立。NTTのTypeAは公衆電話では終了。今はたばこのtaspo。
    ・これからのソニーを牽引する人材。SCE・久夛良木の下から来た茶谷公之。NYのストリンガーの下から御供俊元
     ※今はどんな立場なのだろう

    映画部門
    ・エイミー・パスカル 実力派女性プロデューサー。
    ・マイケル・リントン ハーバードビジネススクール出身。ストリンガーが選んだ。

  • ソニーの歴史、歴代社長、フェリカやBDの企画戦争について詳しく知りたい人にオススメ。

  • 著者は、FeliCaなどの国際標準化に貢献して、国家から表彰されたほどの有名人なので、ビジネス的視点でソニー凋落要因を分析してくれるものと期待していたのだが、なんと大賀、出井、ストリンガーの経営陣を徹底批判した内容で、ビックリ仰天しました。
    技術系の仕事師達の排除と独裁を進めた大賀さん、アメリカかぶれで技術イノベーションの芽を摘み執行役に押し込め、社外取締役の重用と高額報酬による背信経営の出井さん、さらに無知無策だったストリンガー、、、。
    いずれも技術に対する無作為を嘆いてます。
    いまの平井さんも文系であり、本書をまともに捉えると、もうソニー復活はないでしょう。
    ただ個人的には、一読後は後味が悪かったです。
    よほどソニー(会社)に個人的な怨念があるのかな…、、著者もソニー社員故に上述の成果を得ることができた面もあったと思うので、本書の大筋の内容については残念でした。
    参考になった点は、内部でしかわからないソニーの人事制度の仕組みがわかったことです。

  • タイトルに惹かれて読んだが、一冊の本としての情報量が多すぎる。
    ソニーの情報を書いたというよりは、著者個人の人生を書いたといった方が良い。
    また経営陣への批判などは賛否あるだろうが、追求が中途半端なものとなっている。なぜそこで暴露をやめてしまうのか、一体著者はこの本を誰に読んでほしかったのかがわからない。ソニー内部の情報を一般読者にわかって欲しかったのか、それともソニーの現経営陣、社員らに読んでほしかったのか。
    後者の場合は別の本を発行する意味が無いだろうに、彼らに配慮しているのかわからないがその追求が半端なものになってしまっている。
    他の方も言っているが一体何を伝えたかったのか、ソニーの歴史を伝えたいのならもっと中身を凝縮してまとめた方がよかっただろうなと思った。
    ソニーの歴史を書ききるでもない、内情を暴露しきるでもない、中途半端な内容であった。

  • 昨今のソニーの凋落ぶりを嘆き、この惨状を招いたとして出井、ストリンガーら歴代社長を激しく批判している。特に、委員会等設置会社、社内カンパニー制の導入、EVA、シックスシグマなどの方策をことごとく「愚策」と呼び切り捨てている。とはいえ、著者は当時社内に在籍していた当事者でもあり、歴代社長ら個人に対する批判は、結果が判明した今だから言えるという後出しじゃんけんの感がある。

  • 愚痴にしか聞こえない。で、この人は何をしたんだろう。

  • 長年勤め続けた中の人が、ソニー低迷の戦犯をこき下ろす暴露本。

    技術を知らない経営陣が現場に目を向けず踊り続けた結果、残されたのはリストラの山と資産売却による見せかけの営業利益、という非常に切ないお話になっとります。

    普通に読みやすい文章なのに、全編に漂う怨念と、まとまりのない散漫な内容で読み終えるのにエラい時間が。。。"俺の大好きやったソニーをよくも壊しやがったな!"と憤懣やるかたない思いを文章にしたためたら、本が一冊できました、って感じやろなあ、たぶん。

    しかし、耳ざわりは良いけど何が言いたいのかサッパリ分からん抽象的なフレーズが経営目標になったりした時は要注意!ってのは以下自粛

  • ソニーの半内部告発本。SONYの話は知らんが電機産業一般の話としては同感。技術では勝てないが技術が無ければ勝てない。高学歴の文系社員が多くなって権力を握ったら駄目になる。理性的な技術者は権力欲の強い文系に社内政治で勝てない。はい、まったくその通りです。ついでに言うなら官僚は自己増殖をするので、本来不要なレベルまでオーバーヘッドの文系スタッフ/営業を増やして技術者を食い潰す、と。うちの会社もそうですよ。というか、どこの日の丸電機・家電メーカーも一緒じゃないかい?文系が偉くなって困らないメーカーって自動車くらいだと思うな。

  • 著者の個人的な思いを強く感じますが、歴史を知るには良い本でしたし、一社員の見方という意味では興味深かったです。
    CEO、取締役って何をしていて、どんな成果を出しているのかもっと色々な会社の本を読んでみたいと思いました。

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著者プロフィール

1947年、山口県に生まれる。桜美林大学(経営学)客員教授。東京工業大学や金沢工業大学の非常勤講師、経済産業省主催の人材育成講座主任講師。1970年にソニーに勤務し、スタンダード戦略グループ・ダイレクターの職を最後に2010年に自主退社。ソニー在籍中から技術標準化分野(デンソーのQRコード、JR東日本のスイカなど)で活躍。「失敗しない交渉人」の異名を持ち、2008年には国際標準化活動への功績により内閣総理大臣表彰を受けた。
著書には『国際ビジネス勝利の方程式「標準化」と「知財」が御社を救う』(朝日新書)、『ソニー 失われた20年』『ソニー 破壊者の系譜』(以上、さくら舎) 、『実録・交渉の達人 国際標準化戦争秘録』(日経BP社)などがある。

「2018年 『定年で終わらないための戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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