SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である

著者 :
  • 夜間飛行
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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906790258

感想・レビュー・書評

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  • 何年か前、名越先生の講演会に参加して購入して積読していた一冊。そのとき、先生は現時点での自分の最高傑作とおっしゃっていた。

    今回、とうとう手を伸ばしたのは、やはりこの強烈なタイトルに惹かれたから。緊急事態宣言も発令され、家族や友人とのつながりの大切さに改めてフォーカスが当たっている。コロナ禍にあって、社会的孤立が命取りになることも叫ばれる。独り身で交友範囲もさして広くない私には耳が痛い。もしや、名越先生はそんな私を肯定してくれるのかと淡い期待を抱いたのだが、むろんそんな内容ではなかった。

    本書で名越先生は、会社や学校、家族等の社会的なグループを「群れ」と規定し、その中で過剰に適応しようとし過ぎて疲れてはいないか、対人関係にしんどくなっていないかと問いかける。群れは幻想なのだから、時には離れて、一人の時間を過ごそうよと提案するのである。

    これは、やもすると、直接につながりたくてもつながれない今の世の中に反する考えのように思えるかもしれない。でも、zoomの会議やオンライン飲み会で疲れていないだろうか。コロナに感染することよりも、感染した後の世間の目に恐怖を覚えていないだろうか。それらも全て対人関係の一形態である。

    最終的に瞑想に持っていくのは最近の名越先生の著書と同じである。正直、あまり自己啓発本は読まないので、斜に構えて読み始めだが、気になるセンテンスがいくつもあった。さらりと読めそうでなかなかそれを許さないところが本書にはある。

  • 私は昔からひとりの時間が必要なタイプですが、自分が楽に生きていくためには必須な条件だったんだなと思いました。

  • 以上、まとめ。

    ・すべての人は「群れ」の中で生きている。
    ・群れの中での自分の居場所を失わないように自分の体や心を消耗させてしまっている人が多い。
    ・群れの中での自己実現だけでは、人は虚しさから逃れることができない。
    ・人が才能を開花させるのは、群れからの評価を気にせずに自分だけの尺度で物事に取り組んでいるときである。
    ・感情の9割は怒り。怒りは集注欲求と深い関係にある。誰かに振り向いてほしいという感情は、振り向いてくれない相手への怒りとセット。
    ・自分の習慣を変えられる人は、習慣を変えるのが面倒で大変だということを知っている人。習慣を変えるには少しでも毎日続けることが大切。
    ・時には自分の居場所をあえて自分から捨てて少し勇気を出して新しい場所に立つことも大切。

  • やはり相手に期待しないことは、どの本でも書いてある通り大切なことだとおもった。
    この本の好きなフレーズで『手垢がついた才能』という既知の才能について書いてあることがあった。
    素晴らしい言葉と感じた。

    動かない星を自分の中で見つける

    心に怒りがよぎったとき3回心の中で私は怒ってますと唱える

    みんなが私をみてくれないは、集注欲求である
    この時も自分の中に怒りがある

    二週間続けてみるというところから、怒りの対処方についても続けてみないと忘れてしまうのでこれを続けてみよう

    群れの中で過ごさないことは、慣れているから
    今度は瞑想をやってみてもっと自分に向き合って自分をコントロールしてみようと感じた。
    自分の怒りでもコントロールできないのに他人や家族なんて無理無理笑!気楽に行こう

  • とあるYouTubeのチャンネルに出演してた名越康文さんが気になって借りてみた。ひとりでいることに関しての本は過去に何冊か読んだことがあり、概ねそれらと同様のことが書いてある印象。

    集団でいるということは常に他者からの評価に晒され続けているということであり、表面的に楽しんでいるように見えても精神的に消耗してしまうという。特に他人への承認要求に依存している場合、相手からの期待に応え過ぎる過剰対応に陥りやすく、最悪自分の身を滅ぼしかねない。また相手が自分の要求通りに動かないことに怒りを感じることもある。特に現代は普通の人間関係においてもかなり高度なコミュニケーションを求められており「人間関係が人生のすべて」と定義してしまうことが不幸を生み出している。

