私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907053277

作品紹介・あらすじ

いまから学んでも遅くはない。
一日でも早く、あなたと、新しいことばで、話がしたい
イ・ラン(ミュージシャン、映像作家)

あなたには、自分を守る義務がある。自分を守ることは、口をひらき、声を上げることからはじまる-
2016年にソウル・江南駅で起きた女性刺殺事件をきっかけに、韓国社会で可視化され始めた女性嫌悪、性差別の問題。本書は差別問題を語る時、女性にこれ以上の苦痛や我慢を強いることを防ぐべく企画された日常会話のマニュアル書です。
著者は外国語大学で通訳・翻訳を学ぶ、韓国のフェミニスト。本書は独立系の新興出版社から発売され、韓国フェミニズムムーブメントのきっかけになった話題の本です。日本でもジェンダー関連のニュースが絶えないなか、フェミニズムテーマの小説、翻訳書の刊行が続いており、これまでになく女性問題への関心が高まっている今、お隣の国、韓国の状況にもぜひご注目ください。

感想・レビュー・書評

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  • 「なんでそんなにピリピリするの」「いまや女が弱者でもあるまいし…」自分が差別をしていることに気づかない人たち、差別なんて無関係だと思っている鈍感な人たちの心ない言葉にどう対応するかを、実践的に紹介するマニュアル。まず「対話しない」オプションを確保。次に自分と相手のスタンスを明確化。相手に委ねず、質問と評価を自分の手に取り戻す。そして本書のフレーズ集を参考に、よくある状況の切り返し方を日々トレーニング。外国語を学ぶのと同じで、差別について語るにも理論だけでなく練習が必要だ。

    ふいに差別発言を浴びせられたとき、私たちはしばしば驚き、固まってしまう。さらに(幼い頃から訓練されてきたように)微笑んで身を守ろうとする。そして後になって後悔し、自己嫌悪で死にたくなる。「なぜちゃんと言い返せなかったのか?」「もっと上手に対応できたはずなのに!」そんな体験を皆無にするのは難しいけれど、練習によって反射神経を磨くことはできる。まずは、言い返せなかった自分が悪いんじゃない、という事実を心に刻もう。

  • 「82年生まれ、キムジヨン」と併せて購入、読了。
    2冊とも新刊で贅沢をしたけど、買って良かった。

    本書はセクシストに対してどのように身を守り、声をあげるか、かなり具体的な方法を示して教えている。

    こう聞かれたらこう答えよ、と明確に書かれている。誰からも教えてもらえなかった著者が、悲しくも実体験で学んだことを鋼の心で纏め上げ、世に出した勇気と決意の一冊だ。

    時は2019年の現在でも、私はフェミニストである、と大きな声で言うのは勇気がいる。面倒くさい女だ、と思われたくない、事を荒だてたくない、物分かりのいい女と思われたい。

    けど、決死の覚悟で権利…(それは、安全や自由)を掴んできた彼女らの功績にはあやかりたい。

    もう、そんなのダサすぎると思った。

    30歳もすぎて、社会の一角を担っているのに、そこの責任を放棄して「誰かがやる」のを待って甘い汁だけ吸おうなんて、そんなの都合よすぎると思った。

    いざと言う時、わたしが「それ」に直面したとき、姉や、同僚、すれ違った女性、わたしより若い女性たちが「それ」に直面した時、毅然と戦わなくてはいけない。必ずやひとりにさせないで、一緒に立ち向かわなくてはいけない。

    そのために持てる武器が言葉の剣なら、それを磨いておこうと思う。たとえどんなに苦手でも。それは私の義務だから。

    それに気付けただけでも、十二分に読んだ価値があった。

  • 韓国現代文学特集 : イ・ミンギョン インタビュー"世界の見方を変えることば" / The power of "K" literature Issue : Interview with Lee Min-Gyeongneol.jp | neol.jp
    https://www.neol.jp/culture/80164/

    私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない | タバブックス
    http://tababooks.com/books/watashitachi

