図書館人への言葉のとびら

著者 :
  • 郵研社
3.60
  • (1)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 65
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784907126537

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今日丁度、岸和田市の図書館について考えるシンポジウムがあるので、急遽読んだ図書館のあり方の本。この頃頻繁に本の貸出だけではなく、いろんな形で図書館を利用するようになっただけに、興味深く読むことができました。

    付箋をつけたところ、覚書として書いときます。

    ・図書館サービスは市民(利用者)への貸出点数の多寡で評価されるべきではなく、利用者の満足度で評価されるべきものだ。
    ・公立図書館が純文学を支えないと、日本の文学は滅んでしまうのです。
    ・文藝五誌。「文藝」13000部、「文学界」9000部、「新潮」7050部、「群像」6000部、「すばる」5000部。・・・図書館にとって文芸誌は特別扱い。
    ・図書館員が愛さなければならないもの「資料、人(利用者)、地域」
    ・市民が情報へアクセスできる必要があるから、公共図書館がある。
    ・「貸出冊数」の増加はあくまで結果であって、目的ではない。
    ・本を選ぶということは、その図書館の政策のあらわれです。
    ・公共図書館が編集・発行する「図書館だより」はいずこも、新着本、休館日、イベント、ベストリーダーなど、図書館が知らせたいことを載せているだけの紙面が圧倒的に多い。「リレーション」に欠けている。
    ・市民は「お客様」として受け身として参加する方式には飽きている。市民は実に能動的で、活動的な多様な要求を持っている。
    ・たとえ人口が少なくても、経済的繁栄がみられなくても、住民が暮らしやすく満足を感じる地域があれば、その地域は活性化してると言える。

    ●自治体のまちづくりに「図書館」との結びつきは必須条件。
    ①施設の床面積あたりの集客力が大きい
    ②利用者の年齢・年代の幅が広い
    ③無料で使え、平日、休日、昼夜を問わず開館している
    ④司書という専門的職員が利用相談に応じ、ボランティア活動も盛ん
    ⑤古今東西、網羅万象、あらゆる趣味と興味と知的関心に対応可能
    ⑥短時間の立ち寄りから長時間に及ぶ滞在まで、自分の居場所がある
    ⑦カフェ、書店、スポーツ施設、学習塾など民間文化施設とも親和性が高い

    まあ、地域に役立つ図書館を目指して、どう変わるのか楽しみですな。

  • 図書館員ではないがどの言葉もわかるー!と思えた。そもそも読書離れが問題で図書館と書店は対立するものではない。また図書サービスではなく収集が主目的である。なかでも図書館浴は自身が一番納得できた言葉で、なるほど毎週借りる本より行って眺めることにワクワクしてたのはこれか!としっくり来た。
    3冊目読了。

  • 図書館の役割について今まで知らない事を教えていただきどの内容も思いが伝わってきてこの本を読んでよかったです。

  • • 図書館人として道標となる言葉をひたすら探すことで、迷い道から抜け出せたり、鼓舞されたり、ときには「これでいいのだ」と自信を深めることができました。(「はじめに」より)
    • 図書館界の泰斗のほか、出版界、書店員、作家などから、69の珠玉の言葉を収録した待望の新刊。
    • 「図書館は臍帯だ さまざまなひとびとの智とつながって ひとはあたらしいいのちを得る」(「未知の若い友へ」より一部抜粋)など69の道標となることばを贈る。何かが「見えた」としたら幸甚です。
    知の銀河系ともいえる膨大な量の書物が生まれた源泉
    人がその主体性において本を選びうることこそ読書の特質
    手招きする本との偶然の出会い
    書き手や送り手とともにたどる知的冒険が読書
    地域において「編集」「出版」のやるべき役割
    本は多くの無名の人々の手に支えられて読者と出会う
    地方出版人の熱意ある行動を支えるもの
    出版物の売上げの低下を出版文化の危機にすりかえるな
    真の〝読書の自由〟がないという意味とは
    出版社も書店も取次も、「本」を「読者」に手渡すためにある
    「書店」と「本屋」の違い
    書店員と顧客との間に架けられる気持ちの橋
    地域と繋がろうとする書店
    書店が本を売るのか、それとも本は読者によって買われるのか
    書店の文庫の構成を見直しただけで二週間後の売上げは二割増
    版元のメディアを頼りに平積みしている本屋の現実
    選書のなかに利用者像あり
    利用者を否定しない棚

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

ライブラリアン・コーディネーター,FMラジオパーソナリティ,常磐大学・同志社大学・熊本学園大学非常勤講師
1956(昭和31)年茨城県鹿嶋市生まれ。鹿嶋市,塩尻市に33年間勤務。両市で図書館長を務め,定年を待たず早期退職しフリーランスに
著書に『だから図書館めぐりはやめられない』(ほおずき書籍 2012年),『図書館はラビリンス』(樹村房 2012年),『図書館長論の試み』(樹村房 2014年),『図書館はまちのたからもの』(日外アソシエーツ 2016年),『クルマの図書館コレクション』(郵研社 2016年)などがある

「2017年 『ちょっとマニアックな図書館コレクション談義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内野安彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×