    それらの集団に属することで発生する問題から脱するために、集団から一度身を引いて一人きりになる時間を持とうというのがこの本の主旨。

    旅行、散歩、掃除、瞑想など一人の時間を持つことで、現在の状況を俯瞰的に見て自分のタスクを見つめ直すことができるという。

    個人的には一人でいることの方が多く、あまり人に期待をしないので最後の章の「心のカーテンを開く」という言葉は耳が痛かった。

  • 夫が図書館で借りたので私も読んでみました。
    そしたらこの著者の方、以前同僚が講演を聞いてよかった!と言っていた方でした。

    本書は、他人に翻弄されている自分に気づき、一時的にひとりになって群れの外で充電しながら自分の人生を生きよう、と提唱したものです。

    私は以前から、急な食事のお誘いにイラっとしたり(予定していたひとり時間の楽しみを潰されるのがイヤなの、急じゃなきゃ嬉しいのに、と余計イライラ)、
    それどころか友人からの急なラインにもイラっとしたり(都合の良い時に返事をすればいいだけなんだけど、既読スルーに耐えられない)、
    就寝前の読書時間に夫に話しかけられるのもイラっとするという(就寝したい時間と読みたいページ数を綿密に計算してるので崩されるのがイヤ)、
    ひとり時間をかなり大切にする反面、他人に翻弄されやすい性格です・・・

    私なりに、自分で決めた計画を崩されるのがキライ、ということを友人や同僚に周知徹底しているので(笑)、返事の遅いラインなどは大目に見てもらってますが、本書を読んでやっぱり今も他人に翻弄されているなあ、と再確認しました。

    私の課題はひとり時間をつくることよりも、ひとり時間をつくれないときの心の持っていきかたです・・・
    本書では、怒りについても仏教的な対処法を提示してくれているのですがマインドフルネス、イマイチ腹落ち出来ないんですよねえ。

  • そもそもひとりぼっちは好きで、十分に一人の時間をとれているため、自分にとって不要なページは多かった。

    自分のタスクと相手のタスクを切り離す、他人を変えることはできない、という点で名越先生はアドラー心理学の影響を受けているようだと分かった。


    皿を洗う、床をふく、メガネをふく、メッセージを打つといった毎日の動作をゆっくり丁寧にやることで、モノと自分のカラダを感応させ、心を落ち着けるエクササイズに変える。

    感応…周囲の人や環境と同調する能力を意識的に使うこと

    ·自分を定点観測できる友人と定期的に会う

    ·毎日少しだけ明るい声で挨拶する

  • 「群れ」からの要求に過剰に応えようとする現代日本人に対して、目的意識を失くし、ただただ「ソロタイム」(ひとりの時間)を過ごしてみたら? という提案。
    素晴らしい。優しい。本当にその通りだ。
    読みやすいので、オススメです。

    後半は、マインドフルネス。
    わかりやすく、実践したいと思えた。

    2018.3.22

    「あなたの身体と心は、家族や学校、会社など、これまでの人生で出会った、さまざまな人や物との感応によってつくられたものだといっても過言ではありません」

  • もともとソロタイムを大切にして生きてきた自分にとっては目からウロコが落ちる内容ではなかった。群れて生きる生き方しかせずにきた人には良いのかもしれない。


  • とても参考になりました。
    ソロタイムを過ごすことは、群からの評価や役割に依存せず、爽やかで、明るい自分を手に入れることができる。
    私たちは日々、人間関係を維持するために、多大な労力を費やしています。しかしながらそれは、人生の目的ではありません。人間関係が人生の全てになることが、現代人特有の不幸を見出しているんです。
    心の中の他人の声に翻弄されていませんか?私たちはいつも、無意識のうちに、他人がどう思うか、他人からどうリアクションが返ってくるのかと言うことに心を砕いています。あなたの心に住み着いた、心の中の他人、との会話です。
    人生の岐路に立たされた時、大切な選択ほど、落ち着いて、平常心で選ぶ。そのために、ソロタイムはとても大切なんです。
    暴れ馬の如き感情を、制する御者になる。
    感情の9割は、怒りである。
    心の基準点を上げる。自然と体が同調し、気分が明るくすっきりと爽やかになっているところ、それが心の基準点と定めるのです。
    片足立ちで心の状態をチェックする。(1片足で立ち、目を閉じる。(2バランスを崩してしまう
    まで立ち続ける。
    ゆっくりと丁寧に行う。

    以上です。

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著者プロフィール

1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業。大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。主な著書に『驚く力』(夜間飛行)、『自分を支える心の技法』(医学書院)、『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』(PHP新書)などがある。

「2015年 『日本の反知性主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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