  • 2020年5月
    読み終わった後の高揚感といったら!
    こんな力強い言葉で女性嫌悪と闘える人がいるんだ思うと勇気が湧いてくる。

    「あなたがフェミニストを自任していても、一度ミスをすればその瞬間、「オマエのどこがフェミニストなんだ」と叩かれるでしょう。まずはできていないところから見てやろうという視線が注がれるのです。」
    これは本当にその通りだと思う。
    フェミニズムと言うと自分はさも一家言ある人間であるかのように細かな"指摘"を繰り返す人多いよなぁ。

  • 買って正解の本。これからは私もフェミニストと名乗って、生きていこうと思いました。

    「話すのを決めるのはあなた」等という言葉がありがたかった。セクハラに遭っても、折り合わなければいけないという思いがどこかにあったけど、そんなことないんだと勇気づけてくれた。

    「82年生まれ キム・ジヨン」の解説本として、セットで読むのがおすすめ。

  • 最高すぎる本。図書館で借りたけど、永遠に永遠に手元に置いておきたいと思った。
    ・差別を受けた経験のない男性に向かって、理解させようと努力して疲弊する私たち。ちょっと待って、努力すべきなのは私たちではなく、知りたいと思う側では?
    ・そんな男性がちょっと理解したら「一応聞く耳はあったんだ…!」って感動しちゃうけど、それって感動するほどのこと?
    ・「そんなにキレなくても」という一見穏健派な意見は、その人が怒る必要のない権力側にいるというだけ。それって、ただのKY。

    こういう経験は私たちの間であまりにありふれているから、これを読むとマイノリティの当事者性とか、色々なことを自分ごととして考えることができると思う。

  • 韓国で起きた江南駅事件、

    日本で起きたコンクリート詰め殺人事件、小金井ストーカー殺人未遂事件、女子トイレの盗撮カメラ、街中のキャットコール、痴漢
    全部の事件が同じ線の上にあるということ

    経験したことがないから分からないというひとに、わかるまで教えてあげるのは、わたしの義務ではない
    口先では知りたいといいながらその場所から一歩も動かず、ただで説明を求めるような相手に教えてあげる義理もないよ
    本や映画、漫画、ドラマでもなんでも、追体験できる手段はいくらでもある

    この本を読むまでは気づけなかった
    苦しかった2年前のわたしに早く教えてあげたかった本

  • 2005年まで韓国には「戸主制」があり、法改正後も今に至るまで男系思想が強く残っている。
    江南女性殺害事件が女性嫌悪によるものだとの認識が女性に広まり、女性が声をあげるようになった。

    文化背景や事情、共有する事件が異なること、「女性嫌悪」の男性・女性に向けてのきつい言葉もあり、読み進めることにしんどい場面もある。
    だけど、日本でも、例えば「育児休暇いいよな」とか、大なり小なりある。
    説明することのしんどさは共有できる。

    社会に出た子どもたちにガッカリされないよう、ジェンダーに関わることを見直していきたい。

  • 1番の学びは『あなたには相手を説得する責任はない』ということだった。

    ・聞く姿勢のある人には丁寧な説明を
    ・自分が相手に教えてあげたい時に口を開く
    ・思想に攻撃してくる人には容赦なく

    しっかり実践していきたい。

  • 対話や説明をする義務はない、という冒頭の主張に目を丸くした。
    同時に体が軽くなった気がした。
    そうしたいと思った時のためにたくさんの言葉を自分のものにしていかなければならないとは思うけれども、私達は一人じゃないのだ。

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著者プロフィール

韓国延世大学校仏語仏文学科・社会学科卒業。韓国外国語大学校通翻訳大学院韓仏科で国際会議通訳専攻修士学位取得。なんでも自分でやってみないと気が済まない性格で、それを自分で望んだかどうかがなによりも重要。望んでいない人生を歩みたくないがためにフェミニストに。現在、韓国延世大学校文化人類学科修士課程在学中。女性の新しい生き方の可能性を模索している。著書に『私たちにも系譜がある:さびしくないフェミニズム』『失った賃金を求めて』、共著に『大韓民国ネットフェミ史』『フェミニスト先生が必要』など。好きなことばは「人生は祭りでなきゃ」。

「2018年 『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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