- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784907095475
感想・レビュー・書評
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長谷川先生の優しい人柄をそのまま描いた絵本だと感じました。長谷川先生は長谷川式スケールという認知症診断基準を確立し長年認知症治療に携わっておられましたが、自らも認知症を発症し昨年永眠されています。
認知症への理解が広まることは、すべての人への優しさや思いやりにもつながっていくと思います。でも、認知症があるなしに関わらず、社会的に弱い立場にある方にいつも笑顔で「大丈夫だよ」と伝え寄り添って話を聞けるそんな人になりたいって感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
認知症の権威、長谷川和夫氏が自ら認知症に罹ったことをカミングアウトしたその年に出された絵本です。先日NHKで放映されたドキュメンタリーを見て感じるところ大だったので著作を探した時に見つけた絵本。ここにも罹った本人にも周囲にも注がれている眼差し愛情がきちんと伝わってきます♪
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おばあちゃんの怒った顔、ほっとして笑った顔。
“ぼく”は、おばあちゃんを“おばあちゃん”として見ているから、ぼくの言葉でおばあちゃんは安心できるんだね。
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この絵本を知ったのは、著者である長谷川和夫さん「ぼくはやっと認知症のことがわかった」という本を読んだときでした。
長谷川和夫さんは精神科医でもあり、認知症の検査スケール「長谷川式簡易知能評価スケール(長谷川式スケール)」を開発された人です。
「ぼくはやっと認知症のことがわかった」でも繰り返し書かれているのですが、人は認知症と診断されたとしても、その日からその人が変わったわけではなく、連続した日々の中に生きていると、長谷川さんはおっしゃっています。
それを長谷川さんの目線で絵本にしたものが、「だいじょうぶだよ ~ぼくのおばあちゃん~」という本です。
優しかったおばあちゃんが、なんだかいろんなことを忘れてしまうようになり、怒りっぽくキツイ顔に変わっていきます。
まわりは驚き、困惑し、泣いている…
でも“ぼく”にとっては、どんなおばあちゃんも“ぼくのおばあちゃん”という思いは、変わりません。
ぼくは、おばあちゃんが“何に困っているのか”を一番に考えます。
そしておばあちゃんが笑顔になれるには、どうしたらいいかを考えて、言葉を紡いでいます。
ぼくとおばあちゃんは、認知症があってもなくても、ひとりの人間同士として関わり合っているのです。
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この絵本は、小2の娘に読み聞かせをしようと図書館から借りてきました。
しかし娘は読み聞かせる前にひとりで絵本を読んでいて、「やさしいお話だよ」と感想を教えてくれました。
“ぼく”の言葉で笑顔になったおばあちゃんのページが、娘は好きだそうです。
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もちろん認知症の方の介護では、言葉では言い表せないようなしんどさがあると思います。
この絵本も“きれいごと”だ!と思う方もいるかもしれません。
そんな風に考えてしまうのは、多分自分に余裕がないからかもしれません。
この本を読んでもしイライラしてしまったとしたら、自分自身を休めるときなのだと思います。
そこにいる相手を、“認知症の人”としてとらえるのではなく、“○○さん”というひとりの人間としてとらえ、その人の困りごとを一緒になって乗り越えていく。
その姿勢があれば認知症になったとしても、本人も家族も地域の人も、しあわせに暮らせるのではないでしょうか。 -
幼稚園の絵本読み聞かせボランティアをしていた頃、年長さんには毎年これを読もうと決めていた。理解できないかもしれないけど、何となく心に残ってくれればと思って読んだ。僕はおばあちゃんのことよく知ってるから大丈夫だよ、なんて言える優しい孫がいたら嬉しいだろうな。
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「ボクはやっと認知症のことがわかった」の筆者による、認知症周知のための絵本。"Grandpa doesn't know it's me(邦題:わすれないよ、おいじちゃん@日本評論社)"というアメリカの絵本に触発され、逆のシチュエーション(おばあちゃんと孫の男の子)で作成したもの。アルツハイマー型認知症となった義父との体験も加味されている。
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孫によんだろと思って買うたけど、この前来とったのに、チャンバラごっこしてたら忘れてもうたわ。今度来た時には絶対読んだろ。
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著者の長谷川和夫さんは認知症の権威とのこと。そして、これは著者の過程で実際にあった出来事をもとにしている。人生100年時代。子供も認知症の祖父母や曽祖父母に接する機会もあるだろう。
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ぼくのセリフにホロリとくる。なんていい子なんだ!おばあちゃんは幸せものだ。
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認知症。身近であってあまりよく知られていない。認知症の方の周りの家族が大変そうだなっていつも目を向けてしまうけど、忘れたくなくてもいろいろなことを忘れてしまう本人が一番辛いんだよなー。そんな時こうやって声をかけてもらえたら心が救われるだろうな、嬉しいだろうな
著者プロフィール
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