はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言

著者 :
  • タバブックス
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本棚登録 : 355
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907053086

作品紹介・あらすじ

現実社会の秩序を疑え。「生の負債化」に甘んじるな。
大杉栄、伊藤野枝、幸徳秋水、はたまた徳川吉宗、一遍上人、イソップ物語、タランティーノ…
あまたの思想、歴史、芸術から今を生き抜くあたらしい論理を構築しつつ、
合コンも恋愛もあきらめない、非労働系男子研究者のたたかいの日々の記録

感想・レビュー・書評

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  • 生の負債化ってまさにそうだな。生きることにプレッシャーをかけ過ぎてしまって無気力になってしまうんだけど、それははたらかざるもの食うべからずが日本社会に蔓延っているから。

    はたらくのは誰かの役に立つということだから本来は気持ち良いものだと思う。

    いろんな昔の人の話が出てくるけど、今はその時代の人たちに比べたら全然恵まれているし、失敗して死ぬこともまず無いから、どんな状況でも自由に生きた人達を参考にして、楽しんで生きたいなと思った。

    はたらくことが楽しくなるにはどうするかから考えても良いし。

    仕事をして苦しくなってたらまさに負債化。仕事してて嫌だなと思うのは不機嫌な人が多いこと。尊敬するのは笑顔で明るくて元気な時間が長い人。はたを楽にするために自己犠牲してちゃ意味ないし。

    プレッシャーをかけ過ぎず、自分にも他人にも思いやりもって生きたい

    今、苦しい人は色んな価値観があると知るきっかけになるし、苦しさを我慢しなくても良いと思わせてくれる

    一遍上人の本を読んでみよう

    • workmaさん
      『プレッシャーをかけ過ぎず、自分にも他人にも思いやりをもって生きたい』…いいワードですね!s8さんの感想を見て、読みたくなりました!
      『プレッシャーをかけ過ぎず、自分にも他人にも思いやりをもって生きたい』…いいワードですね!s8さんの感想を見て、読みたくなりました!
      2023/03/11
  • おもしろかった。アナキズムに基づく主張を自らの体験や古典、寓話などとからめて説明するので分かりやすかったし、エッセー的な部分もあるので著者がいかに(現代社会のものさしで見ると)ダメな人間であるかがわかるのだが、それがなんとも読者との距離感を縮めてくれる。そしてなんといっても文章のセンス。ところどころひらがなが混じる文章は若干読みづらくなるポイントもなくはないが、乱雑に置かれた言葉が独特のリズムをつくり、読み進めているとなんだか口元がニヤニヤしてきてしまう。表紙はもっと強いイメージでも良かったとは思うが。

  • なんだこりゃ。ハチャメチャだけど、面白い!
    「大杉栄伝」、「学生に賃金を」の著作で頭角を現すアナキズム研究者、栗原康の最新刊。

    私の魂の叫びかと思うような、ど直球なタイトルに呼ばれて思わず購入。著書を初めて読んだのだけど……この本、この人、すごく面白い!

    ゴールデンウィークの最後に読むのにもってこい。もう死んでしまいたいと思っている人が「完全自殺マニュアル」を手元に置くことで癒されたように、明日からまたあのギチギチの奴隷貨物列車に詰め込まれて会社に行き、フルタイムの非正規労働を正社員の半分以下の賃金でシコシコやって命すり減らしていくのかと発狂しそうな人はこの本を手元に置くことを強くおすすめする。

    ゴールデンウィーク中に読んでいるのがこの本と「ファイトクラブ」って、完全に会社辞める気満々だわ。五月病になるくらいなら、爪を研ごうぜ。合言葉は「はたらかないでたらふく食べたい」!

  • 書名の主張には同意できるし、文章も楽しく読んでいる。ただ、著者は研究者には向いていないなと思わせるものがある。岩波でだした伊藤野枝の本なんかはもっと突き詰めればいいものになりそう。

  • 第28回アワヒニビブリオバトル「あこがれ」で発表された本です。
    チャンプ本
    2017.08.01

  • 全面的に共感という感じではないけれど、凝り固まった思考を少し解放してくれる

  • 働かないで生きていく方法が知りたくて、アナーキズムの研究者が書いた本だから何か参考になるかも、と思って手に取ったのだけど、ただの内容の薄いエッセイでした。社会に対する文句のオンパレードのくせに、その社会に生かされてるけどね?と突っ込みたくなる。親の年金で生きる中年は流石に笑えなかった(笑)
    一方で自分の価値観に消費社会の理論が刷り込まれているんだなという気づきもありました。何においても価値に換算して考える。人の価値、従業員としての価値、結婚相手としての価値、時間の価値、命の価値。その考え自体が資本主義社会に毒されていて、もっとフラットにフリーダムに考えたいなって思いました。

  • 2019.09.26読了。
    良い意味で全身の力が抜ける文体と読み心地です。
    アナーキズムを特に意識したことはありませんでしたが、自分に通じる主張を見つけて、ああこの考えはそうラベリングされるのだなあという気づきがありました。
    頭がカチコチになったらまた読むかもしれません。

  • 小谷野さんと似た印象を受けたが思想は真逆のような共通点があるような。著者はなかなかイケメンなのでヒモを目指してみてはいかがか。なんか中途半端で癖の強い文章だった。

  • 思索
    人生

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。

「2018年 『狂い咲け、フリ-ダム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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