幽霊さん

著者 :
  • ぷねうま舎
2.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 18
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784906791309

作品紹介・あらすじ

■ 大津波とフクシマから生まれた物語。宮澤賢治の震災体験を呼び出し、民俗の記憶に沈む豊饒への祈り、女体からの穀物創成の神話を掘り起こす。命のはじまりの出来事、そこに人の営みの原点があった。

■ 戦後の焼け跡・闇市にうごめく放火魔の快楽、60年代ヒッピーたちに担われた原発立地反対闘争のその後……。いま廃墟から立ち上がること、それは第二の敗戦を生き直すことではなかったか。日本の戦後を貫く、支配と排除の構造を、東北と沖縄・奄美の死者たちの、無念の刃で彫り上げる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんだろう…不思議な小説…小説???小説……なのかな…??

  • 絵 司修さんの宮沢賢治『グスコーブドリの伝記』を読んで司修さんに興味を持ち手に取った本
    何の予備知識もなく読み始め、小説かな?どんなお話しかな?と思って読んでみてら
    小説ではなく、でもフィクションも混じった(?)ノンフィクション・・・
    その辺のところでものすごく考えながら読みました(汗)

    死に絡めた話し
    収録作品「幽霊さん」、「16歳の死」、「ガリバーがやって来た日」、「うらぎり」、「珊瑚の雪」
    「幽霊さん」は、著者が東日本大震災後のカルボナード鳥越駅(グスコーブドリの伝記に出てくるカルボナード火山の名が駅名?)跡を訪れて、花束を海に投げる老人に出会い、話しをきくと
    「花束が流れ着いた場所に津波で流された人も流れ着いていて、その場所に弔いに行くと、津波に呑まれた死者の幽霊が出ていた」という話しをきく。その話しから、先に亡くなったおじいさんの後を追い自殺を考えているおばあが、おじいの幽霊と話すお芝居のお話しへ
    「16歳の死」このお話しの中にシェーンベルク「月に憑かれたピエロ」という曲が出てきてYouTubeで聴くと、まあ雰囲気がバッチリでした(苦笑)いや、なかなか良かったですが(笑)
    著者の空襲罹災の話し、3.11米同時多発テロ事件の話し、沖縄の戦争の話し(このお話しをしたキラさんという方の祖母が16歳で自殺している)
    「ガリバーがやって来た日」奄美大島加計呂麻島に伝わる民話に絡めたちょっと不思議な話し(これはフィクションかな?)
    敗戦後、まだまだ貧しい時代の中、友だちのお父さんがお母さんに生活のため沖縄で(恐らく)売春をしてくれとたのんでいる。お母さんが嫌がるとお父さんが「殺す」と言っているところを聞いてしまう・・・
    ガリバー=ヨーゼフ・クライナーさんの本があった!
    「加計呂麻島 昭和37年/1962―ヨーゼフ・クライナー撮影写真集―」
    「うらぎり」も奄美大島の話し
    60年代ヒッピーたちに担われた原発立地反対闘争
    現地の人とぶつかりヒッピーの子どもたちはいじめにあい自殺する子も・・・
    「珊瑚の雪」1954年3月1日第五福竜丸が被爆したビキニ環礁水爆実験に絡めた貧乏な画家(著者?)の身の回りで起きる友だちの横領や火事(放火)の話し

    司修 1936年生 小説家、画家、装丁家、エッセイスト

  • メッセージを聞き取る力が必要だ。。。

    ぷねうま舎のPR
    http://www.pneumasha.com/2014/04/14/幽霊さん/

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

司 修(つかさ・おさむ)
1936年生まれ。画家、小説家。法政大学名誉教授。
中学卒業後、独学で絵を学び、絵画や版画をはじめ、絵本、書籍の装丁、挿絵など多岐にわたる作品を発表。また小説やエッセイ、脚本など文筆分野での活躍でも知られる。
1978年『はなのゆびわ』で小学館絵画賞受賞。 1993年 「犬」で 川端康成文学賞、 2006年 『ブロンズの地中海』で毎日芸術賞、2011年『本の魔法』で大佛次郎賞受賞。 2016年イーハトーブ賞受賞。

展覧会
1986 年『司修の世界』(池田20 世紀美術館)
2011 年『司修のえものがたり──絵本原画の世界』(群馬県立近代美術館)

著書
絵本:『河原にできた中世の町』(文・網野善彦、岩波書店)
   『まちんと』(文・松谷みよ子、偕成社)
   『ぼくはひとりぼっちじゃない』(作・絵 司修、理論社)
小説:『幽霊さん』(ぷねうま舎)
   『戦争と美術』(岩波新書)
   『空白の絵本 ─語り部の少年たち─』(鳥影社)
などがある。

「2024年 『さようなら大江健三郎こんにちは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司修の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×